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【作品打ち切り 改訂版に移行しました】ニートな俺が山でスキルを習得させられて強くなったし、お金が必要なのでダンジョンで働きたいと思う  作者: MRプロジェクト
第3難 高難度ダンジョン【東京ダンジョン】

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03.班として約束しよう

すいません。ちょっと詰め込み過ぎました。

 さて、ここまで来て結局の所として、自班との結託がかかせなくなる。理由は単純。俺が冒険者をしているのなら、それは絶対だからだ。

 だからこそ、蔑ろに出来ない。そんな事をしたらおかしな方向に話は進んでしまう。


 既に班というもので決められたからには、力を合わせないと何も出来ないという事もあるが……。


 現状がこれだ。それぞれバラバラな思想を強く持ってるのが分かる。

 殆ど1日の仲。バラバラなのは仕方ないがこれはバラバラ過ぎる。加えて、特異な俺の存在ときたら、余計にそのバラバラ感に勢いつかせてしまった。


 ジャリジャリと地面を歩けば二人がそこにいる。

 幸の薄そうなおじさんと、見た目はお淑やかそうな女性が。


 特に、この二人。


「川端さん、狭山さん。探しましたよ」


 そんな今見つけた感じを装って大きな声で話しかける。


「ぁ、嶋崎さん。えーとそのですね……ってあの、病院の方は?」


 それに言い吃りながら、伺った川端さんは何処か腰は引けているようであった。さっきの話で丸められたせいだろう。


「はい大丈夫でしたよ。この通り」


 俺は軽く3度ほど飛んで、身体の無事を見せる。すると、川端さんは「良かった」と息を吐いた。


「所で、何の話をしていたんですか?」


 それから少し態とらしさはあるものの、スッとぼけ、聞き出す。


「……あの件について、ちょっと話していました」


 それに、目元に陰りを見せながら川端さんは言った。話も聞いていたが、表情からも失敗の色が見える。


 これについては実際問題、俺自身の事を川端さんに任せた事がダメだった。俺自身の考えでもあるのにだ。


「あの、川端さん。僕が話すべきなのに押し付けてしまってすいませんでした」


 だからその点については謝りたい。


「えっ? あ、いやそんな」


 川端さんの自嘲の笑みが、口角がそれとなく上がらせていた。落ち込むようにして顔をうつ向けているから、尚更色が濃く。


 俺はそんな彼に念を押すように「気にしないで下さい」と言ってから、一つお願いすることにした。


「あの、川端さん。一つ山田さんと影宮さんをここに呼んでもらうと言うお願いをしていいですか」


 バラバラなら先ずは形から入る。

 やっぱり個々で話すより纏まって話した方が巧く情報が伝達するだろうという考えのもと、俺の意見を全体に直ぐ伝えられることも含めて、パシリみたいになるけど、だから川端さんにお願いする。


「分かりました。……すいません」


 川端さんは走っていった。

 速度は中々に速かった。流石レベルアップ。


 そう思いながら、狭山さんの方へ居住まいを正す。


「嶋崎さん、あの時何度も助けていただきありがとうございます」


 狭山さんは綺麗に深いお辞儀を披露する。


「いいですよ、そんな。当たり前の事をしただけなんで。ええ」


 それに辺り感触(ざわり)のない言葉を選ぶ。そして間が紡がれなくて沈黙と化す。


「……」

「……」


 だめだ。俺の会話術ってこんなだったっけ? 山に籠ってたせいでコミュニケーション方法忘れたのか? いや、少なくともエレンとは日常的に言葉数が少ないものの話していたから、それはない。

 だとしたら、俺は元々こんな感じだったのか……。


「あ、えと、あーと___」

「嶋崎さん。あなたは、いつからそのような力を持ち始めたんですか?」


 俺のなにか話そうとする努力を遮ったのは、二回に渡るバケモノという発言の旨と全然毛色の違う問いかけだった。


 それに、少し振り返りながら答える。


「えーと、そうですね……4年前からですかね。あ、いや、違うな。ここまでの力は2年前です」


 そうだ。かれこれ修行を終えて一年経っていた。

 なんだかんだ、忘れていた事実だ。


「2年前ですか。いや、4年前を訂正したということは始まりが4年前。たった四年でバケモノになるかと言えば普通になれないですね……もしかしてあなたも妖怪に取り憑かれたんですか」


