第91話 決戦
第三者視点
ベルセルクは焦っていた。
体力が全回復した事だけでここまで変わるものなのかと驚愕も勝り、集中力を失っていた。
だが実際、リョウの体力が回復した程度でそんなに戦況は一気に変わるものではなかった。
ラファやミラ達の応援が無ければベルセルクはまだいい勝負をしていただろう。
それだけリョウにとって彼女達の声援は大きなものだった。
リョウエン視点
「さて、カナリアも休ませたいし…伸びてるジゴもどうにかしたい…だから……」
俺はベルセルクに向かって一呼吸置き、宣言する。
「ここで死んでもらう!」
「舐めるなァァ」
ベルセルクが竜神悪魔殺しの剣を振るうが全て紅桜や黒鉄に防がれる。
「俺は……長い間貴様に封印されていた……だがある日を境に急激に封印が弱くなり内側からも壊せるようになった。」
実はこれは俺に心当たりがある。
以前俺とラファが結婚式を挙げる前、喧嘩したことを覚えているかな?
あの時俺はミラが来るまで心に落ち着きがなかった……
だからその時、平常心が無くなり魔力がとても乱れていた。
その時に封印していた結界も弱くなってしまったのであろう。
「戯言はいい……お前はさっさとここで絶命しろ!」
俺はベルセルクの頭に向けて対物ライフルの……コハクの引き金を引いた。
「クハハハハ!この程度で死んでたまるか!まだまだ僕はお前を……殺していないのだから!『堕天使化……暴走!!』」
そうベルセルクが呟いた瞬間、ベルセルクはルシファーと同じように化け物となった。
あの不思議な石…魔石に詰まっている魔力はアリサとルシファーの魔力が混じりあったものだった。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!」
「殺す殺すうるせぇよ………お前が俺にどれだけ恨みを買っているか……俺はもう思い出したさ……」
俺は昔……無慈悲にもベルセルクの恋人を斬った。
それ故にベルセルクが暴れ出し、俺はベルセルクを止めるため封印をかけた。
恋人の死体を前にして……
ベルセルクの恋人は世界を滅ぼした……いや人では届くはずの無い領域に届いたため、人が怖くなり大量虐殺を初めた……
それは世界を無に変えるものと等しいと神々の中で結論付けられ、執行対象となった。
今でも俺はあの行いが悪いとは思っていない。
「だからお前を殺す……桜鉄!」
俺はベルセルクが嫌いだ……
奴の恋人が死にそうになっても奴は何も反撃しようとしなかった……
そんなコイツが嫌いだ……
今になって……数千年にたって復讐を成し遂げていないコイツが嫌いだ……
「恋人のためなら……もっと早くから自分の命を捨てる覚悟で来い!クソベルセルク!!」
俺は桜鉄を奴の頭から縦に一太刀………
そして………
「最後まで恋人の為に命張ったお前は嫌いじゃねぇよ………」
奴が再生不可能な状態になるまで切り刻み、ベルセルクは命を絶った………
これで神煌竜の戦闘シーンは終了ですm(*_ _)m
次回は後日談というか、エンディングというか…まあ、そんなやつです…




