「仲間参入!」
酒場に向かうと見知った顔に出会った。
「カイト君お疲れ♪相席いい?」
紫色の髪をした職業は【騎士】のカイト君、本名は確か・・・【カイト・ヴァリア】だったかな?
「おはよう、もしかして仲間探し?」
目の前に座るとカイト君は清涼感のある笑顔で私にジュースを奢ってくれた。
「えへへ♪ありがとう〜仲間になってくれるのかなー?」
ウィンクして目でお願いしますと頼むと快く引き受けてくれた。
「契約金は千ベルでいいかな?今回は六ヶ月なんだ」
予定の場所と時間を教えるとカイト君はニコッと笑った。
「それなら五百円ベルで」
「いいの?本来なら千五百ベルぐらいじゃない?」
全然気にしないよとジェスチャーした。
「後は癒し手が欲しいな」
周りを見るもそれらしき人物はいない、まさか全員雇われたかと危機感を感じて外に出てて近くに女の子が蹲りながら食事していた。
声を掛けようとしたがカイト君に急かされ教会に行くのを先決する。
☆★☆★ 教会
ビッグシスターに話を通すと危惧していた事態が起きた。
「最近モンスターが増えて癒し手が足りなくて国も困ってるみたいね、届け人・・・悪いけど今日は癒し手無しで頑張りなさい」
「むり!」
私は即答した、3ヶ月の間傷だらけで病気や魔力不足で行きていけるほど道のりは簡単じゃない。
「うるさい、さっさと行きなさい!」
だが泣きついてもビッグシスターは追加の資金だけよこして蹴り飛ばされ追い出された。
「あいたた、取り付く島もないな」
蹴り飛ばされて地面にぶつけて置きながらお尻を擦るとカイト君もシイナも不安そうに腕を組む。
「癒し手が居ないのなら・・・【キリの雑貨店】に行くしか・・・」
カイト君はあの憎き店を提案する、私は唸りながら溜息を吐く。
「うぅ、あのボッタクリ店で買い物だなんて・・・」
キリの雑貨店は品質や効果性が高いことでも有名だが、ボッタクリ店として悪評も絶えない事で有名だ。
「今回はおいくらボッタくられますかね?」
「骨までしゃぶられそうだ・・・癒し手がいないときっと大喜びするぞ」
「はぁ・・・なんとか良い値で買わせて貰えるように交渉の準備だけしておこうかな」
三人は重い足でボッタクリ店であるキリの雑貨店へ向かった。