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三話 まじで世界は滅亡ですか?

 各局が一斉にミノタウロスと並行して、青森で出現した未確認生物の情報を伝え始める。


 人口の少ない過疎地であるせいだろうな。

SNSのリアルタイム動画や、写真は上がってきていない。


 やがて、テレビに街頭防犯カメラがとらえた映像が映し出された。

その画面に映し出されたのは……。


 画面を横切ったのは、オタクには馴染みのあるような気がする生物だった。


 身長は小学生くらいで全身鶯色。

手に短剣と思われる刃物を持っている。


「ゴブリン…… だよな?」


 テレビのアナウンサーが画面外から差し出された原稿を受け取り読み始める。


「新しい情報が入ってきました。青森の未確認生物を警察が射殺した模様です」


 どうやら、ミノタウロスとは違い警官の公用拳銃で射殺できたようだ。

ゴブリンと言えば、ファンタジーの常識に当てはめるなら、集団で現れる点が危険とされる。

だが、こいつは一体だけのようだ。


 過疎地だけあって、逃げることも抵抗することもままならない数名の老人が犠牲になったことが報じられている。


 ただ、ミノタウロスの被害があまりにも大きすぎた。

十分衝撃的な事件であるにもかかわらず、こちらの扱いは控えめだ。




 ゴブリン射殺の一報からわずか数分後。

電子音と共にまたしても、テレビの画面上部に速報テロップが現れる。



【大分県OO市に未確認生物が出現。数名の死傷者が出ているもよう】


「さすがになんかヤバいんじゃね?」


 本日、三体目の怪物出現ニュースである。



 四度目のSNSチェック。


 今度の現場は温泉観光地みたいだ。

動画のアップはまだ無い。

しかし、もう怪物の写真が数枚アップされていた。


 外見は四足歩行。

怪物というよりは、なんだか動物園から逃げ出した動物のような……。

ぶっちゃけ、ネズミにしか見えない外見だ。

ただし、写真で見る限り大きさが普通ではない。

絶対に成獣のライオンやトラ位はある。


 またしても、オタクの俺にはなんか心当たりが有りまくりのフォルムだが……。

SNSでも写真を見て気付いた人は多かったようだ。


【英雄神話のデカネズミktkr】


【どうみてもデカネズミでしょう】


【ゲームじゃLV3で勝てるやつ】


【これはアカン。

リアルじゃ、初期装備で戦って良い敵じゃないわ】


 デカネズミのハッシュタグのついた書き込みが、瞬時に乱立する。


 英雄神話は三世代以上昔のゲーム機からずっとシリーズ化されている。

いわゆる、国民的に有名なコンシューマーRPGだ。


 今、写真にアップされているのは、その全作品に必ず出てくる最底辺モンスター【デカネズミ】そのものの容姿であった。

普通に考えて、丸腰の人間やゲームの初期装備【ぼくとう&たびびとのふく】で立ち向かってどうこうなるような相手には見えない。


 まだ青森に出たゴブリンの方が勝算ありそうだ。

ゲームではゴブリンの方が強いのだが……。



 やがて、デカネズミ制圧のニュースが飛び込んできた。

テレビのアナウンサーが差し出された原稿を読み上げる。


「最新の情報が入りました。大分県〇〇市の未確認生物ですが、地元の猟友会が射殺した模様です」


 デカネズミ討伐は警察ではなかったか。

猟友会により射殺ということは、ミノタウロスみたいなバケモノでなければ魔物相手に猟銃は通用するようである。



 しばらくテレビを眺めていたが、魔物のおかわりはこれ以上無さそうだな。

テレビの報道は、政府が緊急対策本部を立ち上げるとか、少しずつ分かってきた被害状況や負傷者の搬送先などが、繰り返し報じられている状態になった。

 しばらく新情報は無さそうだと思って、席を立ったその時。



次のニュース速報テロップは、さらに驚きの内容が出てきた。



【中国・スペイン・アメリカ・インドでも未確認生物が出現。死傷者多数のもよう】


 俺は朝一番に衝撃発言を行って、いなくなった佐藤アナの言葉を不意に思い出した。


「まじで世界は滅亡ですか?」



 翌日の朝時点で魔物による被害は国内三か所、死者は合計四百人を超えていた。

かなりすさまじい数字である。


 ゴブリンとデカネズミによる犠牲者はともに数名だった。

つまり、殆どがミノタウロス無双の被害者だ。


 情報統制されているお隣の国など、よくわからない地域もあるが、海外の魔物被害はわかる範囲だけでも、日本以上にすごいことになっていた。

 というのも、海外での実際被害は四ヵ国どころではなかった。


 実は世界規模で魔物が出現していたのである。

ネット環境の進んでいる国では魔物被害の動画が結構上がっていた。


 ホントにこれでもかというくらい、多様な怪物が世界中にあふれかえっていた。

だが、すでにほぼその全てが各国の軍や警察によりその日のうちに駆除されている。



 アメリカなどは意外と被害が小さい。

どうやら銃社会であることが幸いしたようだ。

あの国は市民レベルで一定数の銃所持者がいる。

魔物が早い段階で射殺されるケースが多かったと、ネットなどでは書かれていた。


 一方、オタク目線で見れば、いわゆる【地竜】と呼ばれるような怪獣映画的にえげつないのが現れた地域などもある。


 このような所は町レベルで被害が出てしまったようだ。

国軍が戦車等の重火器搭載の兵器を持ち出さないと、どうにもならないようなのもいるということである。


 ミノタウロスはヤバいことに変わりないが、地竜よりはかなりマシであったようだ。


 世界的には情報がまだ錯綜しており、全貌はさっぱりわからない。

どの国も自国の事態収拾を付けるのに精一杯のようである。

世界は誰も予想だにしなかった原因で、滅亡に向かって転がり始めている。



 初日の投稿はここまでです。4話は明日、4月2日 21:30ごろを予定してます。

ちょっとでも気になってくれたら、ブックマークと下の★、一個でいいので

ポチって評価つけてくれたらうれしいです。

 シャーペンの芯より細くて弱い自分の心が折れる確率が下がります。


 実はめっちゃドキドキしながら投稿してます。

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