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虐げられ令嬢の役割だったが、正論で諭してみたらストーリーが変わりました

作者: naturalsoft
掲載日:2026/09/01

連載中の小説の息抜きに書きました。

サラッとお読み下さい。


最後にハート押して応援して貰えると嬉しいです♪

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


私が幼い頃に母が病死して、1年後父親が継母を連れてきた。その継母には私より一歳年下の娘がいた。


「私は仕事でなかなか家に居られない。寂しくないように新しい母を連れてきた。新しい母親と妹で仲良く暮らしなさい」


父親からしたら、良かれと思って見つけてきたのだろう。相手も愛がなくても贅沢できればいいと思って受けたに違いない。


現在私は8歳になったばかりの悪役令嬢であり、【転生者】である。

私はしがない会社員であった。特にブラックな会社ではなかったが人付き合いが苦手でいつも1人だった。周りからは無表情で愛想がないと言われたが、事務仕事だったので仕事には時に問題なかった。

趣味はネット小説を読んだりスマホの乙女ゲームをしたりするぐらいだったが、なんの因果か心臓発作で死んだっぽい。


そして、ここが生前読んでいた小説の世界だと知ったのです。だけど展開をある程度知っている身としては素直にドアマットになってやる気はない!



「別に必要ありませんが、お父様が見つけてきたのなら従います。この屋敷の事については今まで通り私が差配してよろしいのですね?」


「ああ、お前に任せる」

「では、私を女主人であると証明する書類をお願い致します」


余りにもしっかりしていて苦笑いしてしまう父であった。


継母の名前はケイト

義妹の名前エレーナ


「それでケイト様は何処の家の方なんですか?」


継母はシオンと公爵のやり取りをみて呆然としていたが、ハッと我に返ると回答した。


「わ、私はサファリア伯爵家の三女で、ルナ子爵家に嫁ぎました。しかし夫が病死して、屋敷や領地を親類に奪われ途方にくれていた所を、親交のあったブレイザー公爵家に相談したら、今回お話を頂きました」


「ふむ?それなら、貴方はルナ子爵の女主人としては無能と言う事ですね」


「なっ!?」


シオンの言葉にケイトはカチンッときた。


「だってそうでしょう?仮にも本妻であり、実家の爵位が上だったにも関わらず追い出された。と、言うことは貴女に何か問題があったと言うことですよね?もしくは、無能過ぎて何もしなかったか」


「それは失礼な物言いではありませんか!」


流石に反論したがシオンは冷めた目で見つめた。


「だったら何故実家にも戻らずうちに来たの?お父様だって、ただの知り合いを助ける訳ないじゃない」


「えっ?」


ケイトは父である公爵を見た。


「………はぁ、シオンは本当にしっかりしているなぁ~」


やれやれといった感じで、シオンが自分の意図を全て把握しているとわかったようで感心していた。


お父様は優しくて清廉潔白というのが周囲の評価だが、実は違う。


小説では転生前の本物のシオンはそれに気付かず、継母に虐められて性格がひん曲がり、ヒロインを同じく害して処刑された。


本当の父は冷徹で冷酷な性格なのだ。

いや全ては合理的に使える合理主義であり、優秀な者を雇い、無能者は遠慮なく切り捨てる人だ。


これは父からの試験なのだ。


私がこの屋敷の女主人としてやっていけるのか。

子供で力がなければ使用人を味方にして、継母を抑えて女主人として屋敷を運営していけるかという。


小説でも私がダメだとわかると早々に、親戚筋から養子を貰ってきたからなぁ~。

父の求める期待値が高過ぎるのではと思うのよ。

こんなの転生者で2周目じゃないと対応出来ないからね!父よ!?


シオンは内心の感情をまったく出さずに部屋へ案内した。


「それでは応接室で詳しくお話を伺いましょう」


8歳とは思えない威圧感でケイトは黙って付いていくしかなかった。


応接室に入るとソファに座り父親を見ながら言った。


「さて、お父様。このケイトさんをどうなさるおつもりなんですか?」

「う~ん、シオンの試験の為に連れて来たんだけど、バレてしまってはなぁ~」


ケイトは青ざめて震えていた。

応接室には護衛の騎士が控えていたからだ。


「ケイトさん、私は貴方が何をしたのか知りませんが、我が父は貴女が何をしたのか、すでに知っているはずです。だからバカなマネはお止め下さい」


!?


