5話 備えあれば憂い無し
「相手との戦力差は?」
まず大切なのは情報だろう。
戦力差、地形、様々な情報が必要不可欠だ。
「……一万だよ」
ん?それは、敵軍の総数だよな?
「敵との戦力差、一万だよ」
「マ、マジかー」
でも…
「じゃ、じゃあ、この周りの地形を教えてくれ」
そう言うと、ラファエルが棚から1枚の地図を持ってきた。
「これがこのあたりの地図だよ」
「……よし、少し見回りに行こうか」
俺とラファエルは地図を見ながら外に出た。
4時間程してすべてを見回った。
始めは馬になれなかった、リョウも今ではすっかり乗りこなしている。
そして結果だが、敵側からこちらに攻めて来るとしたら5つある1本道だろう。
逆に言えば5つから攻められる可能性もあるがそちらは大丈夫だろう。
なぜなら横が崖になっているからだ。
「正直、この街も守れる気がしないわ」
「なんで?」
「だって1本道が5個あるのよ?5つから攻められるのは目にみえているよね?しかも木のバリケードで防ぐ時間も無い。」
おお〜なるほどー
「そして、横の崖もこっちから登ることも出来るけど、向こうからも出来るのよ?」
ふむふむ
「だからここは王都まで、一旦撤退した方が」
ラファエルの意見もわかる。大いに分かる、でも……
「ラファエル、道を塞ぐ手段は何も1つじゃないんだよ?」
さぁ、お仕事、お仕事。
双銃双刀
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魔力で二刀の刀と、2丁の銃を創り出す。
(魔力量により切れ味が変わる)
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これなら、向こうの崖に登れる坂斬れるんじゃね?っということで実証!
「双刀!」
そう言うと手には2本の刀が出てきた。
1本は刀身が黒光りしており、とても暗い、黒の刀。
もう1本は、桜のような色を持ち、妖しい光を放つ刀。
どちらも素人でも分かる、名刀だろう。
「はぁぁ!」
気合を入れて抜刀。
刹那、敵側の崖に登れる坂が無くなった。
嫌、小さな山と、なったと言うべきか。
「よし、これで向こうからは登って来れないな。次行ってみよう!」
ちなみに小さな山となったものは、魔法使いによってバリケードとなった。
魔法使いはこの世界では4種類ある。
火、水、土、風、と言った4種類だ。
ちなみにユニーク魔法と言うのもあるがそれはおいおい、説明しよう。
さあ、リョウのおかげで敵側から崖に登る手段は無くなり、道も1本しか通れるところが無い。
しかしリョウはあることに疑問を持つ。
なぜ自分はスキルの使い方などが分かるのか?
そんなこと、今のリョウにはわからず、1人悩んでいた。