161・学祭の朝
クロード・リーデルハインには前世の記憶がある。
ただしその内容は断片的かつ曖昧で、両親どころか自分の名前すら思い出せないのだが、それはまぁ別にどうでもいい。たいした内容でないことは確信しているし、今の人生のほうがよほど充実している。
僻地とはいえ子爵家の嫡男として生まれ、美人の幼馴染や可愛い妹にも恵まれた。
――どちらも怒ると非常に恐ろしいが、怒らなくてもそこそこ恐ろし……いや、有能すぎて怖い、という意味である。
妹のクラリスは頭が良いし、幼馴染のサーシャは単純に強い。惚れた弱みもあるにはあるが、接近戦で普通に歯が立たない。
ついでに王都に来て改めて理解したが、サーシャはおそらく、王都の拳闘場でも上位に入れるだけの実力を持っている。
決して拳闘場のレベルが低いわけではなく、サーシャが――むしろヨルダを含めて、グラントリム家の遺伝子がおかしい。英雄かなにかの末裔だと言われたら素直に納得できる。
クロードとしては内心、「リーデルハイン家よりちゃんとした家系なのでは」と疑っているのだが、これは調べようがないし、仮に調べたところで「へー」で終わってしまう話だった。
閑話休題。
「…………なんで一家総出で来てるんですか……どうして……どうして……」
「クロード様の晴れ姿! 見逃せるわけないじゃないですかぁー」
猫がニヤニヤと笑いながら、クロードの膝をてしてしと叩いた。
この猫の『宅配魔法』のおかげで、長距離移動がまったく負担にならず、クラリスやリルフィ、病み上がりのウェルテルまでもが物見遊山で王都へ来てしまった。
「……秋の社交シーズンは、父上はいつもスルーしているのに……なんで、今年に限って……!」
「レッドワンドとダンジョン関係で、どうしても王都に来ないといけない状態だったので……あ、でもそういうのがなくても、おしのびでこっそり見に来るつもりだったんですよ? キャットシェルターから竹猫さんのカメラを通して見るっていう手段もありますし」
「……見られて困るわけじゃないですけど、見ておもしろいもんでもないですよ……?」
学祭初日の早朝。
寮の自室へ激励に来たルークから、クロードは朝食を差し入れされた。
『集中力を高めるために、炭水化物からブドウ糖をとっておきましょう!』
とのことでおにぎりをもらったが、ネルク王国では米がまともに流通していないため、前世日本人としては普通にありがたい。
また学生の食事は「営業時間内に食堂へ行って、各々が自由にとる」という形式なので、よそで食べても問題ない。街の飲食店へ出向く学生もいるし、自室での飲食も可能である。
「そういうことなら」と、秋刀魚、漬物、しじみの味噌汁という純和風の朝食+生野菜としてトマト様を用意され、クロードはありがたくこれをいただいた。デザートはメロンである。メテオラでとれたもの――の、コピー品らしい。「メテオラメロン」というブランドにしていずれ売り出すようだが、アホみたいな値段がつきそうで少々不安がある。
同室のランドール・ラドラは学祭の実行委員に名を連ねており、早朝からもう部屋を留守にしていた。
クラリス達もまだ宿にいるので、現状はルークと一対一――前世に関する話をしても、他人に聞かれる心配はない。
「そういえばクロード様、レッドワンドで『ダムジー・サイトウさん』っていう人を仲間に引き込みましたよ。名字からして、たぶん我々のお仲間の子孫ですね。トゥリーダ様の補佐役をやってくれてます」
「へー、サイトウさんですか……そういえば士官学校にも『シンザキさん』がいました。こっちは『シンザキ様式』のシンザキさんの子孫でしょうね。実際に血がつながっているかどうかはわかりませんが……」