 突然の妖怪というパワーワードに一瞬呆気にとられる。


「はい? ……あー妖怪ですか。全然普通の人間ですね僕は……。えと狭山さん、それは信用してもらえますか?」


 と、求めるようにして聞いてみるが、案の定「いえ、ごめんなさい。それは無理です」という拒否権が行使された。


「ですよね……」


 それには「あはは」と苦い笑いしかでなかった。


「……でも本当は信じたいんですよ。私。色々と言いましたが」


 乾いた笑い。そこに遮るようにして、囁くくらい小さな声で彼女は言った。


「実はさっきまで、川端さんに信頼とかについて話してました。私は嶋崎さんについて話すべきだと川端さんに語ったり___」


 彼女は続ける。


「___でも、言ってるうちにそれは正しいのか分からなくなってきまして、最後まで言い切ったんですけど、自分の事を棚に上げて……人を責めてるって。自分でも分かるくらいロクでもない話で。でも、後悔はなくて間違いは無いと自分ではそういう気持ちがありまして___


 ___私は、その場で思いついたままの事を言ってしまうんです。頭で考えた言葉が多すぎる所為なのかもしれないのですが、こうなのでは? と思ったらわかるまで、分かってもらえるまでしつこく___


 ___現状に合わせた結果までも自身で作り上げようとする、性質の悪い女なんです。今みたいに言い訳ばかりで、責めることばかりで。いっつも、後から後悔してます。よく言いますよね、口は災いの元だって。よくそれで色々ありました」


 狭山さんから「あはは」と乾いた言葉が漏れる。


「……はぁ。人を信じられないって本当嫌になります。2度もあなたに助けてもらったのに、今でもあなたは化け物で私達を騙しているって思ってます。騙す意味すらないのにですよ」


 口では笑っているが目は笑っていなかった。無理に笑ったせいなのだろうが、元々笑えるような話じゃないからだろう。


 それにしても過去をほのめかす発言。

 人を信じられない程の何かがあったという事か。


 俺は少し、狭山さんについて気になった。


 だから聞き出そうとしたが、その前に頭を下げられた。


「あの時の失礼、本当にすいませんでした。正体なんて分かるはずもないのに、あんな発言を二度三度繰り返してしまって」

「あ、いや、全然大丈夫です。はい。えー、その。はい。謝られる程のことじゃないんで」


 そんな中、川端さん達が到着した。


「お待たせしました」

「か、川端さん速いですって!」

「そういう山田さんも速すぎます! ゴホッゴホッ」


 以外に早い到着だった。なら、早速話を進めようと思う。


「ありがとうございます川端さん。皆さん呼び出してすいません。それで早速なんですけど、僕達の班で決まり事を決めませんか」

「ど、どういう事ですか?」


 影宮さんはかなり息を切らしながら俺にそう聞いた。

 その為、簡単に今の班の状態を話すことにした。


「なんというかこの班は色々とバラバラでして、調和が取れていないといいますか、班として活動するにあたって弊害が多いです」


 俺は続ける。


「ですので、ここで決め事を決めませんか。ってことなんですけど、どうですか」


 皆んな疲れていると思う。色々と。だけど、早めに方針を決めた方が後々物事が簡単に進みそうだから今こうしている。


 悠夜は目だけで班のメンバーを一瞥する。

 それから数秒。


「……僕はいいですよ。寧ろ、決めた方がいい気もします。皆さんは?」


 山田は悠夜にそう言った後、周りにも同意を求めた。それに周りも同意して、決め事の話が始まった。


「先ず僕は、班として活動するにあたって纏まりが必要だと思いました。だからここは一人一人に決め事を決めたいと思ってます」


 俺はそのまま話を続ける。


「例えば川端さんは、感情的に何でもかんでもしようとしすぎです。普通に乱れます。だから、大体は割り切って下さい」

「あっ、はい……。善処……守ります」


 そして意見交換が始まった。

 最終的なそれぞれの意見は___



「えと、じゃあ狭山さんは、理屈で話す感じをやめて欲しいです。耳が痛いというか、なんというか」

「それなら、もう一つ。発言はもう一度考えてからしてほしいです」


 それは俺と川端さんからの言葉だった。


「気をつけます」



 次は山田さんだ___



「それでは山田さんは、芯を持って下さい。あなたは話につられ過ぎです。あなたのこれは臨機応変と違い、ただの優柔不断で流されやすいという___」

「狭山さん、それです」


 狭山さんからは、そう言う事だった。



 次は影宮さん。



「影宮さんは……」

「僕は、自制します」


 影宮さんは影宮さん自身で決めたらしい。なんの自制か分からないが自制らしい。



 最後に俺だ___



「最後は嶋崎さんですね」

「僕は……」


 俺は、何を守れば……。


 そう考えに更けていると狭山さんが言ってくれた。


「嶋崎さん、私が人に言える立場じゃないのですけど、貴方は人を頼るべきだと思います。森の時なんて、一緒に逃げて後は先行冒険者の人とかに任せるとか出来たかと。兎に角、一人で片付けようという色が凄く出てました」


