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異世界で可愛い動物カフェを開店したのに、なぜかみんな僕を怖がるんですが!?  作者: ファースト


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3/7

第2話:異世界での初めての食事。なんでこんなに店内が静かなんですか!?

クロを抱えながらアルテラの街の通りを歩いていると、お腹がグーグーと鳴って、早くご飯にしてくれと抗議してきた。でも、一番奇妙だったのは……僕がどこへ向かって歩いても、混雑した群衆がまるでモーセの海割れのように道を開けてくれることだ!中には路地裏に飛び込んで避ける人までいる。


この街の人たちって、観光客に対してこんなに礼儀正しいの?なんて素晴らしい街なんだ!


やがて、一軒の飲食店の前で足が止まった。看板には見慣れない文字が書かれていたが、異世界のスキルか何かの理解力のおかげで『牙付き猪の宿亭』と読むことができた。香ばしい焼肉の匂いが鼻をくすぐり、よだれが出そうになる。


よし、この店にしよう!僕は機嫌よく木の扉を押し開けた。


「いらっしゃいま――ひっ!!」


シーン……。


大声で語り合い、楽しそうにグラスを合わせていた店内の騒がしさが、僕が足を踏み入れた瞬間にピタリと止んだ。筋骨隆々の冒険者も、商人も、ウェイトレスでさえも、店にいる客全員が目を見開き、まるで石化の呪いにでもかけられたかのように体を強張らせて僕を見つめている。


えっ……僕、何か悪いことした?それともこの店、ペット同伴NGなのかな?


「あの……すみません。ここって、猫を連れて入っても大丈夫ですか?」僕は薄く微笑みながら尋ねた。


すると、顔中に傷跡がある巨漢の店主らしき男が、カウンターの奥からガクガクと震えながら歩み出てきた。額には大粒の汗を浮かべ、ドスンッと床に膝をついたのだ!


「だ、大丈夫でございます!い、偉大なる御方よ!ま、魔虎……いや!ね、猫のどの種類をお連れになっても構いません!ど、どうか我々の命だけはお助けを!」


ちょっと待って、お兄さん、なんで土下座してるの!?それに命乞いってどういうこと?僕はただご飯を食べに来ただけなんだけど!


「えっと……じゃあ、この店で一番美味しい料理を二人前お願いします。お腹いっぱい食べられるやつで」僕はこれ以上彼を緊張させないよう、できるだけ普通に振る舞おうと努めた。


「か、かしこまりました!すぐに献上いたします!」


店主は光の速さで厨房へ駆け込んでいった。一方、他の客たちは一人、また一人とこっそり席を立ち、忍び足で店から出て行く。中にはテーブルに金貨の入った大きな袋を放り投げ、一目散に逃げ出す者までいた。


なんだこれ、この店って随分と変わった接客をするんだな。それとも僕がVIP客扱いされてるってこと?まあいいや、順番待ちしなくて済むし快適だ。


5分も経たないうちに、巨大な皿に盛られた料理が運ばれてきた。大きな焼肉は食欲をそそる匂いを放ち、見たこともない付け合わせもすごく美味しそうだ。僕は肉の塊を切り分け、小皿に乗せてクロの前に置いた。


「ほら、お食べ、クロ。いい匂いの焼肉だよ」


クロは少し匂いを嗅いだ後、口を大きく開け、その巨大な肉の塊を一口で丸呑みしてしまった!おおっ、結構食べるな。よっぽどお腹が空いていたんだろう。


僕も美味しく料理を平らげながら、ペットカフェを開くための場所を探さなきゃいけないことを思い出した。そこで、部屋の隅でまだガタガタ震えている店主に声をかけた。


「店主さん、この街でどこか空いている土地や建物をご存知ないですか?ペットカフェを開くための場所を探しているんです」


「ぺ、ペットカフェ、でございますか!?」店主はさらに顔面を蒼白にし、ゴクリと唾を飲み込んだ。「も、もし偉大なる御方が……軍勢……いや!ペットを集めるための広大な土地をお求めでしたら……街の北側に、巨大な廃屋となった館がございます!き、強力な呪いがあるという噂で誰も近づきませんが、あなた様にとっては、そんなもの些細なことかと……」


廃館?呪い?ちょっと怖い響きだな……でも待てよ!大きくて誰も住んでいない館ってことは、敷地も広くてペットを飼うには最高の環境じゃないか!しかも廃墟なら、タダか格安で手に入るに決まってる!


さすが異世界、完全に運が僕に味方している!僕は最強というわけではないけれど、ペットカフェ業界の頂点に立ち、絶対的な力を持つ最高のカフェを作ってみせるぞ!


「お兄さん、ありがとう!ところで、お会計はいくらですか?」僕はそう言いながらお金の入った袋を探そうとして……ハッと気づいた。

この世界の通貨を、一銭も持っていないじゃないか!やばい!


「お、お代は結構でございます!偉大なる御方のアルテラへの歓迎の印として!ど、どうかこの店だけは壊さないでください!」店主は必死に手を振った。


二重の幸運!この街の人たちは道を譲ってくれる上に、タダ飯までご馳走してくれるなんて!この世界は社畜にとって間違いなく天国だ!


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。ごちそうさまでした!行こう、クロ。僕たちの館を見に行こう!」


「ニャー!」


僕はクロを抱き上げ、上機嫌で店を後にした。

僕が扉の外へ出た後、店主や隠れて様子を伺っていた人々が床にへたり込み、魔王の魔の手から奇跡的に生き延びた安堵で泣きながら抱き合っていることなど、知る由もなかった。

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