ネルク王国では、和風の内装がそこそこ広く普及している。畳こそないが、板の床、漆喰の壁、障子や引き戸、靴を脱ぐ土間など、和風建築の風味が随所に混ざっている。
これらを考案した偉大なる建築家が「シンザキ」であり――亜神などではないが、おそらくは腕のいい大工だったのだろうとクロードは推測していた。
ルークが箸で器用にきゅうりの浅漬を摘む。どうやって箸を握っているのか、間近で見てもよくわからない。
「ほう? 士官学校に? 貴族ではないんですよね?」
「ええ、技術課程の子です。別に日本人風の顔ってわけでもありません。ていうか……弓の試技に参加してるんですよ。弓術は槍や剣に比べて、訓練で怪我をしたり顔に傷がついたりっていう事故が起きにくいので、女子がそこそこいるんです。あと単純に、槍と剣は人気があるので試技の競争率も高くて……」
「……おや? そのシンザキさんって女性ですか?」
「そうですね。一つ上の先輩です」
「……参考までにうかがいますが、試技の参加者のうち、女性の割合は……?」
「……えーと。槍は全員男子で、剣は八割方が男子で……弓は七割が女子ですね……」
クロードのせいではない。多少の増減はあるが、士官学校の学祭における出し物「試技会」は、だいたい毎年、こんな状態になる。
王都には「拳闘士」の養成校もあり、体育会系の女子は主にそちらへ流れる。学費も安く環境は整っており、就職にも有利なカリキュラムが組まれている上に、拳闘士としてデビューできれば一攫千金が可能になるとあって人気は高い。
必然、貴族以外で士官学校の技術課程にわざわざ通うのは、文官や商業系の進路を目指す女子になるため――そこで「槍や剣の修行をしよう!」と考える者は少なくなる。
あくまで護身術程度に学ぶ女子はいるが、そのレベルでは試技に参加できない。
そして貴族の男子、もしくは武官や騎士を目指す者は、やはり花形の槍と剣に偏る。
ネルク王国では、伝統的に弓術が地味な地位にあり――どちらかというと、一般兵や狩人、馬車の護衛などが扱う武器という認識だった。
その「一般兵」や「狩人」を志す者は士官学校ではなく兵学校へ行ってしまうため、要するに士官学校における「弓術」は層が薄い。
クロードも上級生や教師達から、「……槍のほうで出てもいいよ?」と、かなり気を使われた。
猫が若干、遠い目をした。
「そんな中で、クロード様が班長……ご苦労されましたね……?」
「…………いえ、あの、そこまででもないですよ? こっちは領主課程なんで、さすがにいじめとかもないですし、そもそも士官学校はちゃんとした学生でないとあっさり退学処分にされるので……思っていた以上に、環境は良かったです。先輩達も含めて、朝練にもちゃんと真面目に取り組んでもらえました」
試技の班長は朝練の指導もやらされる。安全のために教官も同席するが、あまり口出しはない。学校側としては、むしろ班長に「他人に教える経験」を積ませるための場と考えている節がある。
味噌汁の椀を傾けながら、猫が首をかしげた。
「うーん……なんとゆーかホラ、こういう異世界での学園モノだと、権力をかさにきた横暴な貴族が嫌がらせをしてきたり、侯爵家あたりのツンデレご令嬢がいい感じに懐いてきたり、実は敵勢力のスパイをやっているメガネの年上美人教師が適度に誘惑してきたり……そういうイベントってないんです?」
「ないですねぇ。微塵もないです」
あはははは、と笑いあい――揃って肩を落とした。
「……クロード様の学園生活は、なんとゆーか、こう……話を聞く限りでは、地味ですねぇ……勉学以外の要素がまるでないというか――」
