鍛冶屋『鶴亀』
「着きました。ここが目的地です!!」
紅葉たちの目の前には『鍛冶屋』と思われる大きな建物があった。
看板には『鍛冶屋鶴亀』と書いてある。
なんてデカさだ!!
学校くらいあるんじゃねえか?
そんなことを、紅葉は思っていた・・・
奥から、2mはあろうかという『見た目』30代後半の大男が出てきた。
この男の名は『漸』。
この男は『鶴亀』の10代目当主をやっている。
見た目とは裏腹にとても寡黙なやつで、これでもいちよう20代なのだとか・・・
「・・・いらっしゃい。奥へどうぞ。」
体格に、似あわない小さな声で店の奥に手招きした。
「・・・今回お前はどんな剣を作って欲しいのだ?」
紅葉はお金と黒龍から取った『材料』を大男の前に出した。
「この材料と資金でできるだけ最高の剣を作ってほしい!!」
漸は厳しい表情になった。
「・・・今すぐには作ることはできない。」
漸はそう言って立ち上がり、店のさらに奥へ消えていった。
店の奥から漸の声がした。
「・・・ついてこい。・・・『結果』次第では剣を作ってやる。」
紅葉は、漸に『ある1室』に連れてこられた。
紅葉は漸に質問をぶつけた。
「結果ってなんのことだ・・・?」
「・・・剣って物は名刀であればあるほど『持ち主』を選ぶ物だ。それに使い手との『相性』も存在する」
漸はそう答えた。
漸の言った事を、紅葉はなんとなく理解していた・・・。
「つまり、ここで俺とあんたの作る剣との相性を確かめるってことか?」
「・・・・まあ、そういうことだ。」
漸は少し意表を突かれたような表情を浮かべた。
紅葉の前に、水がしいてある皿が出された。
「・・・その水に、お前の『血』を一滴垂らしてくれ。・・・それで、すべて分かる・・・」
「・・・なんだかよく分かんねえけど、とりあえず言われた通りにすっか。」
紅葉は、自分の指を噛んだ。
傷口からは赤い鮮血が流れ出した。
数滴の鮮血が傷口から滴り落ちて、水の中へと消えていった・・・
「・・・この水は『魔力』に反応する特殊な水なんだ。」
「・・・魔力の性質によって色を変える。」
「・・・炎の魔力なら『赤』、水なら『青』、雷なら『黄』、自然なら『緑』といった具合にな・・・」
・・・まあ、実際は『もう一つ』、魔力の性質が存在するんだが・・・今は関係ない。
漸は説明を続けた。
「・・・お前の持ってきた黒龍の素材は、炎の性質だ。」
「・・・お前に流れる魔力が『炎』なら剣を作ってやる。」
水の色が徐々に変わり始めていた。
初めに現れた色は『黒』だった。
しかし、その色はすぐに消えて、『赤』へと変わった。
赤色、それは紅葉の魔力が炎の性質だということだ。
「赤色、これで剣は作ってもらえるんだろうな!!」
漸はなぜか少し動揺している様子だった。
「・・・あ、ああ。3日以内に作ってやる。」
「・・・代金は一千万だ。」
「一千万か、じゃあ、あんたのおススメの剣をもう2つ売ってくれ。」
チルが紅葉に質問を投げかけた。
「・・・3本も剣を買って、どうするのですか?」
「俺はこれからの戦闘は基本『二刀流』で戦うことにする。なんかかっこいいだろ。」
「・・・じゃあ、もう一本は?」
「まあ『護身用』ってところだな。」
漸が二本の刀を持ってきた。
「・・・これなんか・・・どうだ。」
『鬼斬刀』属性:無
属性がない代わりに、切れ味に特化した剣。
『ミラーソード』属性:無
名前の通り持ち主の力を鏡のように反映する剣。
持ち主が強ければ強いほど、その力を上げる不思議な剣。
「・・・二本で1千万だ。・・・買っていくか?」
紅葉は笑った。
「どっちも『くせ者』って感じだな。一筋縄ではいかなそうだ。」
「・・・おもしれえ。その二本、俺がもらいうけるぜ!!」
「いやー、いい買い物だったな!!」
「剣も買ったし、これで俺も勇者っぽくなってきたな」
上機嫌の紅葉に水を差したのはチルだった。
「一つ言っとくのです紅葉さんはまだランク1ですからねー。早くランクを上げに行かないと・・・」
「・・・んだよ、人がせっかくいい気分だったのに・・・」
紅葉とチルは次の目的地、『役所』へと急ぐのだった。
同時刻
鍛冶屋鶴亀にて・・・
「・・・もしもし、ハルカか?」
「・・・鶴亀の漸だ。」
「・・・・ついにみつかったぞ!!
「『黒の魔力』を持つ・・・人類の希望『伝説の勇者』が!!」