ギルド登録
あれから2年経ち、ようやくギルドに登録出来る歳になったので早速登録しに『錬金術ギルド』にやって来ました。
『ソコは冒険者ギルドではないのか?我と一緒ならAランクも夢ではないと思うが』
「魔獣相手に切った張ったするのは若い子に任せるよ」
『若い子って……』
「精神年齢は前世併せるととうに70越えてるからね。私はのんびりスローライフがしたいの」
***
フリードルフ国にあるダンジョン都市の1つ『トーキット』
大小2つのダンジョンを有する国内で3番目に大きな街にある『錬金術ギルド』で登録をお願いする。
「ようこそ『錬金術ギルド』へ!こちらが登録用紙になります」
元気な受付のお姉さんに渡された用紙の必要項目を埋めていく。
「はい、記入漏れはないですね。お名前は『サヤ』さんですね。登録するので少々お待ちください」
「はい」
え?サヤって誰だって?そりゃあ前世の名前が『鴇東沙夜』だったからだよ。
何でフレデリカじゃないのかって?いやぁ今世では亡くなった母以外名前を呼ばれたことがなかったからか、いまいち自分だと実感が無くてね。乳母は『お嬢様』呼びだったし。流石に66対1、長年慣れ親しんだ名前の方が良いとフレデリカも納得してるよ。
序でに紹介、契約精霊の白虎の名は『西虎』。白虎と言えば青龍・朱雀・白虎・玄武の『四神』だからね。白虎=西ということで『西虎』を中国語読みにしてみたよ。
そのシーフゥは今は私の左肩に仔猫の姿で乗っている。これなら精霊だとは気付かれないからね。あぁモフモフ~♪
「お待たせしました。こちらがギルドカードになります」
名刺サイズの木の板に『Fランク』と名前、錬金術ギルドのマークが刻印されている。
錬金術師のランクに関してはFは初心者、Eは見習い、Dで一人前…って感じかな。
「早速ですみませんがコレらを査定してもらえますか?」
「拝見しますね」
マジックバッグに見せ掛けた『収納』から取り出したポーション――傷薬、解毒、魔力回復――を受付のお姉さんが1つずつ査定していく。
カウンター内に置かれた四角い箱は査定用の魔道具だという。中で特殊な光を当てると品質が表示されるらしい。
「全てA!素晴らしいです!」
「買取りしてもらえますか?」
「もちろん!この品質なら文句無しですよ!」
自分で『鑑定』してたから自信があったけど、改めて評価されるとやっぱり嬉しいわ。
「サヤさんは優秀ですねぇ。これなら直ぐにでもランクアップ出来ると思いますよ!頑張って下さいね」
「ありがとう」
***
「さて、折角だから美味しいものでも食べようか」
『登録記念ってやつか。フム、我は肉が良いの』
「それなら良い処見つけたんでソコ行こうか」
ギルドから出て賑やかな通りを歩く。ダンジョンで栄えているだけに冒険者の姿が多い。種族も色々で、人族のみならず獣人族やエルフも居る。うん、ファンタジー。
「ココの串焼きが絶品なんだよ。おじさん2本ください」
「らっしゃい!嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか!1本オマケしてやるよ!」
「ありがとう~!」
早速熱々の肉にかぶりつく。う~んやっぱり美味しいわ~♪シーフゥも気に入ったのか凄いイキオイで食べてるし。やっぱこの街を拠点にして正解だわ。
前世の苗字に似てるからってのもあるけど決め手は何といっても美味しい食べ物屋が多いって事!コレ大事。美味しい食事は明日への活力になるからね!
さぁ!頑張るぞ~!
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