ハルカ邸にて!!
東の大都市『デットタウン』。
そこの中心街の一軒家。
そこが、今日俺たちがお世話になるハルカの家。
…想像はしていたが、超デカいな。
家というより城だな。
「さあ、入ってくれ。家は僕1人で暮らしているから何の遠慮もいらないよ。」
俺は1度、豪邸という物に住んでみたいと思っていた。
豪邸…まさにそれが、目の前に。
「おじゃましまーす!!」
ハルカの家は中もすごかった。
西洋の城をイメージさせる純白の内装。
…まさに『セレブ』だ。
「お前、いったいいくら持ってんだ?」
「そんなに持ってないよ。収入のほとんどはいろんな領地に寄付しているから、手持ちは少しさ。」
ハルカは、照れくさそうにそう言う。
謙遜しているようだが、おそらくかなり持っている。
この城だって、作るとなったら3億ではきかないはずだ。
超級勇者ハルカ=フォルン。
ランク10って…いったいどれだけ。
…1度、ハルカと『手合せ』したいものだ。
「じゃあ話は、リビングでしようか。」
ハルカ亭3階:リビング
とてもきれいだ。
室内をつつむ暖炉のやさしい暖かさ、天井にはシャンデリアがつるされている。
これらすべてが、西洋風の内装と調和している。
まさに完璧な空間だった。
「そこに座ってくれ。」
言われた通り、俺はソファーに座った。
ハルカは、俺の向かい側のソファーに座る。
「さて、やっと落ち着いて話せるね。」
「君からどうぞ。なんでも質問してくれ。」
ハルカはとてもリラックスしている様子だった。
「…じゃあ2つほど教えてくれ。」
「なんなりと。」
「じゃあ1つ目だ。俺たちはここに来る途中、『悪魔』に遭遇した。」
さっきまでリラックスムードだったハルカから笑顔が消えた。
「俺は悪魔について詳しく知りたい。どんな奴らか、どこにいるのか、どうやったら勝てるのかだ。」
「紅葉くんは悪魔と戦ったのかい?」
さっきとは一変して、ハルカは急にシリアスぶる。
「…いや、戦わなかったよ。勝てるとも思えんかったし。」
実際、戦ったら死んでたかも・・・。
「そんで、2つ目。お前は俺の事『伝説の勇者』と呼んだなあ。ありゃどういう意味なんだ?」
「その2つの質問…同時に解決できる場所があるんだけど。」
ハルカの顔は、今までとは違った不敵な笑みであった。
「僕についてくるといい。」
「これから『地下フロア』に向かうから、迷わないでね。」
ここは、ハルカ邸、地下フロア。
そこは、まるで迷路のように入り組んでいる。
地下だからか、肌寒さを感じる。
「驚いたな。スゲー建物とは思ってたけど…まさか地下にまで部屋があるとは。」
「地下フロアにはだれも入れたことはないんだ。君たちが最初なんだよ。」
「着いた。ここが目的の場所、『資料庫』だ。」
「ここには、この世界の学者たちが喉から手が出る程欲している資料がしまってある。」
「…君の持っている疑問も、ここで解決できると思うよ。」
悪魔について…そして俺について…。
俺は、あの日、あの場所で知った。