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とある天使の黙示録  作者: 白石雅紀
1/1

プロローグ

僕の名前は甘杉あますぎ 進次郎しんじろう


警視庁生活安全課のデビザー監察課の保安員だ。



デビザー監察課とは、2021年に大流行した新型レロナウィルスによって誕生した怪人たちの情報を集める警視庁の部署だ。


「はあ、またデビザーの書類とか嫌になるな!」


手渡された書類を見ながら僕はオールバックの頭に手をあてる。

「早く終わりたい。はあ、デビザーがかわいいとかいってた僕を殴りたい」


デビザーとは、人間でありながら超人的力をもつ、怪物たちである。



「はい、進次郎くん。これ。」


僕が、書類整理をしていると、隣で課の先輩がそういって、新たに書類を渡してきた。


「えっ、これを今日中にですか?」


「うん。」


白髪の老人の男がにこやかに笑う。この人は小泉さん。何年も生活安全課にいて、この度配属された。


「よろしくね」


僕はパラパラと書類をめくるより先に


今までにない大量の書類に僕は驚愕する。


「無理っす!こんな量無理っす!」


「最近デビザー発生が多くてね。うち生活安全でもデビザー監察課じゃけん。仕方ないよね。」


老人が、明るく笑う。


「とにかくよろしく」



「はあ。」


僕は相づちをうつと、ため息をつきながら、目をとおしていく。



「全くデビザーこの野郎」




--ーーデビザーの能力は、学者によるとレロナウィルスによるDNA変異である。しかし、さだかなことは未だ不明であり謎に包まれている。


国がかなり金を注ぎ込んだが、 まるで進展がなく、



ある日前政権運営者が国民の不安を受け入れるといい、何故か政権が交代。

そして今の新首相が誕生した。

その男首相はいった。「レロナウイルスは、ただの風邪の親戚であり、無関係である」とした。


皆何故かそれを通した。


ただ僕はなぜかやつの言葉は嘘にしかみえなかった。



「新政府め!バカなんじゃねえか!こんなに悪党発生しておいてなにが風邪だ!」


僕はぶつくさいいながら書類に、一から不備かないか確認してデータを打っていく。


「くそ、誤字脱字がひでえ!なんだこの文書!誰だよ!これ打ったやつ!あ、やっぱり松本!!………さんじゃねえか!しかたねえ、あとでここだけなおしとこ!」


僕は密かに思い人である、松本和美さんの書類を抜き取り、再度データを作成しなおし、コピーする。




正直そんな重い書類ではない。

ただのデータ。

だからなんのお咎めもない。


松本さんはまだここにきたばかりで、書類整理すらできない。


新人である。 



しかし、これがすごい美人で、高い鼻に整った目、すっぴんでも、男は皆落ちると言われた女性である。


でもお局さんの三枝さんからめをつけられていて、かなりいじわるされているときいた。


ゆえに僕は彼女がどんなミスをしていても、これ以上いじめをうけないよう。自分で一から彼女のためにプリント作成したりしている。


一方で下心もある。だから彼女の前では、出来る男を演出するため頑張っている。




もちろんこういうのはテキストの改竄とか普段からなにがあっても彼女に不利にならないようにしている。


美人には昔から弱いが、あそこまでの美人ならムショに入るぐらいできる気がした。


それにあえていうならこのデビザー監察課。

ただ、街を見回ったり、区のデビザーが発生した場所などの連絡をしたり、情報をまとめている課である。


そしてデビザーに対してある程度好奇心があるが、体力的にあまりない人たちの集まる場所でもある。



すなわち暇なオタク系保安官といわれるほど、偏った人たちが集まっているのだ。


女性陣は、たいがいオタクか、エリートからとばされてしまった男である。


たぶんそれが原因だろう。


かつて体力勝負といわれた警察も、情報収集のため、インテリをかなり重視するようになった。そのせいで、こういうオタク系の採用率がおおくなった。



でも、松本さんは、オタクのそれが全くそれがない。


本当に美しく、とても優しい。一般人だ。


鼻毛とかもない、ムダ毛ケア徹底しててやばい。


あと、すごい甘い香りとかする。


ほのかに香るローズとかやばいぐらいだ。


それに僕がイタズラ心で、ほふく前進をしながら、彼女の周りをはっていても、


優しく「もう、天杉くんたら。ほんと面白いよね」で笑っている。


ちなみに彼女以外にすると、「おい、進次郎、停職くらいたいのか!」といわれる。ちなみにそれは松本さんの近くにいる佐伯園子という女の子だ。同期だ。あまりきれいじゃない。どちらかというと可愛い清楚系。


