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「どういうことですか先輩!私たちの豪遊高飛びパラダイス計画が阻止されたということですかっ?!」
食いつく鴇宮の顔は真剣そのものだ。
本気で犯罪者に成り下がりたいらしい。もうどうにでもしてくれ。
鴇宮の両肩に手を置き、包丁男は言った。
「そうだ、相棒。どうやら警察さんはどうしても惨劇が見たいらしい。てめえらの無能さのせいで、善良な市民様ってやつが血を流してばたばた倒れていくさまをな」
と言ってこちらを見た包丁男の目つきは、間違いなく狂気に満ちていた。
狂気×狂気。
もはや暴走は止められそうにない。
航平いいぃ。
俺は心の中で祈った。
お前トイレ長すぎやしないか?早く戻ってきてくれ。このままじゃ俺ら皆殺しだ。
「先輩、こいつら一人ずつ殺すって本当ですか?!」
「おう、それしかねえ。俺たちの楽園のためにはな……」
「誰からいきます?」
「そうだな。まずはこの汚ねえゴミ野郎からだ」
と言って、包丁男は包丁で店長を示した。
店長は毅然とした態度を保っているが、顔色は青ざめている。
鴇宮は両手をぱんと打ち鳴らして、
「そうですねっ。それがいいです!殺しましょう殺しましょう!」
「どうせ血にまみれた手さ……これ以上何人殺めたところで変わらない。俺たちには地獄がお似合いだ」
「先輩、哀愁漂ってますね。マジ最高かっこいいですー」
完全に自分に酔っている馬鹿男×馬鹿男を調子づかせて引っかき回す馬鹿女。