ケイトは父を怯えた目で見つめた。


「そうだね。君が暗愚である事は調べがついているよ。伯爵家の三女で甘やかされて育てられたせいで、かなり我儘に育ったようだね。格下の家しか君の貰い手がいなかった。子爵は本当に病死だったみたいだけど、君は遊び歩いて看病は使用人に任せっきり。子爵が亡くなっても、女主人の務めも果たさず、浪費するだけ。それで子爵の親族から追放された。実家に戻っても、病死した子爵を看病もせず遊んでいた事が知られて再度追い出されたとね」


ケイトはガタガタッと震えた。


「な、ならなんで私を継母に選んだのですか!?」


「公爵家の次期当主であるシオンを見定める為にだよ。君なら僕がいない時にシオンを虐めて自分の娘を次期当主にしようと画策するでしょ?それをシオンが対処できるか確かめる為に選んだんだけどね。まさか僕の意図をシオンが完璧に看破してしまうなんて予想外だったよ」


アハハハッと嬉しい誤算と言いう様に笑いながら言った。


「それでシオンはどうしたい?」


チラッとケイトさんを見てから答えた。


「私には特に必要ないのですが・・・まぁ、エレーナさんの事もありますし、受け入れてもいいですよ」

「それは慈悲のつもりかな?」

「いいえ、私の第一はこの公爵家の利益のためです。ケイトさんはいりませんが、エレーナさんに教育を施して将来的に我が家の利益に繋がればと」


「ふむ?確かにうちにはシオンしか子供がいないからな。予備が居た方が安心か」


少し考えながら父親の中で答えが出たようだ。


「さて、ケイトさん。我が公爵家ではエレーナさんであれば利用価値があるので養子にしても構いませんが、貴女はどんな価値を示せますか?無ければ貴女を継母にしてもメリットがありません。手切れ金を渡して出ていってもらいます」


!?


「わ、私は・・・」


今頃になって自分は何ができる?と考えても、何もできないと気づいて答えれなかった。


「やだっ!お母さんと離れたくないです!」


今まで黙っていたエレーナが初めて口を開いた。


「でも、貴女のお母さん、何もできないのよ?ここを出ていってお金が無くなれば、水商売しかできないでしょう。貧乏で苦労するわよ?貴女はここに居れば裕福な暮らしができるのよ?」


「お金なんていらない。お母さんと一緒がいい・・・グスンッ」

「エレーナ・・・」


ケイトさんは何かを決意した顔で言った。


「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。私は出ていきます。ただ娘を、エレーナはここで暮らさせて下さい」


ケイトさんは深く頭を下げた。


「嫌だよ!お母さんと一緒がいい。前はお母さん家に居なかったけど、今はずっと居てくれるから大好きなの!」

「あ、ああ・・・私は本当になんてことを・・・」


ケイトさんはごめんなさい。ごめんなさいと。エレーナを抱きしめて泣きながら謝った。


「はぁ~僕にだって情はあるよ。シオン、どうだ?」

「私は感情では動きません。でも、一度死ぬ気でやらせてみるのも良いかもしれません」


誰に似たのやらと父親の公爵はまた苦笑いしながら話をまとめた。



あれからケイトさんは心を入れ替えた。


父に頭を下げて子爵家で散財したお金を返して、元夫の子爵さんの墓に頭を下げたのだ。最初は恥知らずと罵倒されたが、それに耐えて本当にすみませんでしたと真摯に謝ったことで、子爵の親類も年に一度の墓参りを許した。

実家の方にも連絡を入れて自分に何かあった時は娘だけでもとお願いしにいった。

余りの変わりように実家も驚いたみたいだった。


セレーナもまだ母親の性格に毒されていなかったので、素直に貴族教育を受けた。

元々、ポテンシャルが高かったのか、水を吸収するかのように礼儀作法や勉強を覚えていった。


「まさか継母であるケイトさんが改心した事でイベントが全部変わるなんてね~」


これでドアマット悪役令嬢は卒業かな?

愛されヒロインを虐め無ければ平穏な日常を送れるでしょう。


ケイトさんは一から貴族のマナーをエレーナと一緒に学び直している。


「シオン、ちょっといいかい?」


そしてなぜか、父親も長期間の出張をしなくなり、仕事が終わると屋敷へ帰ってくる様になった。

そして何かとシオンと一緒に過ごそうとしてくる様になったのだ。


父よ。どうしたのだ?

