198・賃貸物件(ペット可)を探そう
スイール様懐柔計画を無事に遂行した猫は、皇都ウォルテのホテルへ戻り、クラリス様達の朝ご飯の準備をはじめた。
浄水宮で長めに話し込んだため、少し遅くなってしまったが……こちらではリルフィ様やサーシャさん達が盛り付けや配膳を手伝ってくれるので、俺はパンとかサラダとかスープとかをまとめて錬成するだけで良い。
本日はりんごのコンポート+シナモンを挟んだホットサンドをメインに、カリカリベーコンとチーズのサンドイッチ、トマト様とブロッコリーのサラダ、コーンスープ、スフレオムレツという西洋系メニューである。
俺はさっき和食を食べておなかいっぱいなので、皆様が食べている間に、スイール様に関するご報告をした。
「水精霊様のお導きで、スイール様にご挨拶をしてきましたが……当代最強の魔導師という評判に偽りはありませんでした。もちろん魔族には及びませんが、人類としてはかなりのもので……魔導師としての才は、ルーシャン様やアイシャさん以上だと思われます」
ほんのちょっとの驚きと、それ以上の納得感が場に流れる。
我々一行の引率者であるペズン・フレイマー伯爵が、ふむと唸った。
「武勇伝の数々は真実だった――という解釈で良さそうですな。人となりはどのような?」
「水精霊様からの祝福を得ているだけあって、悪い人ではなさそうです。いずれ皆様にもご挨拶したいと仰ってましたし、友好的な関係を築けると思います!」
会ったばかりということを考慮して、あえて曖昧な物言いをしたが、俺自身はもうこの点を確信できている。
猫力が高めだったのも幸いであった。
そんなスイール様の『じんぶつずかん』情報であるが――
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■ スイール・スイーズ(28)人間・メス
体力C+武力C+
知力A 魔力A
統率B 精神C
猫力75
■適性■
水属性A 風属性A 地属性B 火属性B
神聖B 空間B 符術A 速読術A 棍術B
主人公補正C 転生特典B
■特殊能力■
・魔力操作 ・トラムケルナの血統
■称号■
・水精霊の祝福 ・皇国の聖賢
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普通にヤバくて草。
……いやいやいやいや。「草」で済ましてはいけない。笑い事ではない!
ツッコミどころは山ほどあるのだが、当代最強の世評は伊達ではないということか……特に適性の量と質がすごい。同じ転生者であるクロード様と比べてもだいぶ優遇されている。クロード様が知ったら「うわぁ……」とドン引きするレベル。
ついでに「主人公補正」「転生特典」という共通の表記からして、クロード様とスイール様は同ルートからの転生なのではないかとも推測できるのだが……この変な適性は「魔力鑑定」では表示されないので、御本人もたぶん知らないはず。
しかも体力と武力に「+」表記がついている。これは「特殊能力などの影響で、大きく変動する可能性が高い」という意味である。実は俺にもついているのだが、その力を発揮したことはないのでよくわかんない。
Cから上に変化するということは、覚醒時(?)の評価はBか、Aか……
……とはいえ、別にどっかで戦闘に巻き込まれる予定はないので、こちらがスイール様に期待するのは「宮廷魔導師としての政治力&情報力」である。それも「何かをしてもらう」というより「何かあった時に助けてもらう」という保険的な意味合いが強い。
あと気になるのは特殊能力、「トラムケルナの血統」か――
リーデルハイン領から王都へと向かう途中にあった巨大な森が、「トラムケルナ大森林」である。ここはピタちゃんの故郷であり、エルフの自治領らしい。
もしやスイール様は、そちらのエルフの子孫……? 耳は長くないが、先祖返りみたいな感じで長寿体質になり、結果としてまだ幼女っぽい外見になっている――とも考えられる。
亜神の子孫でもあるホルト皇国の皇族は、仮に寿命が二百歳前後だった場合、実年齢四十歳の頃に、外見年齢が二十歳前後になるらしい。
スイール様は皇族ではないが、仮に似たような体質だった場合……現在二十八歳の彼女の外見は「十四歳前後」となり、かなり見た目との整合性がとれてくる。
このあたりは推論の段階なので、俺が口にするのは不自然であろう。魔力鑑定に出てこない類の項目だった場合、スイール様本人すら気づいてない可能性がある。
さて、スイール様との正式なご挨拶は後日に回すとして、本日の予定であるが――
実は外交官のリスターナ子爵が朝から来てくれている。娘のベルディナ嬢も一緒だ。
「スイール様との接触も気になるところではありますが……ラズール学園の通行証を手配しましたので、今日は皆様の拠点となる賃貸物件の下見に行きましょう。空き家はそれなりにありますが、居住する人数が多くなりますし、利便性や清潔感など考慮すべき要素を詰めていくと、選択肢はさほど多くありません。早い者勝ちでもありますし、年末にかけて競争になりますので、できれば今日のうちに決めてしまいたいところです」
おうち探しか!
