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2017.12.7

第3章で出てきた設定、またはそれに関するフレーバーテキスト的なものまとめ。必要ない方は飛ばして下さい。


※「ミキシニア王国連合」の名称を「ミキシニア連邦」に変更しました。






●人間(ヒト族)

ヒト近親種の中で最も貧弱な初期ステータスを持つ種族。その代わり種族の特性に縛られず、多様性に富むのが強み。

ある程度遺伝に左右されるものの、ステータスの成長タイプが「戦士型」「魔法使い型」の2つにランダムで分かれる。「魔法使い型」の魔力感知能力を利用すればどちらのタイプかはすぐに見分けられる。

また「魔法使い型」の魔法適性も運要素が強く、個体によって適性の種類や数が違う。

寿命は短いが繁殖力に優れ、ヒト近親種の中では最も数が多い。


●ヒト族遺伝子

【変異者】を生むための特殊な性質を有し、その他のヒト近親種遺伝子に比べて大きな優性を示す。(【ヒト族遺伝子の侵食】)

ヒト族は自然を侵略し、文化を侵略し、種族を侵略する。

遠い未来、最終的には全てのヒト近親種の遺伝子情報がヒト族の物へと書き換えられるだろう。


●変異者

ヒト族に稀に生まれる、現地世界に存在する【レベルアップシステムに酷似した法則】の影響を強く受ける突然変異個体。

獲得経験値(に近い何か)に常時10倍のプラス補正を受け、初期ステータスに30レベル分のボーナスを受けて生まれる。

現状ではユン、アルヴァー、ニーナの3人が【変異者】として登場しているが、恐らく世界にはもう数人存在している。


●現地のレベルアップ

生命体の命を奪う事で身体能力にプラス補正を受けるという、ゲームのレベルアップに酷似した何らかの法則がある。

技術を鍛える訓練だけではNPCのレベルが上がらなかった事から、命を奪わなければ経験値は得られないようである。

ちなみにレベルはステータス(身体能力)の数値だけで測定されている為、訓練を積んで技術を得てもレベルには反映されない。この仕様のせいで現地人はレベルが低くても技量に優れた強者などが出てくる。


●エルフ(森人族)

長い耳に金色の髪、そして空色の瞳を持ち、肉付きの薄いスレンダーな肉体が特徴。魔法を操る能力に完全特化しており、基礎戦闘力においてヒト近親種最強の種族と呼ばれる。

自然と共に生きる種族。元々環境破壊問題の関係から多くのヒト近親種を敵視しており、近代においてはその美しい見た目から奴隷として乱獲され始め、さらに関係は悪化した。

光の届かぬ深い森に住むので視認能力が発達し、肌が白い。また魔物が多く障害物も多い森という地形は、視力以外の各感覚器官も発達させた。

本来の才能が遠距離戦になりがちな魔法に特化しており、また貧弱な肉体である事と上記の優れた知覚力からも武器としては剣ではなく弓を扱う事が多い。

稀に「精霊魔法使い」、または「精霊使い」と呼ばれる【精霊】の知覚、意思疎通が可能な個体が生まれる。精霊魔法使いは魔法、知覚能力共に更に優れ、低レベル帯ならばその戦闘力は【変異者】にも匹敵する。

