第79話 守るべきもの
俺は急いでアリサと別れた場所に向かう。
ルシファーが別れ際に残した言葉……
もしかしたらアリサの身に何かあるかもしれない。
「無事でいてくれよ……アリサ…」
もう少し走っていると、アリサと別れた場所に着いた。
アリサはそこで倒れていた。
「アリサ!何があったんだ!?」
俺はアリサを抱え、何があったのか事情を聴く。
「リョウと別れてから………この黒い刻印が身体中に出てきて……魔力を…吸い取られてるの……」
この刻印はなんなんだ?
「リョウ……魔力……悪いけど……分けてくれない?」
「あ、ああ!」
俺はアリサに魔力を流し込む。
全ての生物において、魔力が0になった状態が続くと、死ぬ。
アリサは魔力はラファ以上あり、ミラに負けないほどあったはずだ。
そして俺と別れ際、確かにアリサの魔力は限界まであった。
なのに今は、10を切っており、後数分遅ければ最悪アリサは………
やめておこう。
今はアリサをどう助けるかが問題だ。
「リョウ!!アリサ!!」
良いタイミングでラファ達と合流できた。
「とりあえず一旦城に帰ろう。アリサが心配だ。」
「はい」
「待って!」
俺達が帰還しようとした矢先、1人止めた者がいた。
「私は帝国にいます。だから……その…また襲ってきた時は…頼ってもいいですか?」
「ああ、いいぜ……ええっと…」
「すみません、まだ名乗ってませんでしたね、カナリアです。」
「カナリアか……よし覚えた。カナリア堕天使が襲ってきた時はこの石を握って助けてと強く思え。分かったか?」
「は、はい」
カナリアに渡したのは通信機の劣化版だ。
持ってる人が俺を呼んだら、俺が転移魔法でそいつの場所に飛ぶっていう大したことのない石だ。
「よし、じゃあまたこっちに来る。」
「わかりました。アリサさんにご武運を…」
「ああ!」
ここで一旦カナリアとはわかれた。
カナリアも心配だが、アリサも心配だ。
クソッ!どうしてこんなことになったのやら…
まあ、ゴタゴタ言っても仕方ないか…
これから俺とみんなが楽しくゆっくり過ごしていけるように今を頑張るだけだ。
俺達は転移魔法で王国まで戻った。
お知らせします。今週の土曜日、12月24日はおやすみです。その代わり、12月25日は投稿します。そして25日はスペシャル回で、メインストーリーではなく、番外編を投稿しようと思ってます。




