雨とコンビニご飯
「……今日も雨だねぇ~」
「今年の雨季は長くなるそうですわ」
「異世界にも梅雨が有るとは知らんかったわ」
私達が住むフリードルフは大陸の南に位置し、おそらく地球で言うところの東南アジアの気候が一番近いかも知れない。
特にトーキットは日本と同じような季節感があったのが拠点に選んだ理由の1つでもあるのよね。
「今日はダンジョン探索はお休みにしてのんびりするとしますか」
「「「賛成~♪」」」
「あ!なら今日一日の食事、レベルアップを兼ねてウチに任せてくれへん?」
「あぁ、たまにはイイかもね」
「って事はコンビニご飯!?わぁ~!何食べよう~」
早速皆で地下へ移動する。あ、来客があったらわかるようにしてあるよ。まぁ雨だから誰も来ないと思うけどね。
***
地下にあるリビングに行くとシーフゥが大きなソファークッションの上でだらしなく寝そべっていた。所謂ヘソ天ってヤツ。――上級精霊の威厳も有ったもんじゃないね。
『コレの心地よさの前では威厳なぞどうでもよくなるわい』
大きな欠伸をするシーフゥが寝そべっているのは、前世で通称『人をダメにするクッション』と謂われていた物。風と空間魔法を応用してそれなりに似た物を作っちゃいました。
肌触りの良い生地で作ったカバーで覆われているから寝心地満点。すっかりシーフゥのお気に入りになっている。
あ、心配しなくても全員の分は別に有るからね。
『地上は雨で湿気がたまらんが、地下なら快適だからの』
「ふふっ……確かにそうですわね~」
すかさずクリスがシーフゥのお腹を両手で撫でまわすと、ゴロゴロと喉をならして更に脱力するシーフゥ。――今では見慣れた光景だけど、上級精霊を骨抜きにするクリスのスキル畏るべし。
「さぁてと、先ずは朝ごはんやね!皆どれにする?」
ランがスキルを発動させて商品が並ぶプレートを皆で覗き込む。う~ん、どれも美味しそう。
「ワタシ、おにぎりにしようかな~♪」
「わたくしはミックスサンドとフルーツサンド、コーンサラダに抹茶ラテでお願いしますわ」
『我は100チキ5個に激盛り焼きそばとやらを試してみるか』
「相変わらず100チキ好きだねぇ」
『サヤの作る唐揚げも大好物だがな』
「あら、ありがと。私はっと……う~ん……カレーパンとコロッケパンにカフェオレ。あ、ボニー、パスタサラダ半分こしない?」
「するー♪じゃあ、おにぎり1個増やす~♪後、この豚汁も~」
「何時もながらよう食べるなぁ。ホンマ何処に入るんやろ」
確かにボニーは4人の中で一番の大食いなんだよね。まぁ獣人族は体質的に大食漢が多いらしいよ。
「ウチはコレっと……あ………やったぁ!」
プレートで皆の注文を操作していたランの動きが止まったかと思うと右手を突き上げガッツポーズを決めた。
「よっしゃあ~!レベルアップしたで~♪」
「「「おめでとう~!」」」
「何がどうなったんかいな?………回数が増えて1日3回に……おぉ!『レンジ』機能が使えるって!温めますか~?ってヤツやね」
「って事は冷食もいけるんだ~!ワタシ、この冷凍ピラフ食べてみたかったんだ~♪」
「それは昼食の時でエエやろ。朝昼晩と3回使える様になったし」
――それじゃ昼食は温かいデラックス弁当にしようっと!楽しみ~♪
その日は雨のジメジメがない快適空間でコンビニご飯をたーっぷり堪能したよ。
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