貴方はそんなキャラではなかったはずだが?


「どうしました?」

「分家で才能のある男の子がいるのだが………」


!?


ああ、養子イベントですね。義弟がやって来るのかな?


「お前はブレイザー公爵家を継ぎたいと思っているのか?それとも結婚して女主人として暮らしたいのだろうか?」


ううん?


「お父様、もし許されるならこのブレイザー公爵家を継ぎたいと思っております」


ちょうど、前世の記憶を頼りに、養蜂場を作ってハチミツを定期的に採れる様にしたばかりである。

それ同時にハチミツを使ったレシピの考案などで利益を上げてきているのだ。この世界ではハチミツは砂糖より高級食材であり、貴重なためレシピも余りなかった。それがある程度、定期的に採れる様になった事で、国中から注目されてきている。


「うん、僕の娘は天才だから好きな様にすれば良いよ」

「お父様、私は天才ではありません。いつも試行錯誤してやっと成果を出しているのです」


う~ん。

同い年とはその意識が違う所が天才だと思うんだけどね~?


☆~~~父親視点~~~☆


普通の同い年の子供は、もっと遊びたいと思うんだけど、君は家の利益の為に動くんだよね。

我がブレイザー公爵家は王国でも由緒正しい家であると同時に敵も多い。並の子供では他家に潰されてしまう。だから試練を与えて成長して貰わないと困ると思っていたのだが、それは間違いだったようだ。


今は我が娘が可愛くてしょうがない。

僕はきちんと娘と向き合っていなかった。

娘がダメなら分家から養子を貰う事も迷いは無かった。でも、今はそんな事は考えられないよ。


シオンは面倒見も良いことがわかった。

子供っぽくないと見られるが、義妹の面倒を見ている時は年相応に笑うんだ。


家族と言うより、同年代の友達ができた感覚だろうか?


エレーナもシオンに懐いているし、お互いに良い関係を築いている。

ケイトも継母として、シオンから女主人の仕事を任されるようになってきて自信が付いたようだ。


この僕もケイトを女性として意識し始めている。

まぁ、今は亡き妻に操を立てているから今すぐどうかはしないけどね。



☆~~~~~~~~~☆


そんなある日──


「シオン、王城から王子のお茶会の招待状が届いたけど出席するかい?」


「まぁ流石は公爵家ですね。年齢の近い選ばれた家名の者しか招待されないのに」


継母のケイトは感心したように言った。


「それではエレーナを出席させましょう」

「えっ、どうしてエレーナを?」


ケイトさんはシオンが出席すると思っていたからだ。


「これは王子の婚約を選ぶお茶会でしょう。私はブレイザー公爵家を継ぐ後継者です。王子の婚約者に選ばれても困ります」


「あっ、そう言うことですか。エレーナは大丈夫?」

「正直、不安ですがお姉様に教えられたマナーを試す機会です。頑張って公爵家の恥にならないよう務めてきます!」


エレーナの言葉にシオンは満点回答だと言わんばかりに頭を撫でた。


はわわわわっ!?

お姉様に褒められました!


シオンお姉様は厳しいですが私のできない事は言いませんし、頑張ったら褒めてくれるし、ご褒美にお菓子をくれます。今ではお母さんに次いで大好きです♪


エレーナはこの後、王子のお茶会に出席して、見事に王子の婚約者に選ばれた。


「まさか本当に選ばれるとね。頑張ったな」

「はいお父様。シオンお姉様のおかげです!」


こうしてエレーナは王妃教育を受ける事になったのです。王子はエレーナと同い年で、私の1つ下です。


そして数年後───

学園の卒業パーティーにて


「エレーナ・ブレイザー公爵令嬢!君との婚約を破棄させて貰う!前に出るがいい」


王太子であるアベルが宣言しました。


エレーナは戸惑う事も、焦ることもありません。

だって、今日はシオンお姉様が来賓としてきてくれているからです。


ああ♪

シオンお姉様の今日の装いステキ♪

赤地に黒色のフリルをつけたドレス。

下手な者が着ると娼婦みたいに下品になりますが、お姉様が着ると威厳のある洗練された美しいドレスに早替わりですよ!


