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不良勇者のチートな異世界物語!!  作者: 白猫
第2,5話 勇者の学園生活
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始業式と生徒会

『私立北山高校』の初登校日。

僕は不良にからまれ、そこを少女に助けられた。


「へえ、これが高校か。大きいなあ」

僕の年齢は17歳、この世界での高校2年生の年齢だ。

「では、私はここで。『生徒会』朝の朝礼活動があるのでな」

少女はそう言い残し、校舎の中に消えた。


学校で、僕に話しかける生徒は一人もいない

まあ、その方がいろいろと好都合ではある。


例えば、僕に友人がいたとしよう。

そんな友人が、この前とは全然性格の違う僕と会ったらどう思うだろうか…

不信に思うのではないだろうか。

僕からすれば、なるべく面倒ごとにはしたくないのだ。


そう考えると、ひとりぼっちも苦ではない気がするのである。


それにしても、この学校というものはなんて広さなのだろうか。

さらにかなり複雑な構造になっている。

そのため、こまめに現在地の確認が必要になる。




学校に入って30分ほどが経過した。

「…やばい、完全に迷った」

ここが何階のどの位置にある場所なのか見当もつかない。


「きみ、そこで何をしている?」

背後から声をかけられ振り返る。

声をかけたのは、朝僕を助けた黒髪の少女。


「やはりきみか、体育館へはいかないのか? あと少しで始業式が始まるぞ」


「あの、ちょっと迷ってしまって…」

少女はそれを聞き小刻みに体を震わせ小さく笑う。

「き、きみは3年近く過ごした学び舎について何も知らないのか。そうかそうか、それは滑稽だな」

「そんな、笑うなんてひどいじゃないか。仕方が無いだろ、ここに来るのは『初めて』なんだから!!」


冷静さを欠いてしまい、思わずそう言ってしまった。

「始めて?それはどういうことだ?」


少女がそうモミジを問い詰めていると、突然と校内放送が入った。

「ただいまから、始業式を執り行います。速やかに入場してください。」


「む…この話はまた今度しよう。早く行くぞ」

少女はモミジの手を取り体育館へと向かった。




「全校生徒…起立、礼…着席」

周りの生徒全員が一斉に立ち上がり、頭を下げ、そしてすわった。

これは『魔術の儀式』か何かなのだろうか。


「続いて校長先生のお言葉…校長先生、お願いします」

その呼びかけに応じて立ち上がった頭をハゲ散らかした小太りの男が、スタスタと前へ歩く。

「えーみなさん、おはようございます。本日は大変日取りもよく~~~」


男が話し出して10分ほどが経過した。

長い、とにかく長い。

前半何を話したかなんて正直思い出せない。

こんなに長話をしていったい何が目的なのだろうか。

話が終わったかと思えば、また新たに話を始める。

こんなことでは話に終わりはこない…永遠ループである。


「~これで話を終わります」

どうやら終わったようだ。

記録15分37秒…恐ろしい記録である。


男が話を終え頭を下げると、それに応じて生徒たちも頭を下げる。

だが、生徒たちに先ほどまでの統率感はない。

生徒たちにあるのは『気だるさ』と『睡魔』だけである。


あくびをする生徒も少なくない。

校長先生なる者の話の間、どうやら多数の生徒が『睡眠』をとっていたようだ。

周りの大人はそれに関してなにも忠告や注意といったようなことはしない。

というより、大人の中にも睡眠をとった者もいるようだった。


結論を導き出すと、人類にとって『校長先生のお言葉』は睡魔を誘うものであり、それによって寝てしまうことはいたしかたないことなのである。




「続いて、『薄野すすきのあかり』生徒会長より、お話をお願いします」

大きな返事をして生徒の前に立つ見覚えのある黒髪の少女。

それは朝僕を助け、体育館まで連れてきてくれたあの少女。


「夏休みも明け、いよいよ新学期が始動する。これからいろいろな行事が続き大変だろうが、辛さを乗り越えて楽しさを手にしてほしい。悩み事も増えるだろう…。なにか迷んでいる時や、困りごとのある生徒は迷わず『生徒相談室』に来るといい、『生徒会役員3名』が、全力できみたちをサポートしることを誓おう。これで話を終わります」


話し終わると同時に、生徒たちからの拍手喝采。

それほど見事な演説だった。

話も短く分かりやすく、さらに要点もまとまっている。

先ほどの校長の演説とは比べものにならない、爪のあかせんじて飲ませたいくらいだ。




始業式を終え、生徒たちが帰り支度を始めている。

今日はこれで下校のようだ。


俺も帰りたいのはやまやまなのだが…現在地が分からない。

生徒に聞こうとしても、恐がって逃げてしまうしまつ。

これでは、この学校という名の迷宮から抜け出せない。



学校を歩き回り、何気なく通りかかった教室には『生徒相談室』とかいてあった。

「…ここで、道を聞こうかな」

この教室に入ったことで、生徒会の『人生』は結構変わったような気がする。


ここでモミジがドアを開けなければ、生徒会役員3名が異世界についてくることはなかっただろう。






















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