冒険の旅へ!!
「どこだ、ここは?…日本?じゃあないよな」
俺はこの広大な世界を見て混乱していた。
俺って、家で寝てたよな?
じゃあなんでこんなところで寝っ転がってたんだ?
「い~らっしゃいませなのですー!!」
声のした方向に振り替えるとそこには、マンガに出てくる『妖精』のような女の子が羽を羽ばたかせていた。
「いやー、うまく入れ替わることがよかったですねー!」
何を言っているんだ、コイツは。
なぜこんなに小さいんだ。手のひらサイズじゃあないか。
何かの病気か、それともミュータント?
「…おい!!こりゃどうなってんだ?1から説明してもらおうか。」
「ちょっと!こ、怖いのです!野蛮なのです!こっちの世界のモミジくんはもっと優しかったのです。」
「ちょっと待てよ!『こっちの世界』ってどうゆうことだよ!」
「えー、私の名前ですか?私の名前はチルなのです。よろしくなのです!」
全くと言っていいほど、話がかみ合っていない。
「いや聞いてねーよ!!さっさと質問に答えやがれ!!」
「…話せば長くなるのですよ」
「かまわねえ」
「それでは、あなたの身にいったいぜんたいなにが起こったのかお伝えしましょう」
「まずここは、夢と現実の間に存在する『狭間の世界』。まあ、パラレルワールドとでも言っておきましょうか。この世界には、3つの特徴があります」
「1つ目は、現実世界と同時進行で進んでいるということ。現実世界の1時間はこちらの1時間とほぼ一緒に進んでいます」
「2つ目は、ファンタジー小説に出てくるように剣や魔法、勇者たちがいる世界だということです。モンスターやドラゴンや魔物だっています」
「…1つ聞いてもいいか?」
「ええ、どうぞ」
「なんで俺は、この世界に来ちまったんだ?」
「それは、こちらの世界のあなたがそれを望んだからです」
望んだ?…いったいどういうことなのだろう。
「こちらの世界のあなたは勇者見習いでした。ですが、『ヘタレ』でした」
「ですから、あの方にとってはこちらの世界は恐怖でしかありませんでした。いつモンスターに襲われるかとびくびくしていました。そんなある日、彼はあなたと入れ替わることを思いついたのです」
「…あの、アンケート用紙は?」
「あれは『契約書』です。あなたが名前を記入してアンケートに答え、こちらの世界に興味を持ったら入れ替われるように魔法がかけられていました」
「なるほど、それで俺はこっちにきちまったってわけか…」
「…なあ。」
「モンスターって、強いか?」
「はい!」
「この世界は、楽しいか?」
「はい!」
「この世界を…変えてもいいか?」
「もちろんです!!」
自然と嬉しさが湧き上がってきた。
やべーな。うれしすぎて、楽しすぎて、そんで最高すぎる!!
「…いつぶりだろうな。うれしすぎて武者ぶるいしたのは!!」
「それでは行きましょうか。楽しい楽しい『冒険の旅』へ!!」
俺は、夢に向けて、はじめの一歩を踏み出した!!