いざとなったら「玄関ドアをキャットシェルターにつなげてしまう」という裏技も使えるので、ぶっちゃけ廃墟でもいいぐらいなのだが、良い雰囲気の借家が見つかればそれに越したことはない。
あ、でも改装の許可は欲しいな……雉虎組に頼んで、水回りを含めた内装関係を魔改造したいし、ついでに拠点防衛用のシステムも構築したい。もし庭つきだったら家庭菜園も――(いつもの)
朝食後、みんなで馬車に乗り、ラズール学園へと向かった。
今回チャーターしてもらったのは、十人以上が一緒に乗れる大きめの馬車である。
いわゆる乗り合い馬車のように簡素なタイプで、装飾などはまったくなく、荷台の左右両側にベンチタイプの長い座席が据え付けられているだけ。
幌は一応あるが、支柱に布を張っただけのいわゆる日除けである。雨が降ったら普通に水漏れしてきそうなやつ。
「このような粗末な馬車で申し訳ありません。この人数で貴人用の馬車を使うと複数台が必要になり、その状態で列をなして学園内を走ると、少々目立ってしまうもので……」
リスターナ子爵はそう恐縮していたが、街の景色はよく見えるし、風は気持ちいいし、猫的にはむしろ大歓迎である。簡素とはいえ日除けもあるから、お嬢様方の日焼け対策も問題あるまい。
ついでに御者がリスターナ子爵とベルディナさんなので、この場で俺が喋りやすいのも利点である。
「私はこういう馬車のほうが好きですけど、目立つと何か問題が?」
「はぁ。新聞部などにかぎつけられると対応で時間をとられますし、貴人への挨拶と情報収集目的で接触してくる輩もいます。一番厄介なのは、来年度の貴族の新入生を狙った売り込みです。露店の飲食物程度ならかわいいものですが、高価な家具や装飾品を売りつけようとする者達もいまして……」
ロレンス様が不思議そうなお顔をした。
「そういう方達が、貴人用の馬車に寄ってくるのですか? むしろ権力者との揉め事を恐れて、敬遠されそうな印象があるのですが……」
「そこは国民性の違いもあるでしょうが、一番の理由はやはり、『ラズール学園』という場所の特異性にあります。売り込みに来る商人達というのも、要するにまだ『学生』の身でして……単なる金儲けのためだけでなく、どんな形にせよ将来を掴もうと必死なのです」
リスターナ子爵が苦笑いを見せた。
「彼らの商魂のたくましさには感心する部分もあるのですが、確かに怖いもの知らずというか……学内ならではの風物詩ともいえますな。ラズール学園内は、治外法権とまでは言いませんが……司法レベルで独自の価値観が根付いています。国が定めた法とは別の『学則』もありますし、貴族と平民が、『学生』という共通項によって、立場の近づく場所でもあるのです」
この解説に、ベルディナさんが補足を加えた。
「良く言えば『貴族の横暴』が通じにくく、悪く言えば『貴族の特権』が通じにくい場所ってことですね。もちろん、平民にとってはどちらも良いことなんですが……私達にとっては、ちょっとだけ、街とは別の価値観が必要になってきます。ホルト皇国の国民ならわかっていることですし、皆様も温和なので大丈夫だと思いますが……他国から来る留学生の中には、戸惑う方もいるみたいです」
ふむ……やはり話を聞いていると、「学校」としての理念に前世由来の価値観を感じてしまう。
ホルト皇国の皇家は亜神の子孫という話だったし、もしその亜神が俺と近い世代の現代人だったならば、その影響もあるかもしれぬ。それこそ学校教育に一家言ある人だったのかもしれない。
