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ビル

「それで? アテはあるのか?」


 詩音の問いに、


「あの男を殺さなかったのは泳がせるためッス。GPS付けたし、昨日大方の情報は得たし、行けるっしょ!」


 気合い充分と言った感じで、端末を操作しながらセルイが言う。

 しかし、


「じーぴーえすとはなんだ?」


 詩音の言葉に一気にめんどくさそうになる。


「一から色々教えるのも大変なんスけどね……。要約すると、相手の位置がわかる代物っス」


 セルイの説明に、


「なるほど。追跡魔法のようなものか?」


「まあそんなもんス」


 詩音が理解しただけマシかと思いながらセルイ達は歩いていく。

 着いたのは小さな3階建てのビルだった。


「ここっスね。さぁて、何が出るやら!」


「なんだここは? 高い建物だな!」


 各々の感想を言うと、セルイが咳払いをし、警戒しろと言った表情をする。

 詩音も頷くと、聖剣を握り直し、二人はビルに入って行った。


****


 ビル内は静かだった。

 夜遅くであることも理由だろうが、それ以外にも、セルイ達を招き入れるかのような雰囲気を醸し出していた。


(さぁてどう来る?)


 セルイが考えながら進んでいると、詩音が叫ぶ。


「セルイ! 上から何か来るぞ!!」


 言われて上を見ると、そこには機関銃があった。

 銃口が向けられ弾が放たれる。


「やっば!! 聖騎士様! 攻撃が止んだら一気に行くッスよ!!」


「了解した!」


 二人は弾切れを待ちながら壁に隠れやり過ごし、銃弾の雨を切り抜ける。

 そして、弾切れになったところで、セルイを足がかりにして、詩音を持ち上げ、上へ飛ばす。

 そして、詩音の剣撃で機関銃を破壊した。

 間髪入れずにセルイが言う。


「このまま上まで突っ切るッスよ!」


 そう言うと、階段を上りながら、武器を持って出てきた手下達を、セルイがクロウダートで牽制し、その隙に詩音が剣で切り裂いていく。


「やるっスね! さすが聖騎士様っス!」


「……褒め言葉として受け取っておこう」


 そんなやり取りをしていると、最上階に到達した。広い部屋に荘厳な椅子に座っている金持ちそうな男とその横に立つボディーガードらしき人物がいた。


「よく来たな、死なずのセルイ。本当に死なんのう。それも魔剣のおかげか?」


 見当違いの言葉に、セルイは頭が痛くなる。


「だーかーら! 持ってねぇっつの! わかんねぇおっさんだな!」


 苛立ちを隠さないセルイに、詩音も緊張した面持ちで言う。


「なぜ貴様が魔剣を欲しているかしらんが、本当にセルイは持っていないぞ!」


 だが、その話を聞いた男は、大笑いをし、


「魔剣でないなら、何故お前は生きている? 殺しの精鋭達を送りこんだのだぞ!? なのにターゲットはピンピンしていて、精鋭達は軒並み失血死! コレが魔剣でないなら、吸血鬼だとでも言うのか!?」


 馬鹿にしたような笑い声をする男に、実は大正解なんだけどなぁーと心の中で思うセルイ。


「セルイ、コイツらはもしかして馬鹿なのではないか?」


 詩音のツッコミに、セルイは頷くと、チィトゥィリ・アルージェをセットする。

 そして、


「さぁ魔剣をよこせ! さもなければ死ね!」


 ボディーガード以外の男達もゾロゾロと出てきた。


「ここからが本番ッスよ! 詩音!」


「ああ! 任せろ!!」


 二人は背中合わせとなり、攻撃に備えた。

 そして男達が襲いかかってきた。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  主人公の設定。吸血鬼の真祖は引かれますね。それをどう活かしていくか気になります。 [気になる点]  文章の脈絡や流れでしょうか? 没入が少し難しいです。
[良い点] ・『ッス』言葉の吸血鬼が今風。 チェーンソーマン等を思い浮かべる。 ・ディストピア的雰囲気。 ・なろう的可読性への配慮。 [気になる点] ・文章作法の導入が課題 ・主人公二人の目的が無い。…
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