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第3話 ネズミの力、身につけた……

※一部に汚い描写があります。

 修行は過酷を極めた。


 ネズミであるから、歯を鍛えなければいけない。だが、無限に歯が伸び続けるげっ歯類の特徴を持たない者は、ただ歯をすり減らし失うだけの結果に終わる。


 だが、コケの一念岩をも通す! 俺は文字通り岩にかじりつき、かじって、かじって、かじりきったあげくの果てに、とうとうげっ歯類の特徴である無限に伸びる前歯を手に入れた!!


 そして、無限の前歯を手に入れた俺は、次にその前歯の威力を磨くことにした。どれだけ硬い物をかじり、歯を失おうとも、俺の前歯は無限に生えてくる。折れた骨は、くっつくと更に強くなるのが道理。折れた歯は、さらに強くなって復活する。俺は、鉄をかじって克服し、鋼をかじって克服し、ルビーやサファイヤをかじり、スーパーセラミックをかじり、ついにはダイヤモンドさえもかじって、モース硬度十、ダイヤモンド並みの歯を手に入れた!


 そして、ネズミたるもの、食べものを選り好みしてはいけない。チーズは最高のご馳走だが、どんな食べものだろうと、残飯だろうと、あさって食事にしなければネズミとは言えない。


 いくたび吐いただろう。いくたび腹を下しただろう。だが、免疫力は鍛えることができる。俺は、ありとあらゆるばい菌や細菌、腐敗への耐性を手に入れた。当然、ネズミが媒介する病気の代名詞、ペスト菌への耐性もだ。


 そして、俺はそのペスト菌と共生することで、ペスト菌を操る術も身につけていた。感染させるもさせないも自由自在。まさに歩く細菌兵器!


 また、ネズミであるからには、壁を走り、床に潜り、天井を駆けねばならない。俺は修行によって爪を鍛え、壁を走る術を身につけた。天井や床に秘かに潜伏することも覚えた。ただし、音は立てる。だってネズミだもん。


 残念ながら、ネズミ産式に子供を増やす方法を身につけることはできなかった。だって相手がいないんだもん。ネズミの穴には、性別が雌のキャラクターはいなかった。ウホッ、いい雄、では子供はできない。なので、雄はノーサンキューで通した。


 その代わり、ありとあらゆる種類のネズミと意思疎通ができるようになった。世界中、ネズミのいない場所などない。どこに行っても、俺はネズミから情報収集をすることができるようになった。


 こうして俺は、ネズミの力を身につけた。

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