ちなみに昔、デートにさそおうとしたが、初っ端から上から目線で、かなり文句つけてくるし、愚痴話ばかりだし、あとなんか香水がやばい。ムスクらしいけど、なんかたぶんやばい香水つけてる。ワキガみたいなかおり。でも普段はしないから多分香水。はじめ、女の子とお近づきになれたらと思って誘ったけどが全然性格が顔とあってない上にに、とにかく気ががつよい。


とにかく松本さんがきてから僕は松本さん一筋で生きている。


「はあ、とりあえず、間違いはなおしたぞ。」


まだ僕は彼女に言えていない。


好きだと。だからなんでもできるよと。


あまりにいろいろ僕が甘いせいか、



ただ、局からは、「いい加減、松本さんを成長させなさい!このタコ!」とか言われる。


僕が守る!あんな女に負けるな、松本さん!


「ふー、とりあえず、松本さんの書類は終わった。次は、ん?

佐伯かよ!めんど!」


僕は書類を、みながら、だらつく。



「あーめんどい!帰りたい」


その瞬間、へんな匂いと共に、首元を一気にしめられる。



「おい、甘杉、あんた、松本さんだけやって私の書類はできないの!」


首がしまり、一気に気分が悪くなる。


「やめて!死ぬ死ぬ!」



僕が暴れると、そのおかっぱの女は胸に僕の頭を押し当て言った。


「どうだ、いいかおりだろう!やる気でたか!」


ムスクではない。ワキガみたいなやつだ。また。

それにこのこはいつも暴力で訴えてくる。


「いや、くっさ!なんの香りだ!ムスクとか嘘こくな!」と僕がいうと。


「ムスクだから!フェロモン入りの!」



皆がぎょっとする。


口走った佐伯はすぐに赤面し、白い煙をだした。

そして「何言わすのよ!人前で!!」と体にバスターをかけてきた。


「いや、君が自分で。いや死ぬ死ぬ死ぬ」


匂いが僕の頭をゆらし、意識をとおのかせる。



「てかフェロモンってなに。僕の気力と体力を奪うフェロモン?」



「うるせー!死ね!甘月!」


首元をうでで、締め付けられる。




そのとき


「甘ちゃんになにしてるの?」


どこからかいい匂いがする。ローズだ。松本さんだとすぐにわかる。


「タコ月がいい加減に仕事をしようとしたから、しめてるだけだよ!まっちゃん。」


いらだちながら佐伯がいう。


「そう。佐伯ちゃん、私が甘ちゃんのやつ、やろうか?」


「えっ?」

佐伯が手を離す。


「なんか甘ちゃん。いろいろ仕事かけもってて大変そうだし。私がかわりにやるよ。」


僕は目を見開く。松本さんが気遣ってくれた!さすが僕のプリンセスだ。

しかし、だめだ。彼女にこんな重たい仕事させられない。



「松本さん。大丈夫です!ちょっとつかれてただけです。なに、休んでたですよ!もちろんこの書類、最後までやらせていただきます!佐伯の分もやりとげます!」


「いいの?本当に?私のせいで、天ちゃん。疲れてない?」


彼女が優しい口調で、僕にはなしかける。



「えっ。」


「いつもかなり無理してるみたいだから。プリント直し」


僕は思わず赤面する。




「私のためにいろいろやってくれてるよね。ごめんね」


彼女の目が綺麗に潤んだ。その時男としてのなにか扉が開き、


「いえ、大丈夫ですよ。これは僕の趣味だから。」


と、オールバックにしていた髪をポンとたたく。


「ありがとう。」


彼女が笑う。



「もしよかったら今日晩飯いき・・・・」といいかけたときだ。


佐伯の野郎がが意地悪く、割って入ってきた。


そして悪意ある声で、僕をバカにするように「タコ月は仕事が忙しいから、今日は居残り確定ですね。あ、そうだ。松本さん、今日女子会やるよ!来ない?」といった。


あと佐伯が松本さんのいないところで書類を倍もってきて、僕の居残りは確定した。



「そんなー!!!」


そんな僕の絶叫が警視庁中にこだました。



そして、その晩のことだ。


僕は、帰宅しようと、路地を歩いていた。



「はあー疲れた。佐伯の野郎ゆるせねえ!マジあいつ。何が同期だ。」



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