幕間
オペラ・セリア
ペルセウス 帝国建国記 第3日 2幕
『円環と皇帝』
偉大なり、円環の福音よ。民主と英知の結晶よ。されど、汝の祝福は、永遠ならざり
偉大なり、先人の団結よ。共に争い、共に手を取り、過去の遺恨を乗り越えて。されど、憎しみは永遠なり
無限の富と、無窮の栄光は、一夜の夢ならざり。我らは騎士なり。人民の騎士なり。そが祝福を、今一度、蘇らせん
無益なり
無益なり
無謀なり
徒労なり
円環は、崩れたり。無窮の魔法は破れたり
しからば、円環をば、いまいちど顕現させん。円環の祝福は、人民の灯なり。歴史の灯なり。
我が名はアラニエ・ノーテナ。我が決意は鋼なり。
しからばノーテナ。汝がいかにして騎士たりえるか。汝かいかにして灯なりえるか。
貧したり者を救い、窮したり者を救わんとす。
其が努力。益ならざり。
其が決意。功ならざり。
否。否。否。
富は無限なり。栄光は無窮なり。憎しみは無限ならざりて、悲しみも無辺ならざりて。
しからば、我は騎士を率いて、悪党を打ち払い。正義の在りかを示さんとす。我が灯は、決して散らさず。
しからば。其が決意、託したし。其が使命、託したり。
いざ発たん!大空へ!
いざ発たん!大海へ!
汝、皇帝よ。世界を統べし皇帝よ。彼が者の決意。何人たりとも侵さざり。彼が者の灯。何人たりとも、散らすこと能わず。