約500年という長い寿命を持つが、その代わりヒト近親種の中では最も繁殖力に劣り、個体数が少ない。乱獲の影響もあり現状は絶滅寸前。


●精霊

自然界の魔力が集まり生まれる存在。その性質上その他の存在、概念に比べ自然への干渉能力が高く、影響も強く受ける。自然を保護し自然に生きるエルフとは共生関係にある。

動物と言うよりは虫のように機械的な存在。精霊魔法使いは契約者と言うよりさながら女王蜂のような位置付けであり、精霊はただ淡々とその指令に従うのみ。

自然の一部として、世界を破壊し得る者=高レベルプレイヤーを極端に恐れており、一定距離以内にまで接近されると精霊魔法使いを置いてでも逃走を図る。


●精霊魔法

精霊が自然界の魔力を消費し発動させる別種の魔法(魔法陣も浮かばない)。精霊魔法使いの魔力は消費しない。

自然界に直接介入して現象を起こしているため、個人の能力に頼る普通の魔法より効果が大きい。

攻撃魔法を比較した場合、低位精霊の精霊魔法でもニーナの全力を上回る貫通力を持つ。弱点として射程距離と攻撃範囲が狭い。


●聖剣

失伝した正式名称は契約剣【精霊王の棺】。現在ではただ「聖剣」とだけ呼ばれる。

まだ各種族の懐が分かたれていなかった遥か古の時代に作られた。

制作当時に最高の素材だったミスリル製の刀身に、最強の魔法触媒「竜の紅玉」を粉末にして練り込んだ剣。その為、剣でありながら魔杖の役割も果たす。

その正体は世界最強の精霊【精霊王】が封印された、最強にして唯一の魔具【精霊魔具】。

世界の危機に反応し、自らの担い手「勇者」を選定する。

魔法を越えた魔法である精霊魔法、その究極を操る精霊王が直接力を貸しているこの剣は、それ自体が既に究極の兵器。

そこから更に現地世界最強の存在である【変異者】を、しかも「精神が最も強靭な者」という基準で選定して使わせるという徹底ぶり。

最高の技術、力、担い手の3つが揃う事により完成するそれは、かつてのドワーフ、エルフ、そして人間の契約の証である。

作中登場した能力は以下

・精霊魔法(攻撃、無敵化、強化)の任意、または自動発動

・敵の無敵化に対するダメージ貫通

・装備者の索敵能力の強化(疑似レーダー)とそれを応用した読心能力の付与

・変形と自己修復

・魔力の独自貯蔵(MPに独立した追加ゲージ)

敵か味方かを判断するレーダー機能の応用で、索敵範囲内の相手の心理状態が漠然と分かる。

悪意ある者(敵性オブジェクト)が触れると【白光】が発動され自動迎撃される。

鑑定魔法が無効化されるのは、現地の魔法使いのレベルでは精霊王の魔法防御力を突破できないから。ハネットがやると成功するのはこの力関係。


●精霊王

契約によりヒト近親種にその身を預けた、史上最強の精霊。ある意味「自然」そのもの。その他の精霊と同じく、「世界を滅ぼす者」であるハネットの登場に怯えた。

自らが選定した勇者とのみ、言語ではなく感情のような物で直接コミュニケーションを取る。

当時大陸最大を誇った大森林を存続させるため、まずはエルフと、そして次に人間、ドワーフと手を組んだ。

しかし長い年月の中で長命たるエルフ以外の人々はその契約を忘れてしまい、現在ではその大森林は破壊され残っていない。それでもなけなしの自然を守るために、精霊王はいつまでも戦い続けるだろう。だからこそ、あの契約の証は【礎】ではなく、【棺】なのだ。


●聖剣と王国の歴史

聖剣があった場所に国が出来た形。

なのでライゼルファルムという名も王家の名ではなく地名に近い。


●ドワーフ(山人族)

早期にヒト族と共生する事を選んだ種族。小さな体躯とそれに見合わぬ強靭な膂力、そして体毛量が多いのが特徴。感情的な者が多い。

ヒト族と同じく世界各地どこにでも生息するが、鍛冶を職業とする者が多い為に採掘の関係で山の麓などに里を作る事が多い。

身体能力に優れたタイプの種族だが、同時に火と土の魔法に限り魔法適性も持つという珍しい種族でもある。その特徴から戦いを生業にする者の中には、この現地世界では極めて珍しい「魔法戦士」が存在する。

特徴的な小さな体は一部の性癖者に需要があるとか……。


●ドワーフの魔法戦士

現地世界での「魔法戦士」と言われればこれ。

ドワーフの戦士。人間の戦士と違い、その多くが同時に魔法を操るためこう呼ばれる。

人間を超えた膂力に魔法まで扱うため異様な強さを誇る。

唯一種族的な弱点として、敏捷力が低い(足が短い)。


●エルダードラゴン(成竜)

歴史上観測された最強のドラゴン。レベルは50前後と将の魔族と同格の怪物であり、人々からは「災厄の化身」と呼ばれる。

飛竜の能力に加え、魔法まで扱ったと言う。

討伐には最低1万の兵力が必要と言われていたが、ガイゼル将軍の手により討伐された。


●ワイバーン(翼竜)

