試練の始まり!!
「この世界の勇者やモンスターはそれぞれランク分けされているのですー!!」
「いきなりなんだよ。突拍子もない」
「まあまあ話は最後まで聞いてください。」
「まず勇者のランクについてです。」
「勇者はこの世界に約1万人いて、それぞれ1から10までのランクで分けられています。その約70%がランク1~6までの下級勇者に属しています。」
「その上に属するのが『中級勇者』『上級勇者』『超級勇者』です。その中でも、最高位である『超級勇者』はたったの『3人』しかいないのです」
「次に、モンスターのランク分けです」
「モンスターはそれぞれ『F・E・Ⅾ・C・B・A・AA・S・SS』の9階級に分かれています」
「なかでもB級以上のモンスターは極めて数が少なく、その分圧倒的な力を持っています」
「他にもこの世界には、『魔導士』や『魔族』などといったものもおりますが、それについては『来るべき時』が来たら話すとしましょう」
「何か質問があれば受け付けますが…」
「じゃあ、1つ」
「なんですかー?」
「この世界に来てから、体が綿あめみてーに軽く感じるのはなんでだ?」
「よくぞ質問してくれました!それがこの世界3つ目の特徴『重力差』です」
「狭間の世界での重力は現実世界の約10分の1しかないのです」
「ですがそれはあなたにとって大きなメリットがあるのですよ」
「メリット?いったいどんな」
「重力が小さいということはその分、体が身軽になり力が強くなるということです」
「こちらの世界で育った私たちとは違い、あなたはここの10倍の重力下のなかで生きてきたのです。そのため、あなたはより早く動き、より早く敵の攻撃に反応し、より強く早い攻撃をすることができるのです!!」
説明を聞いている間、体の震えが止まらなかった。
・・・やばい、楽しすぎる!!
俺たちは、森の中を近くの町に向かって走っていた。
「さあ、急ぎましょう。ここのエリアは夜になるとⅮ級クラスのモンスターが多く現れます。まだ何の装備もしていないあなたが出くわすのはとても危険です!!」
「所詮はⅮ級モンスターだろ?どうってことねーって」
「Ⅾ級モンスターをなめてもらっちゃ困るのです!!」
「それにここのエリアにはC級ランクのモンスターも稀に現れるのですから!!」
ギャウァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
けたたましい鳴き声が森の奥から聞こえてきた!!
「なんなのですかこれは!?」
地震が起こったと錯覚するほど大きな振動とともに、重量感のある『足音』がこちらに向かってくるのが聞こえた。
「問題発生なのです!!あの鳴き声の主はおそらく『黒龍』。A級モンスターのなかでも上位に入る大型モンスターです!!でもなぜこんなところに?」
そんなことを言っていると、木をなぎ倒しながらこちらに『黒い龍』が突進してきた!!
「…へー、あれがモンスターか」
「うわー!!もうあんなところまで!!逃げましょう葉隠さん!!」
「いや、逃げねえ!!やっと面白くなってきたところだ!!」
「おもしろくって、・・・まさか黒龍と戦うきですか?無茶です!!殺されちゃいますよ!!」
「・・・A級モンスターくらいに殺されちまうなら、俺は所詮そこまでの勇者だったってことだ!!」
「この程度のモンスターに勝てねーようなやつが、この先、生き残れるわけがないんだよ!!」