あるいは亜神ではなく、初代の学園長かその後援者あたりが転生者だった可能性もある。「学園都市」の実現にロマンを感じて邁進しちゃったタイプとか……
……仮にそうだとすると、我々がこれから向かう先は、けっこうすごいことになっていそうな……気が……
「あ、見えてきましたな。あれです」
城壁。延々と続くなっがい城壁……高さは五メートルくらいなので、その気になれば侵入&脱出の手段はそこそこありそうだが、だいぶ物々しい。
……いや、その先にあるのは「城」ではないから、この場合は学壁……? 学力の壁みたいだな?
「あれは……城塞都市かなんかですか……?」
「魔物の襲来などに備えて、学内に避難民をいれて城塞化できるようになっています。実際、敷地そのものは一つの街と言える規模なので……空き地や自然林なども含めれば、収容能力だけは充分にあります。とはいえ皇都の人口がふくれあがった今、それを行えば、あっという間に物資のほうが足りなくなるでしょうが……」
実はそれは猫が一匹いれば解決できる問題なのだが、フラグではない。いや本当に違う。むしろこの能力はホルト皇国の権力者に知られるわけにはいかぬ……!
オズワルド氏あたりなら「なんかあったら国ごと滅ぼせば?」と気安く言いそうだが、そういう修羅の道はご容赦願いたい。
あと俺一匹がいなくなっただけで崩壊するシステムって、そもそもダメだよね、っていう……レッドワンドの飢餓救済は緊急措置として仕方なかったが、あれを前提にしてはいけないのだ。
やがて馬車が通行待ちの待機列に加わる。徒歩だと通行証を見せるだけのようで、するするとスムーズに流れているが、馬車の場合は簡単な荷物の検査があるようだ。しかし待機中の馬車はそれほど多くなく、すぐに順番が来る。
そしてリスターナ子爵が、門番へ書状を渡した。なんか立派な筒に入った仰々しいやつ。
「外務省のリスターナ・フィオットだ。特務優先で」
「……あっ! は、はい! どうぞ、お通りください」
書状はちゃんと確認したものの、荷物検査をスルーして、あっという間に通された。いやまぁ、見晴らしの良い荷台には我々が乗っているだけなので、そもそも検査する荷物はないのだが。
クラリス様が、御者席のベルディナさんへ問う。
「あの、特務優先というのは?」
「ええと、『事情は明かせないものの、優先的な扱いをする』必要がある時に使う、一種の官僚用語です。もちろん書状の裏付けも必要ですが、これがあると指定範囲がほぼフリーパスになります。上位貴族や国賓の、お忍びでの移動にも使われますが……今回はオズワルド様もいらっしゃいますので、父の上司のヒッチャー伯爵が、即座に発行してくださいました」
初日にご挨拶した、猫が苦手なあの人か! ちゃんとお仕事してくれてありがたい。
というか発行しなくても、オズワルド氏は好き勝手にどこでも転移できてしまうので……その先で「誰の許可を得て……!」みたいな揉め事になるよりは、事前に書類を発行しておこうという先回りの精神であろう。
御者のリスターナ子爵も、前方を見たまま応じる。
「実際、たいへん便利ですよ。先日、学園の不動産管理部へ出向いた折にも、これのおかげでスムーズに空き家を調べてもらえました。通常の賃貸物件以外の、王侯貴族や非常時専用の物件は、これがないと開示してもらえないので……今回はオズワルド様への配慮として、レイノルド陛下から直々に、皇族用の別荘まで選択肢にいれて良いと仰せつかっています」
オズワルド氏がニヤリと笑った。
