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不良勇者のチートな異世界物語!!  作者: 白猫
第1章 勇者の始まり
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最強の勇者!?

「この程度のモンスターに勝てねーようなやつが、この先、生き残れるわけがねーんだよ!!」


「そんな、無茶なのです。第一紅葉さんはなんの武器も持ってないのですよ」

「そんなの、素手で戦えばいいじゃねーか」


「ギャウァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


「ああもう完全にキレてるのです。紅葉さんがそんなになめたこというから」

「まあこれくらいの方がおもしろいってww」


「…来いよ!!1分で終わらせてやる!!」


先手を取ったのは黒龍の方だった。

紅葉に向かって『黒い炎の玉』をはいたのだ。

「うお!なんだありゃあ!!」

「よけてください紅葉さん!!あれに当たったらいっかんの終わりなのです!!」

ワイシャツの胸ポケットから妖精が顔を出した。


「…お前、逃げたんじゃなかったのか?」

「今あなたに死なれては困るのです!!この場は私がサポートするのです!!」

「…振り落とされるなよ!!」


「龍の『弱点』は頭のこめかみ周辺です。それ以外の場所は、堅い外甲におおわれていて打撃ではほとんどダメージを与えらないのです!!」

「…頭、か」

「奴は口から炎を出すのです。チャンスは限られてくるかと」

「は!何言ってやがる、チャンスってもんは待っててもやってこねー、自分で作るもんだ!!」


「チャンスを作る?いったいどうやって」

「…まあ見てな」

ズドーーーン!!

紅葉は龍の『腹部』を力いっぱい蹴り上げた。

「だめです、腹部は堅い外甲でおおわれて…」


「ギャウァアアアアアアアア!!」

「…え?…効いてる!!」

「でもどうして!?」

腹部の外甲の一部が砕けていた。


「堅い外甲つっても攻撃を無効化してるわけじゃないんだろ」

「防御力が高いってだけで、その防御力を上回る衝撃を与えれば…ダメージがあっても、なんら不思議じゃねえだろ!!」

「ただの蹴りで外甲を砕くなんて、どんなパワーですか…」

「さあ、どんどんいくぜ!!」


紅葉はモンスターを蹴りつづけた。

腹部、足、腕、、背中、肩。

紅葉は龍の体を蹴りつづけ、殴りつづけた。

外甲のほとんどが砕け散り、龍はもう虫の息だった。

「そろそろとどめだな!!」


紅葉は高く飛び上がり、龍の頭をかかとで蹴り落とした。

龍の体は地面にめり込み、肉片や外甲が四散した。

「…討伐完了だ!!」


妖精チルは四散した黒龍を拾い集める作業をしていた。

「…すごい、ここまで圧倒的だなんて」

「これならば本当に、世界を変えてしまうかもしれないのです」



「あーあ、『クロちゃん』やられちゃった。か弱くてお気に入りのペットだったのに」

「お気に入りのペットで『腕試し』をしたお前の自業自得だ!!」

「…それに、ペットを殺されたのに随分と嬉しそうじゃないか!!『サタナキア』」

「ええ、そう?」

「…でもあなたも随分うれしそうね、『アスタロト』」

「ふふ、まあな。久しぶりに、おもしろそうな奴にあえたからな!」





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