力をつけよう
家を出る決意はしたが、如何せん今の私は3歳の幼女。もう少し大きくなってからじゃないと、とてもじゃないが無理。人攫いにあって最悪人身売買されるのがオチ。
少なくとも後10年。それまでは目立たず大人しくしているとして――『力』を付けなければ。
体力もそうだが、今の私に必要なのは知識という『力』だ。
『知識は財産だ』と誰かが言ってたがその通りだと思うよ。
というわけで、書庫に有る本を片っ端から読む事にした。
文学書から歴史書、自国及び周辺国の話、専門書等々いつ何時何が役に立つかわからないからね。
脳ミソが柔らかいから内容がスルスル入ってくる。若いって最高だわ~!
そしてわかったのは、この世は異世界転生話のド定番、剣と魔法の世界だった。
乳母が使っているのを見た記憶があったからそうかもって思ってたら、しっかり書庫に魔法の手引き書があったよ。
――そう!魔法!
孫達ならヒャッハー♪って小躍りするだろう魅惑の『能力』
この世界の魔法は火・水・土・風・光・闇の6属性があり、光と闇以外の4属性は皆使えるそうだ。只、個人によって得手不得手はあるみたい。火魔法は得意だけど水と風はからきしだとか、逆に火以外は大丈夫!とか……前世で言うところの文系よりは理系が得意なんだよね~みたいな感じ?違うかな?
因みに私は水と風と闇が特に強かったよ。
闇というと怖い=悪いイメージがあるけどこの世界ではそんなこともなく、主に空間魔法や鑑定、索敵等の魔力を指すらしい。
只、光と闇の属性持ちは貴重なんだとか。……面倒事の予感しかしない。うん、隠す方向でやっていこう!
魔法に関してはラノベで有りがちなイメージ力が重要だそうで。つまり日本人の『ゲーム脳』が物をいう訳だね!前世で孫達とゲーム三昧だったからその点は無問題。毎晩魔力を使い切っての気絶寝式レベル上げも実践していく予定。
この国では貴族の子息令嬢は13歳~18歳まで学園に通う事になっているそうだから、それまでには家を出なくちゃね。だから今はひたすら書物から知識という力を得る事と魔力上げに専念しようと思う。
目指すはハッピースローライフだ!