「やはりあの皇、賢いな。ヴァネッサ嬢の入れ知恵だろうが、魔族への礼節の尽くし方を心得ている」
「ご厚意に甘えて、そちらを借りたほうが良いでしょうか?」
俺が問うと、オズワルド氏は首を横に振った。
「借りても問題はなかろうが、おそらく皇族用の別荘ということは、校舎などから遠い不便な場所にあるはずだ。まずは他を検討してからのほうが良かろう。だが、その上で『選択肢に加えさせる』という気遣いが賢い。『こちらがその厚意を受けた』という形を確実に作れるから、結果的に受けたとしても断ったとしても、どっちにしても魔族相手に良い印象を稼げる」
選ぶ、という行為自体が、強者の特権でもある。
逆に「貧すれば鈍する」とも言うが、精神面、肉体面、経済面での弱さとは、「とれる選択肢が狭まっていく」こととほぼ同義でもあるのだ。
その意味で、「強者に対してなるべく多くの選択肢を用意する」ことは、時として誠意や礼節の証ともなる――という話であろう。
……つまりオズワルド氏の威を借りれば、空き地に都合のいい新築物件とか建てる申請もできそう……?
まぁ、これは「いい物件がなかったら」という話なので、まずは物件を見ていきたい。
大きな門から学園内に入ると、正面には広い石畳の道路。道の左右にはレンガ造りの校舎がいくつも並び、真正面には泉の広場も見える。
制服姿の学生達もいっぱい!
馬車が余裕ですれ違えるだけの道幅も確保されているが、門から入ったほとんどの馬車はその道には進まず、城壁沿いに左右へ分かれていった。我々の馬車も左へと曲がる。
「正面に向かう道は、各校舎や事務局に用がある人達が使います。学生の行き来も多いので、馬車はなるべく他の道を使う感じですね。別に禁止されているわけではないんですが、御者としても気を使うので――で、壁に沿って左の道は商業区、右の道は研究区につながっています。基本的に外周部は馬車用の道で、用がある区画に差し掛かったところで道を曲がる感じですね」
ベルディナさんのガイドたすかる。
歩道も整備が行き届いており、前世日本よりだいぶ道路事情が良い……前世の都市部だと、「車道と歩道の境界が白線一本、歩道の幅は人がすれ違うのも難しい」みたいな地域がけっこうあったが、こちらでは歩道も広め、車道(馬車用)も広めだ。そもそも馬車は、自動車に比べて細かな制御をしにくいため、道幅にもある程度の余裕を確保しないと危険である。
学園内の土地は個人での所有が認められないと聞いたが、それも道路整備のしやすさにつながっているものと思われる。
道行く女学生さんのグループが我々に手を振ってきた。
「あ、ベルディナ! 馬車なんて珍しいじゃん!」
「お客さんの案内中なんだー。来年度の新入生!」
それだけ言葉をかわして、馬車はするすると進んでいく。お友達のほうも「ばいばーい!」とあっさりスルー。後続の馬車もいるので、不用意に止まって渋滞を起こすわけにはいかぬのだ。
社交的な笑顔でそつなく手を振り返していたマリーンさんが、ベルディナさんに問う。
「かわいい子達ですね! お友達ですか?」
「ええ、たまたま同じ講義で知り合った子達なんです。年齢は少しずつ違うんですが、商家の子と、魔導師と、職人志望の子で……ここでは貴族と平民でも近い感覚で仲良くなれるので、将来の人脈作りにも役立ちますし、なにより見識が広がります。といっても、うちは領地もない官僚貴族なので、感覚的にはほとんど平民みたいなものなんですが……来年度は公爵家や皇家の方もご入学されるらしいので、クラリス様達ともお友達になれるかもしれませんね」