はぁ、もっとお姉様を見ていたいのですが、呼ばれたので仕方なく行きます。


エレーナは気丈に振る舞いながら前にでました。

(実際はシオンを見つめていたいのを我慢しているだけです)


「アベル様の御前に」


綺麗なカーテシーをして礼を取ります。


「来たな!お前は、ここにいるヒローニア男爵令嬢に酷い嫌がらせをしていたらしいな!そのような者を王妃にする訳にはいかない!よって、エレーナとの婚約を破棄させてもらう!」


おお!

目の前でマジもんの婚約破棄イベント!

これは萌える………じゃなかった、燃えるね!

それが私の義妹で無ければだけど!


エレーナも心底どうでもいいと言う顔で頷いた。


「はぁ……わかりました。婚約破棄を受け入れます」

(これってチャンスじゃない!?これでシオンお姉様を手伝いながら一緒にいられるのでは!?)


「なんだ!その態度は!?婚約破棄だけでは生ぬるい!お前は死刑だ!」


ザワッとパーティー会場がざわめいた。

コソッ

「アベル様、それはやり過ぎです。ブレイザー公爵家を敵に廻すおつもりですか!お立場が大変な事になりますよ!」


王子の側近が助言するけど、婚約破棄された時点で敵になっているからね?


「うるさい!私の大切なヒローニアを虐めたのだ!死刑に足りる理由だろう!」


ザワザワッ

ザワザワッ


う~ん、これはそろそろ登場した方が良さそうね。


「失礼致します。我が愛する義妹を処刑とは確固たる証拠がおありなんでしょうね?」


「シオンお姉様!?」

(きゃ~!お姉様が愛するって言ってくれましたわ♪)


扇子を口に当てて眼光を強くして睨みます。


「き、貴様はシオン・ブレイザーか………」


去年まで同じ学生として顔を合わせていましたからね。このクソ王子の態度が悪いから、よく『指導』してあげたのよね。


「はぁ~たった1年でずいぶんと愚かになりましたね。殿下?」


シオンは獰猛的にニヤリッと嗤います。


「ひっ、い、いや、なんだと!もう卒業した貴様には関係ない事だ!」


「バカなの?まず殿下も卒業したのだから同じ学園生ではないでしょうに。それに、我が愛する義妹のことよ?無関係ではないでしょう?」


「ウグッ!?」


また愛するって言ってくれた!

もうお姉様と結婚して良いんじゃないかしら?

エレーナはシオンをもはや崇拝しているレベルで『ラブ』な感情を抱いていた。


「それで、早くエレーナがやったと言う証拠を出してみなさい」


「ああ、これを見るがいい」


殿下は手を上げて側近に証拠を持ってこさせた。

殿下の側近は


宰相の子息

騎士団長の息子

大臣の子息

学園の副理事長の息子


ここに殿下が加わり、5色の変態……失礼、5色の戦隊ヒーローが完成するのだ!

(ドーン!背景爆発する)


「なんですか、それは?」

「ヒローニアが嫌がらせを受けた証拠だ。破かれた教科書や上履きや制服だ」


「はぁ、それが何か?」

「何か?ではない!これがヒローニアが嫌がらせを受けていた証拠だ!」


頭が痛いわ。

小説でお馬鹿な主人公が墓穴を掘るシーンを読んだけど、実際に見ると痛々しいな。


「………それは嫌がらせされた証拠であって、エレーナが実際に行なったかの証拠ではないでしょう?バカにしてるの?」


シオンは周囲は見渡しながら言った。

周囲もうんうんと頷く。


「くっ、ならヒローニアが階段から突き落とされた件はどうだ!?実際に突き落とされる時にエレーナの姿を見ている!それが何よりの証拠だろう!」


「月並みの質問なのですが、それはいつの出来事なんですか?」


「水月の土の日だ。時間は放課後。たまたま階段の下にいた私が抱きとめて大事に至らなかった。階段の下にはこいつらもいた。複数の目撃者がいる!それに、その時ヒローニアが言ったのだ。エレーナに突き落とされたとな!」


カツカツッと今まで何も発しなかったヒローニアが前に歩いて出た。そして振り返ってアベル王子に言った。


「………1つ訂正を。私はエレーナさんに突き落とされたとは言っていません。エレーナさんと同じ髪色の女性に押されたと言いました」


「うん?それの何が違うんだ?エレーナに落とされたのだろう?」


いや、全然違うから!

エレーナは貴族によくある金髪の髪色です!

学園に金髪なんてどれだけいると思っているのよ!?


「もういいでしょうか?シオンお姉様?」

「はい。今までお疲れ様でしたヒローニアさん」


シオンはヒローニアを優しく抱き締めた。

きぃー!私のお姉様なのに!

