第61話 元恋人と今だ天を憎む者
リョウエン視点。
「リーフィアどうして!?どうして君がここに……」
「ジゴ落ち着け!コイツはリーフィアじゃない!リーフィアは…もう……」
俺でも否定したい…したいけどこの姿は間違いなくリーフィアだ。
「天使、神を殺します。さようなら」
『キィン!』
くっ!一瞬姿が消えた。
あと数秒、刀出すの遅れてたら死んでた…
「リーフィア落ち着け!それは僕の親友だよ?リョウエンだよ!」
「ジゴさん!彼女にどんな事があるかはわかりませんが、あれは敵ですよ!?」
「彼女は!彼女は僕の恋人だ!戦うことなんて………できないよ…」
「っ!」
まぁ今回ジゴは無理だろう、しかもコイツ…リーフィアは神殺しの力を持ってやがる……
「くっそ!分が悪い!」
出来れば気絶もしくは戦闘不能にさせたい!
「ブリザード!」
よし!足を凍らせ………ってええ!?
嘘だろ?氷を自力で割るって!
前のリーフィアには絶対無理だった。
身体強化もかかってんのか?
それとも元々違う奴だったのか?
でも、コイツは悪魔は気にせず、神や天使だけを狙ってくる。
「でも!私には彼女を治す手段があります。」
「!?」
「五分です。五分だけ持ちこたえてください。」
「…………わかったよ…君にかけてみよう。」
よし!ジゴも覚悟を決めたようだな。
「ジゴ……」
「………なんだい?」
「………俺の彼女を信じろ」
「私も手伝うわ」
「ありがとう、アリサ」
よし!残り5分の耐久だ。
あとはラファが、なんとかしてくれる。
「殺す!天使や神は殺す!」
「……リーフィア…君にはそんな言葉似合わないよ!」
ジゴが本気を出すようだ。
顔がマジの時の顔してる。
「神の鎖」
俺は鎖で彼女を拘束する。
「くっ!離せ!」
「君はまだ、リーフィアじゃない!」
ジゴは魔法で拘束を更に追加する。
「ラファの準備終わったよ!」
「よし!やれ!ラファ!」
ラファは歌を歌う。
いつものような…落ち着くような歌ではなく……辛い気持ちをのせた歌。
でも、不思議と苦しくはならない。
どこかで切ない気持ちが湧く。
そんな、悲しい歌。
「戻ってきてくれ!リーフィア!!」
「うぅ。」
リーフィアはとても苦しそうにいる。
リーフィアの今の心境はどうなっているんだろうか…
ただ苦しいだけ?
それとも何かを思い出して、元に戻ろうと思う気持ち?
俺にはわからない。
だけどただ一つ思うことは、
『帰ってこい!リーフィア!!』




