戦(受け身)
攻められる事に怯えるのにも飽きて、最近はのんびり過ごしてたのに、田村家攻め込まれました。
相手は二階堂と大内の連合軍らしい。
どうやら畠山氏の再興を名分として、どこからか自称血縁者を連れて来て担ぎ上げてるみたい。
当の義国さんが全く望んでないのに。
義国さん曰く、
「そのような者がいる事は聞いたことがない」
そうです。そして、
「畠山の名を騙り、あまつさえ田村に刃を向けるなど、言語道断」
だそうで、絶賛ガチ切れしておられます。
これで自称が僭称に変わった。
そして二本松さん、いつの間にか田村への愛が溢れてます。
あんた領地攻め取られたのに⋯⋯笑
ってか、相手は二家の連合軍だけど、大丈夫かな?
『当家も二本松様の領地を得てますので、あくまで単純な計算ですがそれほど兵力差はございません。
あくまで単純な計算ですので、先の戦の損害などを考慮すると、実際は当家が少し寡兵と言ったところでしょうか』
おー、なるほど。寡兵ね─。
って劣勢じゃん。大丈夫か?
『寡兵と言いましてもわずかですので、籠城なされば問題ありませんかと』
城に攻めて来られるのはちょっと怖いけど、それなら安心なのかな?
そんなわけで今、三春城は迎撃の準備でてんやわんやです。
ただ、一つ気になるのが、
後詰が無い
『後詰が無い』
あ、やっぱり。晴もそう思う?
『はい。後詰が無ければ、攻城側は囲んでいるだけで相手が弱って行くので、それを待てばいいだけです。
殿もそれは当然わかっておられるとは思いますが』
父上はどう思ってるんだろう。
そろそろ方針の説明があるはずだ。晴が母上に呼ばれて行った。城の女性の方針も決まったようだ。
俺は相変わらず蚊帳の外だけど。