エレーナは嫉妬した。


「エレーナ、堪えなさい。今までこのバカ達の子守をしてくれていたのだから」

「………はい」


シュンとするエレーナはチワワに似ていた。

(可愛い♪)


「ヒローニア?どうしてそっちに行くんだ?」

「もう終わりにしましょう。ヒローニアさんが階段から落ちた時間帯はエレーナにアリバイがあります」


「アリバイだと?」

「はい。とある御方と一緒に居ましたので」

「はっ、貴様が金で用意した証人だろうが!そんな者は無効だっ!」



シオンは静かに首を振ると視線を扉の方に向けた


「と、仰っておりますがいかがされますか?」


ギギギッッとパーティー会場の扉が開いた。


「ああ、扉の外からでもよく消えていたよ」

「ち、父上!?」


国王陛下と一緒に側近の父親達も入ってきた。


「さて、そこの令嬢が階段から落ちた時間だが、エレーナ嬢は私と王妃とでお茶を飲んでいたのだが?」


「えっ!?」


アベルは交互に視線を交わして唖然とした。


「はぁ、もう良い。婚約者を大切にせず、別の女性を寵愛して証拠もないのに断罪、さらに嫌がらせ程度で処刑を口にするとは恥を知れ!貴様に王族の資格はない!お前を廃嫡して北の塔へ幽閉する!側近も同罪だ。連れていけ!」


「そ、そんな!父上!お待ち下さーい!」


兵士に連れて行かれる時、国王陛下は最後に言った。


「そうそう、そこにいるヒローニア嬢はな、貴様が王たる資格があるか見極める為に用意した美人局だ。お前がしっかり話の裏を取って真偽を確かめておれば問題なかったのだよ」


!?


アベル王子は驚いた顔をして連行されていった。


「エレーナ嬢、今回は本当に申し訳なかった」

「いえ、シオンお姉様が居ましたから大丈夫です」

「シオン次期公爵もすまなかった。学園にいた時から息子に厳しく指導してもらったのに、この体たらくで」


シオンは微笑みながら答えた。


「国王陛下には残念な結果になり申し訳ありません。臣下として正しく殿下を導けなかった事、大変申し訳なく」


「いや、アレには王としての器がなかっただけだ。今回の件、本当に申し訳なかった。正式なお詫びは後日必ずしよう」


国王様は周囲に言った。


「学生諸君、卒業おめでとう。今日は王家から極上のワインを用意した。君達はこれから正式な貴族の仲間入りだ。今日は楽しんでいって欲しい!」


ワァー!!!


歓声が上がった。

流石は国王様。人心掌握術が素晴らしいね。


こうして断罪イベントを乗り切ったのでした。



実はヒロインと悪役令嬢が手を結んでいた。


と、言うのには訳がありまして、断罪イベントを見越してヒロインに接触したのですが、なんと!ヒロインちゃんも転生者だったのです!

私も転生者の事を明かすと、意気投合しちゃいました。テヘッ♪


これが真相デス!


───ブレイザー公爵家にて───


「う~ん♪この料理最高ー!」


ヒロインこと、ヒローニアちゃん。

転生したはいいけど、この世界の料理が口に合わずいつも泣いていたとのこと。

そこで私が金と権力で前世の料理を再現したものを食べて『虜』になりましたとさ。


「私、シオンお姉様に一生憑いていきます~♪」


いや、憑いてこないでよ!怖いわっ!


「ダメです!シオンお姉様は私だけのお姉様なんです!」

「そんなのはダメよ!もう私はシオンお姉様じゃないとダメな身体にされたんだから……ポッ」


!?


言い方ーーーー!!!!!?


「どういうことですかっ!」

「いや、ヒローニアちゃんは私の料理が好きなだけで……」


「シオンお姉様を手伝ったら終身就職させてくれるって話でしたよね♪」


!?


また言い方ーーーーー!!!!!


「シオンお姉様!ど・う・い・う・こ・と・で・すか!ヒローニアさんも、お姉様に抱き着かないで下さい!」


ガルルルッッと吠えるエレーナをからかう様に、ヒローニアとエレーナは相性が悪いみたいでいつも騒がしくなるのだ。


騒がしい2人を見ながらこういうエンディングもありかな?と思うシオンでした。



【END】



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

【あとがき】

最後までお読み頂きありがとうございました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

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