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転生したら不遇属性のため世界最高クラスの監獄に送られました。監獄を快適に改造していきます!

作者: naturalsoft
掲載日:2026/11/01

挿絵(By みてみん)


ランキング上位ありがとうございます!

☆☆☆☆☆を押して評価して頂くと嬉しいです。

読者様の反応をみて連載も検討しています。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

シオン・ジェイル公爵令嬢、現在5歳!


「シオン・ジェイル!貴様を国内、いや世界最高峰の監獄、マーダーレッド監獄へ送還する!」


!?


ヘイヘイヘーイ!

パパンよ?

わずか5歳の私に監獄に行けとはこれいかに???


あ、みなさん、こんにちは。

私はシオン。転生者です!

取りあえずこの世界に転生して最上級の高位貴族に転生したので勝ち組だぜ!やったね!と思っていたらコレですよ。

取りあえず、前世の知識を利用して天才少女として華々しくデビューするはずだったのに~

私にチート能力を与えなかった『神様』!

これはどういうことですかー!


異世界転生のクーリングオフは可能ですか?


返事がない。ただの屍のようだ・・・じゃなくて私ピンチなんだけど!?



このノリのよい幼女が我らの主人公であるシオン・ジェイルである。

さて、ことの発端は、スキル継承の儀式にある。

この世界では5歳の時にスキル継承の儀式というのがあり、教会でお祈りし(宝珠)に触れる事で、魔法やスキルが使えるようになるのだ。


王族や貴族は炎や水の属性や攻撃魔法や回復魔法のスキルが与えられることが多く、稀に光属性の聖女と呼ばれる存在が現れる。


今回私が授かった属性が『土属性』だったのが問題でした。


なぜかって?


この世界では土属性は不遇属性と言われており、平民が田畑を耕すのに適しているという理由で、平民の属性と言われているのだ。


いいじゃん!別に!土属性だって便利だよ?

たぶんっ!


貴族には、蔑まれた目で見られる属性であり、パパンは、えっと、ジェイル公爵である父親カミーユは他の家族を守るために私を『切った』のであった。


非道な選択をしなければ、社交界で笑い物になるし、一歳年上のお兄様にも迷惑がかかると考えたからだ。

しかし、シオンには一つだけ誤解があった。


非道な命令を下した父親はシオンを愛しており、心の中で血の涙を流していた。シオンを過酷な場所に送ったということで非道な公爵を演じたのだが、この後、公爵家の潤沢な資金(賄賂)を監獄に送り、シオンの生活を守ろうとしていた。


シオンも怒りはしたが、憎んではいなかった。ポジティブな思考のシオンはこれからどうしようかなー?と、のほほんと考えていたのだ。


ただ前世での牢屋を考えていたシオンは勘違いしていた。


『牢屋』ではなく『監獄』に送られるということを。


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流石に教会からそのまま監獄に送られる訳ではなく、その日は公爵家に一度帰ることになった。


「うおぉぉぉぉん!!!!!シオーン!すまない!!!!」


パパンは家に帰ると泣きながらシオンに抱きついて謝った。


「えっと?どういう状況???」


お母様も泣きながら謝り説明してくれた。

上記に記載した通りで、土属性を授かった貴族は恥とされる為に、厳しい沙汰を下したというアピールが必要なのだ。


「シオンの開発した商品で公爵家は潤っている。その利益を全て送るから1年だ。1年我慢して欲しい」


私は前世の知識チートよろしくで、定番の商品を開発して利益を上げていたのです!むふー!


「悪名高いマーダーレッド監獄でもそれだけの寄付をすれば、普通の生活をさせてくれるはずだ。絶対に迎えにいく!」

「私は大丈夫だよ?一年間、頑張ってくるね!」


「くっ、うちの娘が可愛すぎる!これは爵位を返上して国外へ家族で逃げるしか・・・」

「ダメです!うちの領地の民はどうするのですか!せっかくパパン・・・お父様が立派に治めているのに民を路頭に迷わせるわけにはいきません!」

「え、ああ・・・」


これではどっちが領主かわからない状態である。

そして旅行カバンに着替えを入れて旅立ちました。

王都から北に一週間ほどの旅路でした。


到着するとシオンは圧倒された。

目の前には巨大な岩山がそびえ立っており、茶色い、いや赤茶色の岩山は草木一本生えておらず、その真下には重厚な鉄の門があった。


馬車が鉄の門の前に止まると、少しして門が開いた。よく見ると2階ぐらいに小さな窓らしきものがあったのでそこで確認したのだろう。重厚な門が開くと馬車はそのまま入って行った。

