第65話 黒幕の影
リョウエン視点
「くっ!」
いくらルシファー達より早く倒そうと思っても、残ってるのはなかなか強い奴ばかりだ。
「こんな時に!ふっ!考え事か!はぁぁぁぁぁぁ!」
特にコイツ!めんどくせぇ!!
大剣をこんなに振り回してるのにスキが少ない!
「行くぞぉぉぉぉぉ!!」
「お前こそ………気が緩んでるぞ?」
俺はこの大剣使いを刀で切り裂く。
「あと5人………」
くっそ!やっぱりコイツら強い奴は本当に強い!
「あいつらやられてなきゃいいけど………」
ルシファー視点
「ふっふっふ………その程度でよく我に挑んできたな」
「くっ!つ、強い……」
この堕天使強い………
3秒……私達が壊滅した時間だ。
「しかしまた、いい素材が手に入った」
奴はそう言って私の頭を掴み上げる。
「いいものを見せてやろう。くっくっくっ」
「ぐぁぁぁ」
頭の中に………何か………入って…………くる……
これは……誰かの………記憶?
あれは人間?と私?
人間は女。
どうやら見せられているのは彼女と私が付き合っている話らしい。
「くっくっくっ。これは夢などではない。貴様は神たちに命令され人間を監視しているのだ。だがしかし、貴様はこの人間に惚れ付き合い、そしてそれを見た神はどうしたのか。それは自分の目で確かめたらどうだ?」
なっ!
「ルシファーよ、使命も忘れ人間と付き合うとはどういうことだ?」
「私が彼女と付き合ってはなりませんか?何人かの天使はこちらについてますよ?流石のあなたでもこの数相手には無理でしょう。」
「それがルシファー、貴様の判断か…ミカエル…やれ。」
「ぐぁぁぁ!」
私達はミカエルによって倒され…気を失い魂は消滅させられた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「どうだった?貴様の未来は?」
正直、驚きだ。信じられない。
あんなの私は信じたくない。
だが、今の話が何故か嘘のようには思えない。
怖い。信じられない自分や、神たちが…
「今の間にあの神を殺ればお前はあの女と仲良く暮らせるぞ?くっくっくっ。」
「っ!」
私の心のどこかで、そんな機会があるならやりたいと思ってしまった。
「貴様は今の生活楽しいか?人間といる時は楽しそうだったぞ?天界にいた時より笑っていたぞ?」
「っ!」
なら私は!私は!
「そっちに付けば…」
「ん?」
「そっちに付けば私は幸せになれるか?」
「くっくっくっ。そうだな。天界にいた時よりは幸せだと思えぞ?くっくっくっ」
「わかった。そちらに着こう。」
俺はもう神なんて信じない。
もちろん悪魔も。
ルシファーの翼は真っ黒に染まった。




