第4話:大掃除作戦と、思いがけない開業資金!
清掃員第一号としてモチを迎え入れた後、僕の次なるミッションは、このお化け屋敷を最高にキュートなペットカフェへと生まれ変わらせることだ!
この館は本当にデカい。広いエントランスホールに、応接室、何十もの客室、そしてもふもふ達の遊び場を作るのに十分すぎるほど広い裏庭まである。ただ唯一の問題は……分厚い埃とクモの巣だらけで、家具もボロボロに朽ち果てていることだ。
「よし、お前ら!大掃除作戦、開始だ!」僕は気合を入れるように拳を天に突き上げた。
「ニャ〜」とクロは返事をしつつ、ボロボロのソファに飛び乗って丸く寝そべった。……って、おい!お前は手伝わないのかよ!
まあいい、猫は猫だ。人間の僕を奴隷として働かせ、自分は寝るのが仕事だからな。僕は唯一の希望である小さなスライム、モチの方を向いた。
「モチ、床の朽ちた木片と埃を頼む!」
ぽよんっ!
モチは命令を承諾するようにプルプルと震え、ホールの床を滑り始めた。その後に起きた光景に、僕は開いた口が塞がらなかった……。小さなスライムが大きな木材や真っ二つに折れたテーブル、カビだらけの絨毯の上を通り過ぎると、その透明な体の中にすべてを飲み込み、一瞬で消化してしまったのだ!後には、鏡のように顔が映るほどピカピカになった大理石の床だけが残されていた。
すげえええ!これ、最新型の最高級掃除機と移動式焼却炉のハイブリッドじゃないか!異世界のスキルってマジで最高だ!さすがは優秀な清掃員!
大きなゴミと床の掃除はモチに任せ、僕は壁や窓の拭き掃除を担当することにした。その辺にあった布の切れ端を拾い、館の裏にある井戸で濡らして、死に物狂いで壁を磨き始めた。
丸3時間が経過……。
床拭き、窓ガラス磨き、ホールの片付けがすべて完了した。一息ついた時、僕はふと、ある異変に気がついた。
あれ……?僕、全然疲れてないぞ?息切れもしてないし、汗の一滴すら流していない!
そこでハッと思い出した。……『疲労無効』のスキルだ!おおっ、最初はハズレスキルだと思ってたけど、実際に使ってみると、社畜や肉体労働者にとっては神からの贈り物みたいなスキルじゃないか!もし前の世界でこのスキルを持っていたら、上司に朝まで残業代ゼロでこき使われていたに違いない。想像しただけで鳥肌が立つな。
自分のスキルに感心していると、モチがぽよんぽよんと跳ねてきて、僕の足首にぶつかった。そして、体の中からサビだらけの小さな木箱をペッと吐き出したのだ。
「ん?なんだこれ、モチ?どこで見つけたんだ?」
僕はその木箱を拾い上げ、埃を払った。かなり古びていて鍵もかかっていたが、朽ちていたため、少し力を入れて捻るだけであっさりと鍵が外れた。
カチャッ……。
箱の蓋を開けた瞬間、眩い黄金色の光が目に飛び込んできて、思わず目を細めた。
箱の中には、見たこともない模様が刻まれた金貨がぎっしりと詰まっていて、さらに大粒の赤や青の宝石までいくつも入っていたのだ!
「うおおおおっ!これ、宝箱じゃん!」僕は館中に響き渡る声で叫んだ。
マジかよ!この廃館、隠し財宝まであったのか!前の持ち主が置いていったものか?まあいいや、誰も住んでいないし、見つけたのは僕だ。……これは間違いなく、僕のカフェの開業資金になるってことだろ!ハハハッ!
サトウ・サトル、完全に運が向いてきてるぞ!広大な土地を手に入れ、従業員もいて、さらに莫大な資金まで手に入ったんだから!
「明日、街に出てお店の飾り付けを買おうな、クロ、モチ!」僕は二匹のペットに向けて満面の笑みを見せた。
クロはふわぁと大きなあくびをし、モチは嬉しそうにぽよんぽよんと跳ね回っていた。
――しかし、僕は知る由もなかった。その夜、『魔王の化身』が呪われた館を占拠し、戦闘の音一つ立てずに災害級のスライムをあっさりと討伐したという噂が、すでにアルテラの街中に広まりきっていたことを。軍隊と冒険者ギルドが、迫り来る国家規模の脅威に対処するため、深夜に緊急会議を招集していたことなど……!
僕の可愛いペットカフェ……無事にオープンできるのかな!?




