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不良勇者のチートな異世界物語!!  作者: 白猫
第1章 勇者の始まり
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怪しい2人

暗い森の中でうごめく2つの影が、紅葉たちの方へ向かっていた。


なにかが来る!!


紅葉はいち早くその影に気づき移動を始めていた。

「いきなりどうしたのですか紅葉さん?」

・・・・・・・・・

「いや、ちょっとヤバそうなのが追っかけて来てるんでな」

「・・・紅葉さんが逃げなきゃいけないほどヤバいんですか?」

「1対1ならともかく、2対1じゃ分が悪そうだ」


紅葉はしばらく森の中を走り回った。

・・・が、2つの影を振り切ることはできなかった。


「チッ!!」

紅葉は小さく舌打ちをした。


「速いな!!」

2つの影の速さは常軌じょうきいっしていた。

「まだついてきやがる」

紅葉のイライラは募る一方だ。

「じゃあ、これならどうだよ!!」


紅葉は地面を強く蹴り、さらに加速した。

それはまさに、縦横無尽にコースを変えながら加速する『ジェットコースター』のようだった。


しばらく走っていると視界が開け、森から出てしまった。

「やっば!!」

「勢い余って森から出ちまった!!」


紅葉は焦っていた。

森から出てしまえば隠れる場所のない草原が広がっていた。

これでは「俺はここだ!!」

と言っているようなものだった。


ほどなくして、森の中から2つの影が現れた。


2つの影の背中からは大きな黒い『翼』が生えていて、手の爪は10㎝近くまで伸びていた。

身に着けている黒服も、とても人間とは思えないような服装だった。


「ちょっとあんた!!」

「私のかわいいクロちゃんを殺しといてなんで逃げんのよ」

正体不明の2人のうち、女の方はうるさく騒ぎ立て、もう片方の男はそれを見て呆れ顔をしていた。


男がおもむろに口を開いた。

「うるさいぞサタナキア!!空気を読むこともできんもできんのかキサマは」

「え~だって~、私にシリアスな空気って似合わないし!!」


「・・・お前ら、何者だ?」

紅葉は2人に質問をぶつけた。

クールな男の方が口を開いた。


「お初にお目にかかります!!」


男は声の衝撃で、後方の木々を数本横倒しにした。


なんてでけー声だ!!

耳がいかれちまう。


「失礼、少々声が大きすぎましたか?」

「何分、母から『あいさつする時は大きな声で』といつも言われてきたので。

「私はアスタロトと申す者です。こっちのうるさいやつは部下のサタナキア。」


「おいアスタロト!!」

女の方は顔をムスっとさせていた。

「私はお前の部下になった覚えはないぞ!!」

「それに、お前の『あいさつ』の方が100倍うるさかったからな!!」


「・・・・まったく、ムードが台無しだな」


男は改めて自己紹介を始めた。

「私はアスタロト。『西の領地』でしがない悪魔をやっている者です」


「このたび、わたしたちはこの『東の領地』を『偵察』に参りました」


「悪魔ですって!!」


しばらく口をつむいでいたチルが急に震えだした。


「・・・なぜ悪魔がこんなところにいるのですか?」


「それにアスタロトといえば・・・」

「『ソロモン72柱支団』、29軍団長。」

「地獄の支配者が一人『地獄王・アスタロト』ではないですか!!」


「ほ~!!」

男は関心したような声を出した。

「・・・きみ、物知りだねー。知識がある子は嫌いじゃありませんよ」

「・・・ですが、利口でない子は好きではありませんねえ」

紅葉は、男をずっと睨んでいた。

その姿は、人間を襲う『野獣』のようだった。


「やめましょう、無益な争いは」

男はそう切り出した。

「私たちは『偵察』に来ただけです」

「私とあなたが本気でやりあったら、どちらも無事では済まなそうだ!!」


そう言われて、紅葉は睨むのをやめた。

「・・・わかっていただけて何よりです」


「それでは、また逢う日まで、ごきげんよう!!」


男は、西の方へ飛んで行った。


紅葉は、力が抜けたかのようにその場へ座りこんだ。



「チル…俺…」

「今戦ってたら…確実に死んでたぜ…」












1部内容を変更したので、これからの話の中でわからないことがありましたら、最初から読むことをお勧めします。

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