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不良勇者のチートな異世界物語!!  作者: 白猫
第2,5話 勇者の学園生活
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勇者の初登校!!

現実世界:東京都 都心部


とあるビルの一角。

そこの裏路地で数人のガラの悪い男にからまれる、勇者モミジ。


「その風貌、お前、北高の葉隠だろ。ちょいと面貸してもらおうか?」

男たちは、モミジに鋭い目線を向ける。


「いや…あの…ぼ、僕は…その」

モミジは、もじもじしながら言葉を詰まらせる。


「なんだあ、もじもじしやがって。意外と女々しい奴だな」

男たちは、モミジの様子を見てケタケタと笑う。


「まあいい、とりあえず俺たちに潰されてくれ」


男たちの拳が、モミジにめり込む。

その衝撃でモミジは後ろに飛ぶ。

勇者であるモミジにとってダメージと呼べるものはないが…

いきなり知らない男たちに攻撃を受けたのだ。

動揺は隠せない。


「い、いきなりなにするんだよ。ビックリするだろ!!」


「こいつ、殴ったのに全然効いてないぞ。」

男たちは少しならず驚いているようだ。

「…ッは、噂通り『化け物』だな。だからこそ倒す意味があるんだが」


「君たち、そこで何をしている?」

男たちの向こう側から声がした。


声の主は制服を着た少女だった。

美しい顔立ちで、綺麗な黒髪を腰元まで伸ばした少女からは可憐さを感じる。


「たった1人に集団でのいじめとは感心しないな」

黒髪の少女は呆れ顔でそう言う。

「ああ、女には関係ねえ。黙ってろ!!」

男たちはすごみのある声で脅しにかかる。


「そうはいかないな。その者は『わが校の生徒』なのでな、悪いが手をひいてもらえないか?」

「暴力行為をやめないなら、力ずくにでもやめさせるまでだが…」


「おいお前ら、ちょっといたぶってやれ、この世間知らずバカは痛い目見ないとわかんねえみたいだ」

リーダー格と思われる男がそう指示を出すと、数人の男が女に這い寄る。


「一つ忠告しておくが…私に拳を向けたからには、ただで済むと思わんことだ」

「は、ぬかしやがって!!」


男たちは一斉に黒髪の少女に襲い掛かる。

しかし、男たちの攻撃が少女に当たることはなかった。


少女は背負っている物に手をかける。

手にかけた長物は『竹刀』だった。


胴・小手・面!!

少女は大きくそう声を上げ、男たちの頭・手首・腹にそれぞれ竹刀を叩きつける。

男たちは昏倒し、地面に倒れ込む。


その見事な剣さばきにモミジは魅了された。

「…すごい、無駄な動きが1つもない」

同じ剣をふるう者として、少女のすごさがよくわかった。


「さて、どうする。まだ続けるか?」

少女に仲間を倒され、不良の立場は逆転。


「ッち、命拾いしたな葉隠」

そう言い残し、男は走り去って行った。


「大丈夫かい紅葉君。ほら、立てるか?」

少女は地面に座り込む紅葉に手を差し伸べる。


「あ、ありがとう。えっと、どうして僕の名前を?」

「きみはここいらの高校生の間では『有名人』なのだぞ。それを自覚した方がいい」


僕と入れ替わった葉隠紅葉という男は有名な不良少年なのだ。

僕の見た目は彼と同一、だから不良にからまれたり、彼と間違われるのも何ら不思議ではないか。


「しかしながら…攻撃を受けて反撃しないとは君も丸くなったものだな」


「まあ、公正することはよいことだが…」

少女は左手の腕時計を確認する。

「む、もうこんな時間か、きみも早くしたまえ。新学期早々遅刻とはあまりいただけないからな」


僕は少女に手を引かれ、高校へ向かう…。



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