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強盗なう。  作者: 凪子
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鴇宮は俺に訴えかけるような目を向けてくる。


早まるなと言っているのだろう。


でもな鴇宮。お前にばっか、体張らせるわけにいかねえし。


「何だよその目は。馬鹿にしてんのか?」


「そろそろ疲れたんだ。終わりにしようぜ」


俺は一歩、二歩と包丁男との距離を詰め、画鋲の海を迂回うかいした。


包丁男は俺に包丁を構えて正対している。


張りつめた糸のような緊張感が店内に充満したそのとき、


「包丁を捨てな。さもないと撃っちゃうよん」


トイレのドアが開いて、肉まんの後ろから銃を構えた航平が出てきた。


肉まんはあわれ、顔中にトイレットペーパーを巻きつけられてミイラ男化している。


「てめえっ!」


包丁男が激昂げっこうしたとき、


「うりゃっ」


鴇宮がすかさず側にあった棚を包丁男に向けて突き倒した。ばらばらと勢いよく商品が落ちる。


傾いた棚の下敷きになりそうになり、包丁男は慌てて飛びのき、たたらを踏んだ。


航平は肉まんを突き飛ばし、構えた銃の引き金を引いた。


炸裂音さくれつおんが響き、えみかが悲鳴をあげる。店長が思わず床に伏せる。


俺は一気に包丁男との距離を詰め、棚にあった雑誌を引き抜いて盾代わりにし、突っ込んだ。


包丁が肩をかすめ、かすかな痛みを覚えた。


雑誌を突き出すと、包丁はずぶりと突き刺さる。


振り払おうとする力と引き抜く力が拮抗きっこうし、取っ組み合いの喧嘩になった。


「なめた真似しやがって!死ね!てめえら全員皆殺しだ!!」


「榎本君!」


鴇宮が包丁男の右手にしがみついた。


「よせ鴇宮!」


全体重をかけてしがみついている鴇宮を振り払おうと、包丁男は空いている左手を振り上げた。


そこへもう一発、銃声が響いた。


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