ドラゴンの亜種。他の竜種と違い温厚な性質を持ち、卵から育成すれば人にも慣れる。

戦闘能力は低いが飛行が可能。現地の移動手段としては最も優れるが、当然ながら最も高価な移動手段でもある。


●魔族

【最初の世界】のモンスターたち。ただし【最初の世界】と違い、現地言語での会話が可能。ハネット曰く、プレイヤー関連らしさと【オリジナル】らしさが奇妙に同居している存在。

4年ほど前に突如大陸に出現した。その後平均レベル30前後という現地では強大すぎる力を用いて世界を滅ぼし始めた。現在ではユンの働きにより大多数が討伐された。

プレイヤーたちと同じく自傷ダメージが無効。


●将の魔族

魔族の部隊を統率する強力な個体。1部隊につき必ず1体ずつだけ存在する。

レベルは50前後であり、災厄の化身エルダードラゴンに匹敵する戦闘力を持つ。

レベルが高いことと装備を着用している事から、ハネットはプレイヤーにテイムされたモンスターではないかと推測している。


●四天王

将の魔族の中でも飛び抜けて強力な4体が自称している階級。

近接戦闘を得意とする「アザゼル」、魔法戦闘を得意とする「セムヤザ」、特殊スキルを使用する「バラキエル」、そしてもう1体の未確認個体で構成される。

レベルは70前後から80後半と、現地では成長済みの【変異者】でしか対応できない桁外れの戦闘力を持つ。


●アンデッド(不死者)

闇属性モンスター。カテゴリ全体の弱点は光属性。

現地世界では動物の死骸に精霊と同じ要領で魔力が宿り、再び動き出したものを指す。


●ゴースト(幽霊)

魔力の集合体。精霊に近い存在であり、アンデッドの源。

ゴーストが死骸に乗り移る事でアンデッド化する。光の浄化魔法によって浄化された死骸には乗り移れない。


●レイス(死霊)

より強力なゴースト。精霊と同じく実体を持たずに自然界への介入(攻撃)が可能。


●ゾンビ(動く死体)

最低位の実体型アンデッド。緩慢な動作で動き回る死骸。

浄化するか関節部を全て破壊しない限り動きを止めないので想像より厄介。また宿主である死骸の元ステータスによっては強力な個体にもなる。


●スケルトン(彷徨う髑髏)

ゾンビから時間が経過し、肉が風化し白骨化した状態のもの。

長期間現世を彷徨い歩いた結果、より多くの魔力を取り込み強化されている可能性が高い。


●スケルトンメイジ(不死の魔法使い)

強力な魔法使いが闇魔法を用いて自らアンデッド化したもの。

大抵の場合知性が残っており、その他のアンデッドより強力。


●不死者の王

数百年前に8代前の勇者が倒したというアンデッドの王。スケルトンメイジだったと伝わる。

災厄の化身エルダードラゴンの出現時には勇者が現れなかった事から、少なくともエルダードラゴン(レベル50)よりは強い。

ただしニーナは、伝承の被害と照らし合わせるにセムヤザの方が強いと見ている。


●リッチ

より強力な魔法を操る、スケルトンメイジの上位種族。

現地世界には存在しない。


●亜人

ヒト近親種に比較的近い種族たち。

ヒト近親種との区別は交配可能か否か。亜人はどんなにヒトに近い見た目であろうと、ヒト近親種との交配不可。

魔物との区別はいかにヒト形に近いか、いかにヒトに近い知能を有するかで決定される。


●オーク(獣鬼)

豚のような潰れた鼻と、口から飛び出す大きな牙が特徴のモンスター。

現地では魔物ではなく亜人の一種として扱われており、バルドゼオン公国近隣に生息する。


●魔鋼

現地での魔力の影響を受け変質した一部金属の呼称。その他の金属素材と比べ、素材として非常に優秀な性質を持つ。

魔力濃度の高い一部地域と鉱脈が重なった時にしか生成されない超希少金属であり、価値が桁外れに高い。

性質上、産出量は元になった金属の魔力親和性に依存する。例えばアダマンタイトは元が鉄鉱石なので産出量が多くなりそうだが、鉄自体が魔力との親和性が極端に低い金属であるため、超高濃度の魔力地帯と干渉しない限り魔鋼化しない。


●ミスリル(魔法銀)