……んー。外交的には良いことなのだが、性格的にも良い子であることを祈ろう。
お貴族様はともかくとして、年齢の違うお友達もできそうだし、もし有能人材がいたら将来的にはトマティ商会にスカウトとか……おっと、いかん。この地では(まだ)おとなしくしておく予定なのだ。
さて、賃貸物件の内見。
鍵を持っている不動産担当者とは、一軒目で待ち合わせをしているらしい。そこから先はルークさんもただのペットとして振る舞う必要がある。
とはいえ業者さんには、クロード様とペズン伯爵、アイシャさん達がメインで担当してくれるそうなので、俺はクラリス様、リルフィ様、ロレンス様達とキャッキャしていて良さそう。
やがて辿り着いた一軒目は、商業区の一角であった。
一つの独立した建物ではなく、その区画に「でん!」と建てられた物件の一部である。
その入口付近に、メガネをかけた愛想のいいお爺ちゃんが座っていた。
我々の馬車を見つけるなり立ち上がって、深々と一礼。
「ご無沙汰しております、リスターナ様。不動産管理部のカーチスでございます」
「おお、カーチス殿! お久しぶりです。今日はお世話になります」
どうやら顔見知りだったらしい。貴族であるリスターナ子爵にとっては目下の存在なのだろうが、だいぶ年上っぽいので、言葉遣いに気を使っている感がある。
馬車から降りたリスターナ子爵は、にこにこ笑顔のカーチス氏とがっちり握手をした。その間に、ベルディナさんが馬の手綱を馬留めの柱へとつなぐ。
……ちなみにこちらのお馬さん達は、実はもう俺の『獣の王』で懐柔済みである。ぶっちゃけ、手綱の操作とかしなくても俺の指示通りに動いてくれるため、リスターナ子爵も『今日の馬はやけに扱いやすいな……?』と内心で首を傾げてそう。
「昨日、外務省から物件案内の依頼をいただきまして……そこにリスターナ様のお名前があったもので、驚きました。いつこちらへお戻りに?」
「つい先日です。帰国に合わせて、赴任先のネルク王国から、留学希望の方々をお連れしましてね。こちら、王弟のロレンス殿下です」
「なんと……! 王弟殿下……!? こ、これは失礼を――」
カーチス氏はびっくりした様子だったが、流れで一通り自己紹介を済ませ、すぐに内見へと移った。
「こちらは三階建て、一時期は宿としても活用していたのですが、五年前に共同住宅へと改装しました。その後、某国の貴族の方が、部下達も一緒に住めるようにとまとめてお借りになられまして……その方々が昨年、卒業して帰国されたため、現在は空いております。食堂や水回りは共同ですが、独立した寝室が十二室ありますので、ご要望には合致しているかと……ただ、立地の都合で、少々手狭ではあります」
そう、ここは商業区。
建築物の密集地であり、現在も普通に人通りが多い。家賃の相場もお高めだろうし、本来は丸ごと借りるタイプの物件ではないのだろう。
校舎からは近いし、利便性も良いのだが……
ちょっと周囲に人の目が多すぎるな? いや、別に悪さをする気はないのだが、うっかり油断していると、別の建物の窓から俺がダンスとかラジオ体操とかしている姿を見られかねない。
転移魔法で行き来する機会も多いだろうし、もうちょっと人目の少ない区画のほうがいいかな――
ということで、一応は保留にしつつ、早々に次の物件へと移動。
ラズール学園におけるペット可の物件探しは、こうしてのんびりと始まったのであった。




