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8歳になりました

 皆様ごきげんよう、8歳になりましたよ。


 あれから元居た使用人もほとんど入れ替わって、今では屋敷に居る誰もが(フレデリカ)の事は居ない者扱い。まぁ、こっちもそれ幸いにと出歩いてるから別に気にしてないけどね。ちゃんと身代わり人形で擬装してあるし。


 書庫にあった本は粗方読破し終えたので、今は毎日『転移』で色々な所を探索中。しっかり『認識阻害』と『気配遮断』の魔法を使っているから気付かれる心配もなし。


 ***


「もう!勉強なんて嫌よ!それよりお茶会がしたいわ!」


 丁度探索中に手に入れた食材で料理をしようと戻ってきた所で異母妹の大声が聞こえてきた。


 数ヶ月しか離れていない異母妹は金髪に緑の瞳をしており、義母に似てとても華やかではあるのだが、両親と周りがデロデロに甘やかしたせいでとんでもない我が儘娘に育ってしまった。性格の悪さが滲み出ていて可愛い顔が台無しになっている。折角良い物を持って産まれたのにとても残念に思う。


 通常、貴族の子息令嬢は早くて4歳、遅くとも6歳から家庭教師を招いて教育を始める。異母妹は何だかんだと嫌がり去年からようやく始めたみたいだが、あまり捗ってないようだ。


 え?私?もちろん放ったらかしにされてたよ。まぁ、書庫の本で基本は学んでたし、こっそり異母妹の1人目の家庭教師から『模写(トレース)』させてもらったんで。その道では高名な夫人だったからお蔭様でマナーもダンスもバッチコイですが何か?異母妹は厳しさに直ぐに音を上げたけどね。


 ***


 さて、今日も探索をしますかね。

 しかし『転移』って便利だよね~♪一度行った所に『転移ポイント』を設置すれば次からは一瞬で到達出来るんだもんね。


 この5年で自国と隣国のスルーリア国はほぼ行き尽くしたから次はその隣のフリードルフ国だね。確か実力主義国家でダンジョン都市も多いらしいから一寸楽しみかも。




 スルーリアとフリードルフの国境にある森をフリードルフに向かって探索中。

 あ、マナ草発見!『鑑定』があるからこういう時、重宝するのよね。これだけあれば魔力回復ポーションがたくさん作れるわ。


 最近ポーション作りにハマっているのよね~♪色々混ぜ合わせたりするのが面白くてね。前世でも趣味が物作りだったし、水魔法も得意だから性にあってるのかもね。


『空間魔法』の『収納』に採取したマナ草を入れておく。時間停止機能付だから何時までも新鮮なのが嬉しいわ。他にも色々入ってるよ。あぁ、闇属性持ちだとバレないようにマジックバッグ風に擬装してるよ。


 他にもないかな~っと森をウロウロしてたら――――


 白い虎に出会いました。

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