「……まぁ、そうですね……そういうお約束とか別に求めてないですし、地味であることは否定しません……いや、でもそんなもんですって。貴族の子弟ってなんだかんだでそこそこ厳しくしつけられますし、軍閥ならなおさらです。下手に嫌がらせなんかしてバレたら大恥ですし、状況次第では廃嫡なんて事態もありえます。なるべく不要な波風をたてず、敵を作るより味方を増やして将来に備える――そういう心得を子供の頃から仕込まれますし、後継者をそう育てられなかった貴族は先行き真っ暗です」
実際、かつては問題がなかったわけではない。士官学校の歴史をさかのぼれば、侯爵家や伯爵家の子息が退学処分を受けた例もあるにはある。
そうした負の教訓が積み重なった上に、今日の安穏たる学生生活が実現しているのだ。
猫が気を取り直すように味噌汁をすする。
「平和なのはなによりですが、試技というのはちょっと楽しみですね! きっとあれですよね? 観客席を備えた石造りの闘技場があって、勝ち抜きのトーナメント形式で、ちょっと因縁のある学生同士で決勝を戦ったりとかライバル同士がぶつかったりとか、意外な伏兵が無双したりとか……!」
クロードはそっと視線を逸らした。
「……すみません。そういうのもないんです。えぇと……剣は明日、槍は明後日、一対一の試合が十試合ずつありまして、それで終わりです。参加者はそれぞれ二十人、勝ち抜きとかはありません。兜と鎧の上に一つずつ紙風船をつけて、これを一つでも潰されたら負け、っていうルールで……場所も校庭の芝生の上ですね。貴賓席はありますが、天幕を張って簡易な椅子を置くだけです。あとは適当に立ち見になります」
猫が「スン……」となった。ご期待に添えなかったらしい。
「………………そういえば、弓はどういう競技になるんです? こちらはさすがに一対一とかではないですよね……?」
「ただの狙撃です。弓の試技は参加者が十人だけでして、皆で横一線に並んで、合図にあわせて、それぞれの正面の的を狙って一斉に撃つ――っていう……アーチェリーに近いですが、『斉射』が基本になります。これを十回やって終了なので、割と儀礼的な雰囲気です。あくまで技を見せるだけなので、順位もつきません。一応、成績には反映されるみたいですけど」
ルークが唸った。
「……むう……華がないとゆーか、質実剛健スタイルとゆーか……」
「伝統行事ですからねぇ……いわゆる『見世物』とは違うっていう、学校なりの意思表示なんだと思いますよ。ただ、それぞれの『班長』だけは、別枠でもう一芸やらされるんです」
「ほう? 別枠?」
「ええ。試技の後で、挨拶代わりの個人技披露を……自分のできる範囲で何をやってもいいんですが、たとえば演舞とか、剣舞とか、兜割りとかですね。過去には『一対三』の特別試合なんてケースもあったみたいです。弓の場合は、より遠くの的を狙ったり、馬に騎乗して走らせながら的を狙ったり……」
「あ。だから『班長』に選ばれるのは名誉なことだって、みんなに言われるんですね! クロード様は何をされるのですか?」
「いろいろ迷ったんですが、正方形の的を九分割して、それを数字の順番通りに射抜いていく、っていうのをやります」
ルークが肉球を叩きあわせた。
「おお、見たことあります! 野球のアレですよね?」
「それです。前世のルールだと数字の順番は関係なかったはずですが、わかりやすくていいかな、と」
他の参加者達も的そのものには当てられるが、「順番通りに」「一本も外さず」となると、現状ではクロードしか成功していない。企画としては難易度もちょうどいい。
この正方形の的を九分割する案は、採用された後、弓術の教官によって「ナインハント」と命名された。