50メートルほど薄暗いトンネルを進んでいくと、また鉄の扉がありまた前に止まるとゆっくりと開いた。

すると急に明るい人工物の部屋にでた。

馬車の窓から外を見てみると、何人かの青い制服を着た人が働いているのが見えた。


「失礼だが、何かの間違いではないのか?」

「いえ、間違いございません。スキル継承の儀式で不遇属性だったらしくて・・・」

「ちっ、また貴族の見栄のためにか?反吐が出るな」


口の悪い係員さんみたいだなぁ~

シオンはそう思っていると、ドアが開いた。


「お嬢ちゃん、降りてきなさい」


さっきと違って優しい声で言われた。

馬車から降りるとシオンはキョロキョロしながら周囲を見渡した。

ここは囚人の引き渡しや物資の荷下ろしをする部屋のようで、別の馬車から荷物を降ろしている所だった。


シオンは係の人に連れられて隣の部屋で待つことになった。

なんかお菓子も出て待遇がよかった。


その頃───


「なんとかならないのですか?」

「どうにもならん。まぁ、待遇の優遇はできるが、寝床まではどうにもならんぞ」


所長室では、マーダーレッド監獄の所長と副所長が頭を抱えていた。


「なんなんですか?この莫大な金貨は?」

「娘を一年間、預かってもらう報酬だそうだ」

「ジュエル公爵は子供を愛していないのでは?」

「愛しているんだろうよ。じゃないと、こんな一生遊んで暮らせるような金貨を送らんだろう?」


これが頭を抱える原因の一つだった。

今までも、ここに送られた囚人の家族から支援金が送られたことはあったが、囚人の食事や衣類の手配ぐらいしか使い道がないのだ。

そしてシオンも前世の知識があるせいで勘違いしていた。監獄とは、白い壁と鉄格子の中の部屋のことではなく、罪を犯した者が鉱山で肉体労働をして罪を償うということを!


このマーダーレッド監獄は天然の岩山に出入口を封じて作った監獄である。

ここからは良質な鉱物が多く産出されるので、ここで採れた鉱物は近くの街に運ばれ、インゴットなどに加工され、王家に献上される。このマーダーレッド監獄には約100人ほどの囚人が収容されているのだ。


「それでいつも通り、食事と衣類は与えられるが、あの劣悪な寝床で暮らさせるしかない」

「まさか5歳でこの監獄に送られるとは。こんなことは初めてですよ。不遇属性ってそんなに悪いことなんですかね?」

「さぁな。貴族の考えることはわからんよ」

「所長も貴族でしょうに」

「子爵家の三男だ。平民と変わらんよ」


深いため息を吐いた後に言った。


「取り合えず、5歳だ。体調も崩しやすい。鉱山の業務はしなくていいが、他の受刑者に暴力を振るわれたりしないよう見張っておくよう他の職員にも伝えておいてくれ」

「かしこまりました」


こうしてシオンは建物の中に入ることになった。


「ほへぇ~!すごいね~」


岩山の中は東京ドームぐらいの広さがあり、中央の天井は吹き抜けになっており空が見えて光が入ってきていた。


「ここの天井は吹き抜けのため、空気が澱むことがない。しかも、降った雨が岩山で濾過され、綺麗な水が流れている。トイレは川下のところにあり水洗だ。仕事はキツイが他の監獄より清潔だと思う」