下位の金属素材の1つ。現地では【魔鋼】に属する上位素材。魔力の影響を受け変質した「銀」。

非常に軽く、同体積の木材よりも軽い。鋼鉄を上回る強度を有し、魔法への親和性が【魔鋼】の中で最も高い。

銀が魔力の影響を受け易いのか産出量が多く、現地の【魔鋼】では最低位のもの。それでも希少素材であり、価値は金にも匹敵する。

性質上マジックアイテム化、または現地の【魔具化】と非常に相性が良い。現地では軽量なのも合わさり魔法使い用の防具素材としては最高のものになる。


●オリハルコン(魔法銅)

下位の金属素材の1つ。現地では【魔鋼】に属する上位素材。魔力の影響を受け変質した「銅」。

強靭な耐衝撃、耐摩耗性を持ち、魔法への高い適性も併せ持つ。ミスリルの上位互換に近いが、こちらは重量が重い。

現地では一階級上のアダマンタイトが貴重すぎるため、実質的な最上位金属素材として扱われる。


●アダマンタイト(魔法鉄)

下位の金属素材の1つ。現地では【魔鋼】に属する最上位素材。魔力の影響を受け変質した「鉄」。

魔法への適性はミスリル、オリハルコンに大きく劣るが、こと丈夫さにおいては桁外れのものを誇る。また、重量が現地世界に存在する金属類の中で最も重い。

ほぼ破壊不可能という性質上、物理属性武器や防具などの素材に向く。ただし加工が難しく、ドワーフの工匠でも一部の達人にしか扱いきれない。

最も産出量が少ない金属であり、同体積の金を遥かに超える価値を持つ。


●魔法触媒

魔法攻撃力を上昇させる効果を持つ素材。また、マジックアイテムの生産素材としてよく要求される素材の1つ。


●魔法鉱石

魔法触媒の1つ。現地では【魔石】と呼ばれる。

見た目、大きさ共に様々な種類があり、魔法攻撃力上昇効果の大きさは物による。


●紅玉

魔法触媒の1つ。ドラゴンの体内で生成される石であり、モンスター素材。

現地ではある程度成長した竜からしか採取できず、かつ魔法触媒としては最高品質のもの。そのため超高額で取り引きされる。


●傭兵

国ではなく傭兵組合(ギルド)に所属し、金銭などを報酬に自身の戦闘力を依頼主に提供する者たち。

国の戦士団などと違い部署の制約が無いため、依頼内容は多岐にわたる。傭兵側も報酬さえ納得できれば戦闘以外の依頼でも受けてくれる。

実力と功績により下位、中位、上位、最上位の4階級に分けられている。


●下位傭兵

新人傭兵、または実力の不足した傭兵が置かれる階級。

小規模の村でも一組雇える程度の報酬で動かせ、低レベルの魔物ならば十分に討伐可能。

レベル1~10前後。


●中位傭兵

一定の実力を持つと認められた階級。

少なくとも人殺しを恐れない。

レベル10~20前後。


●上位傭兵

歴戦の強者が置かれる階級。

その戦闘力は正規軍の精鋭にも匹敵し、国からの依頼もかかる。

レベル20前後~。


●最上位傭兵

国家最強クラスの怪物たち。大陸に10人前後しか存在しない。

レベル20後半~。


●正規軍(王国)

戦争用の軍と兵士。最も所属人数が多い。

他の部署から要請を受け出動する事もある。


●将軍(王国)

軍の頂点。王国では広大な領土を東西南北の4つに分け4人の将軍をそれぞれに据える事で管理している。

最強の第一将軍は帝国と接する南に。最弱の第四将軍であるグスタフ将軍は友好国である公国と接する東を任されている。


●衛兵団(王国)

王国の治安維持組織。現実で言うところの警察。


●騎士団(王国)

要人や市民の警護を行う。SP。

基本的に貴族しか所属できない。


●戦士団(王国)