ルークは「楽しみにしていますね!」と言い置いて、一旦、ホテルへ帰っていった。
士官学校の学祭は三日間。
弓術の試技は、その初日の正午に始まるイベントだった。
二日目が剣術、最終日が槍術で、例年はこちらのほうが盛り上がる。弓はどうしても立場が弱い。
クロードも平常心で淡々と流すつもりだったが――
両親、妹、従姉妹と飼い猫、師匠に加えて、意中の幼馴染まで来るとなれば、さすがに緊張は避けられない。
ついでにウサギも一緒に見にくるだろうが、たぶんまったく興味ないと思う。この点だけは気が楽である。他に楽な要素がないとも言う。
……まぁ、弓は問題ない。たぶん普通に当てられる。
実は当初、「クレー射撃」のように、誰かに的を高く投げてもらい、それを狙い撃つ――という技をやろうとしたのだ。
普通に当てられたが、当たった矢がどこに落ちるかわからず危ないと言われ、断念した。
あと「命中率が化け物じみていて逆に気持ち悪い」とまで言われてドン引きされた。
――よく考えたら、アレは散弾銃でやる競技だったような気もする。少なくとも弓で実演するものではなかったかもしれない。
朝食も終えてしばらくのんびりしながら、クロードは昼の試技に備えて『矢』の整備を始める。
彼の命中率を下支えする最大のポイントは、「矢の精度」にある。
弓は使い慣れたものであればいい。当日の気温や湿度、気圧などから受ける影響も無視はできないが、試射をきちんと行えば現在の感覚を掴める。
しかし矢に関しては、それぞれの製造の精度が極めて重要になる。
出来の良し悪しもさることながら、「使い心地のほとんど同じもの」が複数本、必要になる。
だからクロードは、基本的に「一人の熟練職人」が作った矢をまとめて購入している。職人ごとの癖が混ざった矢を的確に使い分けられるほどには、まだ腕が上達していない。
材料の質、軸のしなり、矢羽の調整、重心のズレ――そうした部分を吟味して、「同じような矢」をなるべく選んでいる。
もしも「そこらにある適当な矢をそのまま使え」と言われたら、さすがに命中率は下がるのだ。
試技の仲間達にこの話をしたところ、「矢なんてどれも同じだと思ってた……」などとポカンとされた。
前世には「弘法は筆を選ばず」という格言もあったが、そういった達人からは程遠いクロードは、まだ道具に頼らざるを得ない。
また弓に関しては、不良品や粗悪品となると論外だが、これは「使い慣れたもの」が一番いい。
実際、彼が愛用している弓も決して高価な品ではない。
矢の最終確認を終わらせたところで、部屋にノックの音が響いた。
「クロード、いるか? 外に迎えが来ているぞ」
同じ寮の上級生が呼びに来てくれた。伯爵家の長子で、気のいい先輩である。
クラリス達がもう着いたのかと早合点して、部屋を出て玄関に向かうと――
「――クロード様、おはようございます。クラリス様から、先に合流しておくようにと仰せつかりました」
メイド服ではない、町娘風の衣装に着替えたサーシャが、眼の前で楚々と佇んでいた。
クロードは天に――もとい、妹に祈りを捧げ感謝した。
§
「クラリス様、サーシャさんを送ってきました!」
クロード様との朝食の後、サーシャさんを現地までお送りした俺は、敬愛する飼い主にそのご報告をした。
「ありがと。兄様は緊張してなかった?」
「たぶん大丈夫だと思います。試技会とゆーのがどういうものなのかも聞いてきましたが、弓の場合は『斉射』だそうで……そんなに時間もかからないようなので、ついでに学祭見物も楽しめるかと思います!」
「そう。でも今日は、サーシャと兄様の時間を大切にさせてあげたいから……私達は別行動だよ?」
「心得ております!」
我が主はやはり気が利く!
