ー0ー 変革のプロローグ
ある日、巨大な揺れが起こった。M7強の揺れ。
それは、南海トラフ大地震や、富士火山噴火でもない。原因が不明であるが、確かな地震は自動緊急停止機能が機能するほどであり、それによって発電所の活動が止まり、都市部での電気を使用できない状況が人々をより恐怖と混乱に陥いらせた。
それは、日本だけのことではなく、世界における人々も陥っている。
人類が、頼りにしてきた電気は、極少数を除いて今も使えない。世界はこの事態に震撼する。
そんな中、極少数の一つにあたる「ナッサー」は、その揺れが落ち着いた後、直ぐに緊急用バッテリーを使用させた。
「い、一体何だったんだ」
男は慣れない地震に身を震わせながら、身体の芯まで轟く轟音を受け続けていた。
それにより脚がすくみ上がり、立つ事も不可能。そして、揺れが収まるとその症状は、無かったかのように消えた。
たが、今は自身の身体の事を考えている暇はない。本当にそれどころじゃない。色々考えていたいけど、それどころじゃない。
一瞬でも、この場にある全ての機能がシャットアウトしたんだ。再起動にも時間が掛かるし、今旅立っている宇宙飛行士たちの連絡が受け取れない。それは、宇宙飛行士達の命に関わる。
「だから急いで繋がってくれぇ!」
その願いは届いたのか、薄っすらと画面が光を浴び始める___
プチンっ
「なんでだよ!!」
周りからも、同様の声が上がる。
起動電源を入れ、セキュリティコードを入力する。そして、入ったかと思えば、またプチンと消えた。
これは本気でヤバイ。ヤバイぞ!!
何度も何度も入力を繰り返し、電源が切れる。
新手のハックを受けていると言う方がまだ現実的なのだが、そんなウイルスは発見されていない。となると、やはり先の地震が事に関わっていることになる。
何処かの電源回路が故障したのか、外れたのか、千切れたのか。それなら尚酷い参事を招くことになる。
それだけは、どうか、どうか違う結果であってくれ。
その時、何度目の正直かでパソコンが起動する。そして、この部屋の中央にある超巨大スクリーンにも電源が入った。
「よ、よし!」
これで、やり直せる。
そう思ってさっきまで使えていたパソコンにコードを打つが、反応はなかった。
これはどう言う事なのか。
ふと顔を上げれば、衛星画面に切り替わり、この状況で誰かが操作しているわけでもないのに動き出す。誰もパソコンなどの器具に触っていないのは確か。
となると___
「まさか、ハッキングか……? 一体どうやって」
ここのセキュリティは、人間の脳じゃ不可能な処理速度で行なっている。
それを越え、ハッキングしたのなら、それは人工知能かモンスターだ。
いや、そもそもAI自体進化はしているが、この処理を覚えさせるには最低でも68年掛かる。そして、セキュリティは20年ごとに書き換えられる。
だから、AIと言えど不可能なんだ。今のAIじゃ。
「じゃあ、誰が……? ここの奴がか? いやいや、する意味がないだろ。そんな事したら、首と刑務所と多額の罰金が待ってる」
こんな無意味な事をしているくらいなら、真面目に働いて高給を取ってら方が頭がいい。
そう一人で喋りツッコんでいると、衛星からの映像は、だんだんとズームしながら移動していく。
そして、あるところで映像の動きが止まった。
「あれは、一体なんだ……」
イギリスのロンドン。
そこには、エッフェル塔よりも、高々しく、物々しい塔が建っていた。銀色で加工鉱石のように輝かしい。またそれは、白銀の城にも見える塔が。
そしてまた、映像が動く。
映像は、どんどんと南下してくる。
その時、また大きく揺れた。
「う、うわっわわ」
机にガシッと手を置き、離さないようにする。
だめだ、脚が震える。そ、そうだ。椅子に座ろう。
プルプルと震える脚で、ゆっくりと椅子に腰を下ろす。
だが、今もプルプルと脚が震えている。
俺は、地震に怯えているのか?
「な、なんだあれ!?」
地面に手をつきながら、スクリーンを見つめてそう叫ぶ職員達。日本語でいうなら阿鼻叫喚、そのもののような状況。だからそれが気になり、俺も顔をスクリーンに向ける。
そして、驚いた。いや、戦慄した。
途轍もない揺れが収まらない中、500m級の塔が、地面から生えてきた。
土埃を上げ、吸収するように建物を地中に呑み込んで。
日本のランドマーク、スカイツリーの隣に聳え立つ塔。場所は日本の首都圏。
「東京……」
「ー「話数」ー 」この場合は、主人公視点はなく、現実世界での人々がダンジョンと、どう対抗するのかを書く事を表します。たまにダンジョンと関係がない事を書くかもしれませんが。