魔物や盗賊の討伐を行う。災害派遣に近いので自衛隊に近い。


●ミキシニア連邦

王国の北に位置する、強大な軍事力を持つ強国。元々は3つの小国だがほぼ合併状態にある。

軍事力を活かし国を挙げて傭兵をしている特殊な国。周辺の小国に正規軍の一部を貸し出し、その報酬を国の運営費に足している。

古くから才能に優れた者を多く排出する国でも有名。最強の剣士と名高い王国の騎士長もミキシニアの血が流れる。

黒髪、または黒い瞳と言えばミキシニア出身というぐらい有名。


●バルドゼオン公国

かつてライゼルファルム王国において公爵の位についていた大貴族が、港街の領地ごと独立した事で建国された小国。

神光教発祥の地であり、王に位置する「公」の立場には教皇が同時に即位している。小国とは言えこの世界の医療を司る国であり、侵略とは無縁の平和な国である。

その建国の経緯から超大国である王国と強い同盟関係にあり、海に面した恵まれた立地から漁業や貿易が盛んで栄えている。

教会の総本山である事から治安も良く、「最も楽園に近い場所」とも評される豊かな国。


●神光教会

公国を発祥とする宗教団体であり、現地の医療機関でもある。傷を癒す光魔法を「神の慈悲」と説く。

大陸各地に小さな教会を設置し、そこで僅かな報酬を得て訪れる者の怪我や病気を治療している。

階級は癒した者の数や貢献など、それまでの献身により上下する。ただし最高位の「教皇」になるには中位の光魔法が使えなければならない。


●ダブル、トリプルマジック(魔法多重発動化)

魔法を発動する際、同時展開数を1枠の消費で2回分、または3回分同時発動する魔法使い用のシステム。

無詠唱化と同じくMP消費量が跳ね上がる。


●チャージマジック(魔法遅延発動化)

魔法を発動する際、効果の発動タイミングを即時から任意に調整できるようになる魔法使い用のシステム。

無詠唱化と同じくMP消費量が跳ね上がる。


●中位魔法

より高い威力、効果、範囲を持つ強化版魔法。

システム上、プレイヤーは最初の1つを最短取得してもレベル100を超えた時期になる。

現地には上位魔法と最上位魔法が存在しないため、こちらの中位魔法が上位魔法として扱われている。


●中位戦技

より高い威力、効果、範囲を持つ強化版戦技。

魔法より最短取得の難易度は低く、早期に習熟可能。技名の前に【奥義】が付く。

現地には上位戦技が存在しないため、こちらの中位戦技が上位戦技として扱われている。


●召喚魔法

過去に討伐したモンスターを自由に使役する魔法。

取得条件の都合上、自身の得意属性モンスターよりそれを弱点属性とするモンスターの方が早く全種類揃う。例えば光魔法使いは闇の眷属の方が楽に倒せるため取得が早く、逆に天使は光属性に耐性を持つため時間がかかる。

魔王曰く、大陸の現地人たちには使用できない魔法。


●無敵化

一定値までの被ダメージを無効化する、究極の防御系効果。

効果中はダメージだけでなく、エフェクトやその余波までもキャンセルされる。ダメージ時の流血エフェクトも発生しなくなる。

これは無敵化という効果が次元操作システムによる「過去改変」で再現されている現象であるため。世界に敵の攻撃が行われなかったものとして認識させ、結果と事象を上書きしている。ちなみにプレイヤーの行う回復手段で現地人を癒やす際に傷跡ごと消えるのも同じ理由。

【ダメージ貫通】スキル付きの聖剣の攻撃ではダメージだけが貫通し、エフェクトは通常通り消失した。これはシステムと精霊王の力が互いに干渉し合った結果。


●連続プレイ制限

1日のログインにつき、ゲーム内で体験できる時間を72時間までとしている低次元体験型ゲーム特有の制限。

72時間に達してしまうと強制ログアウトされ、1週間の接続禁止という重いペナルティを受ける。

サービス開始当初は無制限だったが、低次世界から「戻れなくなる」プレイヤーの続出が社会問題になり、現在進行系でどんどん短くなっている。


●オートセーブ

「ザ・ワールド」に存在する、自身が一度接続したゲーム内時間より過去への再度接続が制限される仕様の通称。

例えば同一プレイヤーが「世界A」でゲーム内時間「2000年1月1日午前0時00分」を体験した場合、同じ「世界A」の「1999年12月31日午後11時59分」以前に接続する事ができなくなる。


●世界検索の仕様

設定された文化レベル(時代)の範囲内かつ大きな事件(イベント)が起こる期間内で大まかに選ばれ接続される。

今回ハネットが接続している現地世界の時代は「魔族の出現」というイベント中だったので選ばれた。ただしイベント中であればタイミングはランダムなため、魔王討伐という最終決戦直前だった。


