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反撃の狼煙

 城から細い煙が立ち昇る。


「合図の狼煙です」


 左右で同じ言葉が静かに響いた。


「よし。皆、準備はいいか?」


「はっ」


「行くぞ。氏顕の軍に負けるなよ」


 隆顕の顔が悪戯っぽく笑う。



「皆の者、覚悟はよいか?」


「おう。」


「よし。父上の軍に遅れを取るなよ」


 氏顕が生真面目に言う。



「かかれ─!」


 左右で寸分違わぬ言葉が大きく響いた。


「うぉ──!」


 左右の兵が寸分違わぬ雄叫びを上げた。


 


「申し上げます! 左右から伏兵です! その数およそ3000から4000です!」


「馬鹿な! 田村にそこまでの動員力がある筈無かろう! 援軍か?」


「率いているのは民部少輔殿と善九郎殿です!」


「どうなっておる? 何故そんなに兵がおるのだ!

6000から7000はおるではないか⋯⋯」


「殿! 考えるのは後です! 退却のお下知を!」


「そ、そうであったな。皆の者、退却じゃ─!」


 烏合の衆である連合軍であったが、後先考えず撤退命令を出したため、農民兵が大半の軍は、蜘蛛の子を散らすように瓦解した。



   二階堂、大内両軍、総崩れとなる

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