「徒花村」
そろそろこの村から出ようと身支度を整えて部屋を後にすると近くから悲鳴が聴こえる。
宿屋の受付にいたユイちゃんがおばさんの死体を見て絶句する。
「うそ・・・なんで??」
すると外から来たカイト君も大慌てに私を呼び出した。
仕方なく外に出るとそこには村人全員が顔面に花を咲かせて亡くなっていた。
徒花村にはこれ以上無いくらいに花が咲き誇り色鮮やかな村になった。
奇しくも私達はあれを見て美しいとかんじてしまった。
☆★☆★ ポルクス地方まで一週間。
私達は徒花村を離れてポルクス地方に向かう道中、私は他の人達から聞いた情報を伝えた。
徒花村の住民は体内にある【命の花】が尽きると死んでしまう。その花は太陽の光を浴び続けることにより維持することが出来る。
浴び続けないと命が尽きる。ここ最近は曇りが多く、太陽を浴びる時間が減り、命の花が尽きてしまったのが原因。
「でも安心して、あの人達また光合成して命の花が裂くとまた動き出すから」
「だからあの村は一面が花畑だったの?」
「死ぬとその人達の目玉が種になって新しい花を咲かせるっていう話だからちょっと私も内心ドキドキしてたんだ♪」
「い、生き返ると目はどうなるんですか?」
「生き返ると同時に生えてくるよ」
「ひっ!?」
「危ない村ではないのですか?届け人様?」
「ぜーんぜん?お花の擬人態みたいな人達だから此方から危害を咥えなければ平穏無事に暮らせるよ♪」
皆は摩訶不思議な出来事にその話で持ちきりだった。
私は情報に少し疑問に思った、身体は人間、でも心臓は花特有の活動している。
村人に触れた時も肉も骨もあった。確かに人間そのものだった。
・・・彼らはどうやって人間の姿になれたのか、その実態は謎のまま。
私が推測するなら・・・生きた人間を花で侵食した生命体がいるんじゃないかと考える。
有為転変は世の習いって言うのかな?そんな生命体がどの時代に生まれてもおかしくない。
私はそれを何度も見てきたから。