シオンを案内しながら副所長は答えた。


受刑者は男性が多いが、女性もいるので、寝床の建物は別々になっている。

シオンは案内の説明を聞いて頷いていた。


しかし、寝床の建物だけは絶句した。

ボロボロで、寝床も汚かったからだ。

建物の中は一部屋ずつ区切られていたが、毎日鉱山で鉱石を掘るので砂だらけだった。


「君の寝床だけは後で掃除させる、しかし、それ以上のことはできない」

「はい、わかりました。ただ毎日掃除は私がしてもいいですか?」

「それは別に構わないが・・・」


やることもないだろうしいいだろうと許可した。


「それとツルハシを振るって作業している者には近づかないこと。怪我の危険があるからな」

「わかりました!」


副所長は、やけに素直な子供だなと思ったがそれ以上は考えないようにした。

1日目はそういった感じで終わった。


次の日──


「なぁ、昨日ここに5歳くらいの女の子を見たんだが・・・?」

「ああ、俺も見た!絶対にいたよな?」

「何をバカ言ってんだ?こんな監獄に5歳ぐらいの女の子なんている訳が──いたっ!?」


食事は食堂でまとめて取ることになっており、朝と昼と夜は食堂が賑わうのだ。


「な、なんでここに女の子が?」


シオンの隣には顔に傷跡のある筋肉質の女性が座った。


「なぁ、お嬢ちゃん。どうしてここにいるんだ?」

「こんにちはお姉さん!私はシオン・ジェイルと言います」

「おっ、挨拶ができて偉いな。私はライラって言うんだ」

「ライラお姉ちゃんですね!よろしくお願いします」

「えっ、ああ、よろしく」


礼儀正しいシオンに戸惑うように返事を返したライラはシオンの話を聞いて憤った!


「なんだいそりゃ!たかだか土属性のスキルを手に入れただけでここに送られたっていうのか?」


ここは罪を犯した者が送られる場所であり、自分では選べないスキルを取得しただけで監獄行きとは、凶悪な犯罪者でもムカつく案件だった。


「でも家族は泣きながらここに送ったので、辛かったのは父と母の方です。なんか援助金も送ってくれるそうなので食事の質ぐらいは上がると思いますよ」


「シオンちゃんは良い子だね・・・」


ダーッと涙を滝のように流しながらライラや周囲の受刑者は聞いていた。

そして作業時間になった。

シオンはせっかくもらった土属性の魔法を使ってみることにした。

誰も作業していない場所で色々と試行錯誤しているうちに気づいたことがあった。


「この硬い岩石を柔らかくできるんじゃね?」


最初は石の壁とか作って防御に使えると思ったが、ここではみんなの仕事をやり易くできるよう考えたのだ。


「ライラお姉ちゃーん!」


シオンは急いでライラの場所に向かった。


「シオンちゃん、こんなところに来たら危ないだろう!」

「ごめんなさい!でも、私の魔法をみて欲しいの!」


魔法?

シオンはライラが掘っていた場所に土魔法をかけた。


「ここにツルハシ入れてみて!」

「あ、ああ。わかったよ」


半信半疑でツルハシを振るうと、手応えが違って、岩盤からポロポロと砕かれた岩が溢れ落ちた。


「なんだい!今の感触は!?」


ガキンッという衝撃ではなく粘土のような優しい衝撃で、手に負荷がかかるわけでもなく、簡単に岩盤を掘ることができた。


「だいたい、5メートルほどは柔くなっているから、掘り終わったら教えてね。また魔法をかけるから」


それからシオンは近くの受刑者の所に行って魔法をかけまくった。

その日の夜はお祭り騒ぎだった。


「偉大なるシオンちゃんにカンパーイ!」


重労働の作業が楽になってみんながシオンに感謝した。


「面白いくらいに岩盤が掘れたな!」

「ああ、いつもなら早く終われと思うが、今日はどこまで掘れるか試したかったな!」


わずか数日で監獄のマスコットキャラクターになったシオンは次なる手に出た。

寝床の改善である。

土魔法で建物をきれいにリフォームし、一番力を入れたのはベッドである。ベッドの台を粘土のような土にして、弾力があり沈んでも元に戻る『低反発粘土』を開発して各自の部屋に配備した。

みんなから寝易くなったと大好評だった。


そして、とある日──


「ねぇねぇ!あっちの方は掘らないの?」

「うん?ああ、見てくれ」


不自然に掘られていなく突起した場所に着くと、岩盤が湿気を帯びていた。


「これって?」

「恐らく、この向こうには水源が流れているみたいでな。これ以上掘ると水が流れ出てくる可能性が高いから掘れないんだよ」

「ふーん?」


しかし、シオンは気づいた。

この辺りの岩盤や地面が暖かいことに。

土魔法により大地の温度もわかるようになっていたシオンは確信した!


