東の大都市『デットタウン』
・・・・俺はこれから、もっと強くならなきゃだめだ!!
「着きましたよ紅葉さん!!」
妖精チルは声高らかに言った。
紅葉たちの前には大きな町が広がっていた。
「ここが『東の領地』最大の町、『デットタウン』です!!」
「でけー町だな。」
紅葉は、町を見渡して唖然とした。
「こんだけでかい町だと、この町の『領主』もさぞやすごいやつなんだろーな」
チルはその言葉に補足を付け加えた。
「大きな町の領主様はたいてい名のある勇者様が自衛もかねてやっています」
「この町を治めているのはランク10の超級勇者」
「名前は確か『ハルカ=フォルン』様」
紅葉は何かひらめいたような顔をしていた。
その時はまだ、なにをしようとしているのか、
チルは気づいていなかった…。
「私たちがこの町にきたのは『剣』を作ってもらうためです」
「急ぎましょう。ここの鍛冶屋は東の領地でも指折りの名手なのです。早くしないと『剣』を作ってもらえませんよ」
「・・・剣を作ってもらうのはいいけどよー、金がないんじゃないのか?」
チルは、憎たらしく思えるほどのドヤ顔を見せた。
「ふっふっふ、私が何のために剣を作るのには不要な『肉片』やら『眼球』やらを集めていたと思うのですか、すべてはこの時のためなのですよ!!」
俺たちの最初の目的地は質屋に決まった。
紅葉たちは、周りから注目されていた。
「なあチル、俺たちって有名人なのか?」
チルはテンションの下がった声で答えた。
「ええ、まあ。私でわなくあなたと入れ替わった『勇者モミジくん』ですが・・・」
チルの話によると、こっちの世界の俺が勇者を始めたのが3年前。
それからずっとランク1のままなのだそうだ。そんなヤツはこの世界でも稀な『落ちこぼれ』なのだそうだ。『ヘタレ』たる所以はそこにあるのだった。
しばらく歩いていると質屋に着いた。
「いらっしゃいモミジくん」
店の中からこの店の主人と思われる老人が現れた。
「今日も『スライムの体液』かい?」
どうやらこっちの俺はこの店の常連のようだ。
「いや、今日は『コレ』を売りに来た。」
紅葉は2つある袋のうち1つを手渡した。
「ん・・・・これは!!」
老人は目を丸くしていた。
「こいつは黒龍の肉と眼球じゃねえか!!」
辺りが急にざわつき始めた。
「おい、あいつA級モンスター倒したらしいぞ」
「うそだろ、1人で倒すなんてランク9以上でもない限り無理だろ!」
「なんでランク1のあいつが?」
「モミジくん、これを一体どうやって?」
店主がそんなことを質問してきた。
「企業秘密だ。そんなことどうでもよくねえか?」
紅葉は老人店主を指さして言った。
「店主。あんたなら、これをいくらで買ってくれるんだ?」
辺りのざわめく声は、高まる一方だった。
チルは上機嫌だった。
「いや~、0が7つ並んでるのを見たときは、心臓が止まるかと思いましたよ!!」
紅葉もチルほどでわないものの気持ちが高鳴っていた。
「占めて2500万か、まあ上々だろう!」
気分高らかに、2人は鍛冶屋に向かった。
そんな2人の後ろを、付けて歩く『人影』が一つ・・・・・・