 あー、そういうところがか、山での癖が出てたのかな。エレンと二人だけだから殆ど一人だけの闘いだったし。

 たしかに、河田さん系統の人に助けを求めた方が下手な話にも、死にかけることも、山田さんと川端さんにイライラすることもなかったんだろうなぁ。


「守ります。それでですが、皆さんにお願いしたい事があるんです」


 それは___


「僕の力について口外しないで欲しいんです」

「……理由を聞いても?」


 影宮さんはコテンと小首を傾げる。

 だから俺は意を話すことにした。


「そうですね……。僕のこの力とか、別のベクトルで恐れられるじゃないですか。それが、嫌でして……。それに、面倒な事だけは避けたくて。レベルアップについて話が浸透するまで黙っていて下さい、お願いします。僕の力については出来るだけお話ししますんで」


 これだけは、黙っていてほしい。世界規模で狭山さんのような事を言われたとして、一番初めが機械的な検査から何から何まで。時間が奪われて借金に当たる仕事ですら出来なくなる。

 そして最終的に危険人物として扱われそう。なんだって、元の力がアレなんだから。


「……全会一致ですか」


 下げた頭の上から狭山さんの言葉が聞こえる。


「嶋崎さん、顔をあげて下さい。皆さん了承の意がありますので、口外しないことを約束します。それでいいですよね」

「はい。僕も約束します」

「おれ…僕も、約束します」

「私も約束します」

「ありがとうございます!」


 そんな決め事の後、班の行動方針について話し合った。方針と言っても取り敢えずと言ったもので、纏まりを持って行動する。言い争いは出来るだけ控える。

 レベルを上げると言ったもの。


 大体はレベルアップに関しての情報を共有してから決まった話である。


 その後。各班のメンバーは体育館に呼ばれた。

 全体的な話があるそうで、今後の話らしい。


「皆さんお疲れ様でした」


 そこに立つのは河田さん___ではなく知らない人。


 若いちょび髭を生やした男性はそう言った後に続けた。


「今日まで軽くダンジョンに触れましたが、実体験を踏まえて思い通りに行かないことばかりだったと思います。特に防御面でです。防具の有無でかなり変わりますからね」


 たしかに、今回防具を使わずに潜ったな。防具の重要性を分からせようということか。インストラクターがいたから出来る事だな。


「ですが、明日からはダンジョンに潜るのではなく、根本的なスキルを習得、訓練をしたいと思います。近接的戦闘スキル、武器スキルともに技術と体力。そして、欠かせない忍耐力を」


 動揺の声が走る。主にダンジョンに潜らないのか云々。レベル云々、給料云々。給料は俺だ。


 それで、代表するようにして一人が声をあげた。


「訓練と言ってますが、ダンジョンには潜らないのですか?」

「月末に全班ダンジョンに潜ってもらいます。初めの3ヶ月は月1のダンジョンで充分だと」


 それにまた動揺が走る。だが、素早く釘は刺された。


「そんなに死にたいのでしたらご自由に。それはもうあなた方個人の話に変わります。誓約書にも許可内での行動以外は個人の話になると」


 そう言えば、第1行目に書いていた事を思い出す。

 少し忘れていた。


 それからまた、男性は話を続けた。


「この言い方は少し不謹慎であるのですが、調子に乗って1階層で死んだ人もいるんです。前例があるんですよ」


 森閑とする状況。

 そんな中でも話は進んでいく。


「……という事でお疲れ様でした。明日、9:00から訓練を開始しますのでよろしくお願いします」





 それから3ヶ月、グループのメンバーと必死に訓練をした。体力作りに自身の武器の技術、その他の面。

 給料は月一の日に本気を出してゴブリンを狩りまくった。5当分なので収入は毎月30万を維持している。


 それで冒険者の宿についてだが、惜しみつつも近くのマンションを借りた。ホテルよりは安くつくからだ。


 そして、明日から常時ダンジョンに潜れる許可が下りる。訓練についてはいつでも開いているらしいので、気になる人はダンジョン上がりに行くらしい。


 所で、川端さんの長期休暇についてだが、どうやら冒険者を本業でやっていくそう。

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