「ライラお姉ちゃん!あそこの岩盤を掘って欲しいの!」

「えっ、あそこの岩盤は・・・いや、シオンちゃんに何か考えがあるんだね?」

「うん!」

「よし!やってやるか!」


シオンは周囲に土の壁を生み出して水が流れないようにしてから掘ってもらった。

すると───


ブシュー!!!!!!


温泉が湧き出てきた!


「あちちっっ!?」

「これって温泉!?」


シオンはすぐに一度塞いでみんなに言った。


「よっしゃー!狙い通り!これでお風呂に入り放題だよ!」


一番喜んでいた。

所長達も慌ててやってきたが、シオンがここに温泉施設を作ると言った時、反対の声は上がらなかった。

シオンのおかげで作業効率が上がり、囚人達の不満も解消され、そして囚人達がお風呂に入って清潔になれば病気になる確率も減るので、メリットしかなかったからだ。


土魔法で正方形の建物を作るのは一番簡単だった。

シオンは自分の欲望に忠実で、思った以上の大きな浴槽と建物に仕上げた。

男女は別々の建物を建てて、お風呂少し伸ばして看守の建物まで引いて、看守さん達も入れるようにした。


「シオンはここの監獄の天使様よ!」


水浴びぐらいしかできなかった女性陣から絶大な感謝をされた。


楽になった仕事に、フカフカの柔らかいベッド。そして仕事終わりの温泉。

シオンがきて数ヶ月でここは楽園になりつつあった。


「後は、食料の自給ね」


ここは掘り進んで、とにかく広い空間が広がっていた。

人の余り通らない隅っこで、畑を作ることにした。


「流石にシオンちゃんでも無理じゃないかしら?」


ここの地面は土ではなく岩なのだ。岩山を切り開いて作った空間なので仕方がない。


「そこは私の土魔法の腕の見せ所だよ!」


シオンは魔法で硬い岩の地面を柔らかい地面に変えていった。

どうやら土だけではなく岩の性質自体も変えれるようである。


「すごい。あの固かった岩の地面がこんなに柔らかくなってる・・・いったいどこまで柔らかくしたの?」

「だいたい3メートルぐらいかな?それだけ深ければ、植物の根も伸びるでしょう」


こうして試験的に約100メートル四方もある立派な畑が完成した。


「まずは、ジャガイモとトウモロコシを作るよ!」


栽培が簡単なものからチャレンジした。

すると、ヤバかった。

ジャガイモは一週間で通常よりも大きく成長して収穫できた。

トウモロコシも約1ヶ月で収穫できてしまった。


「私、農業に詳しくないけと、普通はもっと時間が掛かるわよね?」

「・・・うん。そのはずなんだけど???」


シオンの魔法で耕した土のせいなのか、元々、ここの土地がそんな農業に適した土地だったのかわからなかった。

さらに畑を拡大して別の作物も植えてみたが、軒並み通常より早いスピードで成長した。


「ここは土地のパワーが強いんだね~」


シオンはそういう所なのだろうと割り切ったが、所長や副所長は真っ青になっていた。


「もし、これがシオンちゃんの力だとしたら、戦争が起きるぞ」

「ええ、シオンちゃんがいれば、年に何回でも作物が取れるので飢饉になることもありませんし、小麦などは粉にして他国に売ることもできます。土属性の価値観が変わりますよ」

「だよなぁ~?もし、砂漠地帯の国だったら喉から手が出るほど欲しいだろうな」

「もしくは海に囲まれた島国でもですよ。塩害も恐らく関係なく育てれるでしょうし」


この事実をどうすべきか、頭を悩ませる二人だった。


どうしてこうなった?

多額の支援金の代わりに1年間預かることになった少女がこんな規格外だとは………


監獄の所長と副所長の苦悩は続くのであった。




【END】



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

【あとがき】


最後までお読み頂きありがとうございます。

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悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!

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挿絵(By みてみん)




読者様の評価の高かった作品です。

一度読んで頂けると嬉しいです。





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― 新着の感想 ―
シオンちゃんのやらかし(笑)、もっと見たいです。
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