●システムによる世界の改竄

プレイヤーの行動やゲームの仕様によって起こる現地世界法則の齟齬、その他不都合な点は自動かつ強制的に書き変えられる。


●プレイヤ―のダメージと痛み

プレイヤーはアバターがダメージを受け損傷しても痛みを感じない。ただし血は流れる(回復手段を用いると上記の過去改変により血も消える)。


●プレイヤーの装備作成システム

素材を消費して装備を作成し、続いてスキル素材を消費してスキルを付与するという2工程で制作される。

素材ごとにスキルスロット数が決められており、上位素材になればなるほどスロット数は多い(付与できるスキルの数が増える)。

最終的な性能は素材による基本性能+スキル効果の合計値となる。


●最上位武器

全素材に最上位素材を用い、全スキルスロットに最上位の攻撃力強化スキルをセットした武器。

理論上最強の攻撃力を持つ武器。ただし攻撃力特化が推奨される「ザ・ワールド」では攻撃力強化スキルの需要が高く、その最上位スキル素材となれば競争率が高く滅多に手に入らない。そのため廃人プレイヤーが売りに出した物を法外な値段で買い取るか、真面目に最上位スキル素材をゲットできるクエストを受けまくるかしか作成方法が無い。

結果的に最上位武器の作成には気の遠くなるような金銭の消費か時間の消費が必要となり、実際に所持しているプレイヤーはガチ勢ぐらいとまで言われる。

共通する弱点として【破壊不能】スキルが付与されておらず、武器破壊系のスキル、戦技で破壊される可能性がある。


●上位武器

武器素材にだけ最上位素材を用い、付与スキルは妥協して最上位から一段下げたランクの物を使用した武器。

最上位素材のスキルスロット数は膨大なため、ランクを一段ずつ下げただけでも最終的な攻撃力は大きく下がる。

最上位プレイヤー(レベル1千~)たちのほとんどはこのグレードの武器を使用している。


●星墜し

ハネットが2年の歳月をかけ完成させた最上位武器。装備時に光を集める低位の装備エフェクト付き。

杖というより剣の柄のようにも見える、50センチ弱の小さなロッド。最上位武器としては酷く地味な見た目をしている。

文字通りの意味で世界を滅ぼすに足る力を内蔵している。アイテムボックスから取り出すだけで現地世界のありとあらゆる生物に負担をかける。


●装備エフェクト

課金により武器、防具などの装備品に付与できるエフェクト。

装備時のみ発動タイプと常時発動タイプの2種がある。前者が700円で後者が1千円。

「ザ・ワールド」ではマップの最大範囲が惑星系であるため、エフェクトも超遠距離から視認できる大規模なものとなる。


●浮遊回避

飛行魔法【フローティング】を利用した魔法使いの回避テクニック。

足でのステップではなく飛行により体を移動させる。まるで地面に立っているようにギリギリを飛ぶ事で視覚効果による混乱を与えることも可能。

地上戦が起こるレベル200までしか使う事の無い初級テクニックであり、戦士職に襲われる内に勝手に身に付いてしまう呪われた基礎テクニックでもある。

「ステータス適性」の存在する現地では魔法使いが接近戦をしてもすぐに死ぬので発達していない技術。


●持ち替え

戦況と相性によって装備を変更しながら戦う戦法。

戦闘しながら思考の片隅で装備インベントリを操作するという超高等テクニックであり、普通はガチ勢の用いる技術。

現地ではただ武器を持ち替えるだけなので楽。


●生贄戦法

ハネットが超高頻度で行う非人道的な逃走方法。

敵の前に自分より狙いやすい、または優先度が高いであろう者を餌として放り込み、それが狙われている間に自身は逃走する。


●分身戦法

ハネットの生み出した独自の戦法。

敵との間に一瞬だけ障害物を挟む事で自身の姿を隠し、その瞬間に無詠唱化した幻影魔法で分身を生み「増える」事で相手に視覚的衝撃を与え視線を誘導する。

本体は同時に透明化魔法を用い障害物の裏に隠れ続けており、飛び出していった分身たちの方に敵の意識が集まった隙に反対側から出て不意討ちを与える。

無詠唱化による発動エフェクトの無効化と魔法反応の同時化を利用した高度な戦法であり、完全な初見殺し。初見の相手への成功率はほぼ100%という凶悪な戦法。

ただし現地の魔法使いに限り、魔力を知覚できるため無効化できる。






次回から数話のおまけ編です。

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