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成功を約束する剣

「どうしてそんなにこの剣にこだわるんスか?」


 セルイの言葉に聖司が言う。


「それはね? その剣が成功を約束する剣だからさ」


「成功を約束する剣? そんな機能ついてないはず……」


 疑問符を浮かべるセルイに、


「君は知らないだろうけど、この剣を手にした者は次々と成功を収めているんだ。初代魔剣保有者からずっとね」


「!!」



「だから、僕にはその魔剣が必要なんだ。神さまとしてね」


 聖司の説明に、セルイは頭をかくと、


「んーんー!! 理由はわかったっス! でもそれならなんでオレ達を狙ったんスか?」


「それは足立の独断だね。君達を巻き込めば、魔剣をスムーズに探せると踏んだんだろう。実際、君達は魔剣を手にしているし、あながち間違いではなかったね?」


 聖司の言葉に詩音が反応する。


「それでは、J殿を襲ったのは何故ですか!?」


「そこについては僕も知らないよ? 本当さ」


「! つまりこうっスか? Jを襲ったのはまた別の連中と?」


「そう言う事だね。そっちの方は引き続き調べておくよ。約束したしね。神さまは約束を守るんだ」


 ニッコリと笑う聖司を見て、詩音が聞く。


「父上……いえ、南部殿。どうして、神さまをやり続けるのですか? いや、何故私達の元へ帰ろうとなさらないのですか?」


 悲痛な面持ちのシノンに申し訳なさそうにして、


「……僕はね? 帰る方法がわからないうちに神さまとしての役目を与えられた。そして、リセも産まれた。……率直にいうよ。僕は神さまであり続けるために、元の世界を……君達を捨てたんだ」


「なら、何故剣に『私は聖にいる』などと書き残したのですか!? そして、何故リセに姉がいると話たのですか!?」


 詩音の質問に、聖司は微笑みながら、


「なんでだったかな。……忘れてしまったよ。……いずれにせよ、今の僕は南部聖司。ハンナ教団の神さまさ」


 聖司のあっさりと、でもはっきりした言葉に、


「そうですか……。なら、私も覚悟を決めましょう! 聖騎士として、貴方の間違いを正します!!」


 詩音の力強い言葉に、聖司は目を細めると、


「僕の間違い……か。そうだね。確かに一人の人間が神さまになるなんて馬鹿げているよ。……なら、その聖騎士の誇りで、僕を止めてみなさい」


「!! 必ずや!!」


 そう言う詩音に優しげな笑みを浮かべた後、セルイの方へ向き、


「それじゃ、そろそろ魔剣を渡してもらおうか?」


 そう言うと聖司はセルイに近寄り、魔剣を寄越せと手を差し出す。


「……。わかったっスよ。そのかわり……聖リントの残党については頼んだっスよ?」


「わかっているさ」


「ならいいっスけど。はい」


 そう言うとセルイは魔剣を聖司に渡した。


「 ありがとう。それじゃ魔剣はたしかに預からせてもらう。そして、今後君達にちょっかいをかける奴が出ないようにする。それじゃあ、失礼するよ」


 それだけ言うと、無言のリセを連れて二人は闇に紛れて行った。

 しばらく無言の時間が流れた後、シノンがおもむろに言う。


「……なぁ、本当に魔剣を渡してよかったのか?」


 セルイは頭をかきながら詩音に言う。


「そう言う詩音こそ、親父さんを止めるなんて言ってよかったんスか? そんな事してたら、元の世界へ帰れなくなるかもしれないっスよ?」


「……聖騎士の誇りと私達母娘を捨てたあの男を。どんな理由があろうとも……人間が神を名乗る蛮行を許す訳にはいかない。それが聖騎士としての私の……いや、剣聖のホワイトパールの娘としての責務だと思う……のだ」


 詩音の答えにセルイは、


「……そうっスか。そこまで言うならもうオレからは何も言わないっスよ!」


 そう言うと、セルイが詩音の頭をわしゃわしゃと撫でる。


「!! 子供扱いするな!!」


 そうやって手を叩かれると、ニヤリとセルイが笑い、


「そんじゃま、魔剣の件は一旦終わって、と。……どうします?」


 話を切り替えるセルイに、詩音が言う。


「それなんだが、南部殿に任せるだけでなく、自分達でも調べた方がいい……と思うのだ。……聖リントの跡地に行ってみないか?」


 詩音の提案に、セルイが唸る。


「んん? そんなとこ行ってどうするんスか?」


「父上の剣はもう手元にないが……だからこそ読み取れるものがある。……かも知れないと思ったんだ」


「なるほど〜。まぁ、試す価値はありそうっスね!」


「だろう!?」


 キラキラした顔で言う詩音を見て苦笑いを浮かべると、


「でも、もう夜遅いんで! やるのは明日にするっスよ! オーケー?」


 セルイの言葉ではっ! とした顔をすると詩音は、


「む。確かにそうだな。隠れ家に戻るか」


 そう言って二人は、隠れ家に戻っ行った。

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