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少女とのふれあい

 俺の名は、佐藤渉さとうわたるごく普通の高校に進学、ごく普通の大学を卒業、中小企業に就職、そして、結婚、30台でマイホームを建てて、順風満帆まではいかないが、人並みの人生を歩んできた。

そんな俺の唯一の趣味がパソコン、ハッキングまではできないが、それなりの知識があって、かつて話題のファイル共有ソフトなどもやっていた。しかし、この御時世、変なものを持っているだけでも逮捕ということもある。小心者の俺はそんなやばいファイルは真っ先に削除、持っているはずもなく、アングラサイトを読んでは悶々とした日々を送っているのが事実だった。ネットで閲覧できるコミックの中、特に同人誌の普及でそっち系も中々なものになっているのはわかっているのだが、何せ、妻がいる身、公にはそんなこともできず、人生はこんなものだと決めつけて生きていたのだった。そんな俺の唯一遊べる世界、そう、スマホの無料VRゲームや擬人化ゲーム、課金はできないがそれが唯一の俺の趣味といってよかった。

 そんなある日だった。俺はVRゲーム掲示板を見て伝説のモンスターをゲットしようとその場所まで行った時のことだ。車が止められない場所とあって近所のスーパーに止めて、歩くこと3分、その途中で一人のランドセルを背負った女の子が座り込んで地面に何か絵を描いていた。


「どうしたの?」


「実は今日、鍵を忘れたの。だから、ママが帰って来る7時までは、外にいるしかないの」


そんな切ない言葉をかけられて、おもわず胸がきゅんとなった。しかし時間がない。どうする?このまま。この女子をここに一人にしていて大丈夫なのだろうか。しばらく悩んだ揚げ句、俺はモンスターの時間を優先することにした。


「ね・・・これから、モンスターをとりに行くんだけど、一緒に来ない。ここで一人だと危ないから。あ・・大丈夫だから、10人くらい仲間がいるから怖がることないよ」


寂しかったのだろうか、女の子は笑顔で


「うん・・・わかった」


そう言ってついて来てくれた。そして、俺は、約束のモンスターをゲット出来たんだけど、時間はまだ5時半。という訳で、女の子を連れて、近くのスーパーで時間を潰すことになった。


「ここで待っていてね」


スーパーにはイートインコーナーがあり、そこで少女を待たせて、簡単な飲み物と食べ物を買って来てやった。すると少女は、


「ありがとう・・・」


うれしそうに、飲食を始めた。そして、


「俺は、佐藤渉。君は?」


「あ・・・桜木悠里さくらぎゆうり。小学4年」


「ゆうりちゃんか・・・今日は、引っ張り回してごめんね」


「ううん・・・楽しかったし~、わたしも、そのゲームしたいな」


こうしていること自体が他人から見ると犯罪に当たると思われる。とりあえず時間が来たら元の位置へ送ろうそう考えていた。

楽しい時はあっという間に過ぎて、彼女を送る時間なった。


そして、俺に大事件が起きるのだった。


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