リルフィ様も、そんな頼もしいクラリス様を見て微笑んだ。
「クラリス様のような妹がいて、クロード様は果報者ですね……サーシャも嬉しそうでした。そういう感情をあんまり表情には出さない子ですが、やはりクロード様とは昔から気心の知れた仲ですし……子供の頃は、本当にいつも一緒にいましたから――」
うむ。サーシャさんがメイドとして雇われたのはつい去年のことらしいが、そもそも騎士団長の娘であり、クロード様とは幼少期から良き友人関係だったと聞いている。
貴族と使用人の結婚はこの世界でも珍しくないらしいし……まぁ、先代の陛下と第二妃のような「それはアカンやろ」という例もあるにはあるが、「騎士団長の娘」と「子爵家の跡取り」ならば、「身元が確か!」という要素も含めて、むしろ推奨されるくらいの関係性である。
……が、我が主たるクラリス様の慧眼はもう少し先を見ていた。
「……リーデルハイン家が伯爵家になった場合、その時点で兄様がフリーだと、下級貴族からお見合いの話が殺到しそうだし――場合によっては、断りにくい相手からの縁談も有り得ないわけじゃないから。そうなる前に、サーシャにもそろそろ決心してほしいの。兄様のほうはもうちゃんと告白もして好意を表明しているんだから、あとはサーシャ次第。『婚約者がもういる』状態なら、たとえ王家からの縁談であっても、断ったところで失礼には当たらないし」
これもまたネルク王国の慣例とゆーか、一般常識であるらしい。
「…………ついでに士官学校の人達にも、兄様とサーシャが一緒にいるところを見せつけて、いるかもしれない泥棒猫を牽制しておかないとね」
……………………し、深慮遠謀……我が主は、そういう策謀を何処で学んだの……? もしやウェルテル様も意外とそんな感じだったり? たぶんサーシャさん本人はそこまで深く考えてないよ?
リルフィ様もちょっとだけ唖然としていたが、やがてわずかに首をかしげた。
「サーシャも、クロード様には好意を持っているものと思っていましたが……逆にどうして迷っているんでしょうね……? 特に障害はないように思うのですが――」
「好き嫌いの問題じゃなくて、サーシャはサーシャで、自己評価が低すぎるの。自分に領主の奥さんなんて務まらない、って。だけど領主としての仕事をするのは兄様だし、兄様にはサーシャみたいなしっかりした子が必要だし、そもそもサーシャ自身がすごく優秀なのに自分では気づいてなくて……」
……ルークさんとしては、正直、その感覚はわからんでもない。
とゆーか、そもそもリーデルハイン家はライゼー様、ヨルダ様を筆頭に有能人材が多すぎるのだ。
そのため「普通」の基準が、彼ら有能人材に準拠したものとなってしまい、サーシャさんの感覚では「自分なんて全然……」という感じになってしまったのだろう。
……でもステータス見ると、『武力B』の時点でサーシャさんも充分やべぇ人なのだが、田舎のリーデルハイン領ではその技能を生かせる機会もあんまりないし……まぁしゃーない。
クラリス様は、猫がお出ししたカフェオレを優雅に味わいながら、わずかに嘆息した。
「陞爵なんて話さえなければ、兄様とサーシャのペースにまかせるつもりだったけど……いざ伯爵家なんてことになったら、サーシャはますます萎縮しちゃうから。ルークも力になってあげてね?」
「はっ! 承りました!」
具体的に何ができるとゆーわけでもないが、陰からこっそり見守ったり、ちょうどいいタイミングでスイーツをご提供したり、ペットの立場でご相談に乗ったりはできる。昨今のペットは忙しいな……?
しかしトマト様の覇道のためには、次代のリーデルハイン領当主たるクロード様のご協力も欠かせぬ。これは決して野次馬根性などではなく、将来へ向けた大事な布石なのだ!
……それはそれとしてウェルテル様からも「進展があったら教えて♪」という極秘の指令も受けているのだが、まぁ……他の母親であれば「思春期の息子にもっと配慮を!」と苦言を呈すところなのだが、一度は肺火症で死を覚悟した身でもあり、家族の節目が楽しみで仕方ないのだろう。
その気持ちは理解できるので、今回ばかりは猫もウェルテル様の味方である。
別に竹猫さんを仕掛けているわけでもないので、実際どうなったかはクロード様から直接聞くしかないのだが――いずれ落ち着くところに落ち着くであろう。そんなに心配はしていない。
かくして我々は、サーシャさんより少し遅れて、王立士官学校の学祭へと向かうのであった。
台風近づいてきてますね……皆様ご安全にー(´・ω・`)




