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マジ、最悪

ちょっとグタグタかもしれませんが、読んでみてくださいませ!!!

「『こうして世界に光が戻りましたとさ、おしまい』」


薄暗い部屋の中、小さな女の子の声が部屋にこだました。薄暗い部屋の理由は明かりはベットの横にあるスタンドが小さくついているだけのような部屋だからだ。

ベットの大きさはかなり小さめで、子供が2人だけで寝ている。狭いのか、肩と肩をぶつけながら寝ているのだ。

寝ていると言っても、寝付けなかったのか本を読んでいる。

肩と肩をぶつけて本を読んでいる二人の女の子は、よく顔を見ると似ているのが分かる。

きっと一卵性双生児ふたごなのだろう。

双子の女の子達はなにやら本を読み終えたのに不満げです。

「なんで、ここでおはなしがおわっちゃうのよ・・?」

「でも、ここには『おしまい』ってかいてあるんだもん!」

「そんなのみたらわかるから」

「じゃあなんで、おわっちゃいやなの?」

交互で話す双子は不満を言いながらなんで自分は不満なのか分かりません。

しばらく時間がたつと一人の双子が言いました。

「おはなしはなんでおわりがあるんだろう?おわったあとのおはなしがよみたいなぁ」

物語には終わりがある、それは「絶対」といっても過言のないことであろう。

しかし、小さい双子は勇者が世界を救ってお姫様を救っておしまい、なんて物語のおしまいは望んではいなかったのだ。

この後の物語を知りたかったのだ、勇者はお姫様と結婚するから王様だろうか?それともお姫様にはお兄様がいたからその人が王様だろうか?もしそうだとしても、魔王は500年に一度目を覚ますから、誰がそのとき魔王を倒すのだろうか?

なんて誰も考えないようなことを幼い双子は考えてしまったのだ。


こんなお話は約10数年前の話である。



時は進み双子は美しく成長した・・・・というよりはふつーの社会人に成長した。

双子の名前は、姉の「神上かみじょう 桜華おうか」、妹の「神上かみじょう 藤華とうか」という。

長い黒髪、髪は背中の真ん中あたりまでで、それを桜華は三つ編みでお団子にしている。

髪の長さは同じで、妹の藤華はクルクルと巻いてお団子にしている。シュシュはピンクと水色のシュシュだ。目の色は黒よりの茶色。純、日本人だ。

双子だからと言って、同じ会社に勤めているわけでもなく、姉の方は高校の先生になっていた、教科は「科学」「数学」を持っている。どちらとも日本では10本指に入るほどの資格を持っている。

妹の方は建築家になっていた、建築家でありながら大工の資格も持っているので自分で家を建ててしまえる超便利な人だ。市役所に勤めていたときもあったため、政治や町おこしの時には必ずといっても呼ばれる人気者だ。


そんな二人は住んでいるところが同じなので、車で自宅に帰ると荷物を放り投げ、ソファにダイブ。

見事に同時であった。双子恐ろしい・・・。

「あ”ーつっかれたぁー」

ソファーに備え付けのクッションに顔を埋めて腹の底から声を出す桜華。

「まぢ、づがれだ(まじ、つかれた)」

と全ての文字に濁点をつける(れはつけれなかった)藤華。

恐ろしいほどに女の欠片を感じない。

二人は24歳、疲れがとれない時期である。

そんな二人は、インターネットの小説にはまっていた。唯一の楽しみとゆう奴だ。

恥ずかしながら、『異世界』やら『勇者』やら『冒険』やらにはまっている二人。

小説を読みだせばその二人の顔には『無』しか映っていない。

まさに、24とは思えないほどの老け顔だ。元々顔がめちゃくちゃいいというわけではないので、日々の疲れが顔に出ている、それがケータイの光に当てられてもしたら・・・・・。

まさに山姥やまんばなみだ。

「うぅっっっ、うう」

藤華は泣いている・・・、山姥の顔よりひどいかもしれない・・・山姥も逃げ出しそうだ。

「はははっ、うー、はは」

藤華は笑っている・・・・、そんな歯を出して笑うなんて24とは思えない・・・。

泣き声と笑い声が部屋にこだまする、カオスな状況だ。


小説を読み終えると放り投げたカバンを閉まって、料理を始める。

今日は桜華の番だった。

「何か食いたいモンある?」

と冷蔵庫を開けて聞いてくる。

「ん~、腹に良いモン」

とソファで藤華。

「ンじゃ何でもいいよね」

料理音がキッチンでする。

それを無視して、藤華は新しい小説を探していた。

先ほど読んでいた小説は、最後まで読み終わってしまったので、読む本がない状況なのだ。

「なーんかないかなー」

おすすめ覧をみても、どれもこれも見てしまったものばかり、新しい本のコーナーも一通り読んでしまった。

しかし__、なにやら逆さに文字が打ってある小説があった。

「桜華ー、これ見てみてー」

ケータイを片手に桜華のいるキッチンへ行く。

桜華は、ケチャップとにんじんと・・・と呟いている、どうやら今晩は酢豚のようだ。

「なによ?酢豚じゃ不満?」

とピーマンを取り出して聞いてきた。

「違う違う!不思議な小説見つけたから見せに来たの!!」

「鼻息荒く言うなバカ。だから彼氏も逃げるのよ、で、えーと・・・逆さ文字ねぇ?」

「彼氏なんていらん!じゃなくて、そう!逆さ文字なの!!」

ほう・・・、桜華が料理に夢中なので、代わりに読み上げることにした。

「読んでしんぜようではないか!!『おわ・・・りの・・・はじ・・まり・・の・・も・・のぉがぁ・・たぁりぃ』だって!!」

「しんぜよう」とは、「してやろう!」という意味の言葉で、双子の間でよく使われる言葉だ。

「えーと、『終わりの始まりの物語』ってこと?なによそれ、」

「うーんとね、開いてみれば分かるんじゃね?」

よく分からないので、開いてみることにした。

桜華も料理の手をとめ、一緒に覗いてくる。どうやら一緒に見るようだ。

ピコン・・・読み込んだ画面はなにやら華の背景のようで、文字はこう打ってあった。

「物語は終わりがある?ない?」

桜華がそれを読み上げる。終わりがあるのか、ないのか・・。つまりは、疑問文である。他にはどうやら分が見当たらない、この一文だけのようだ。

「質問コーナーなのかな?でも、小説のコーナーにあったんだけど?」

二人がよく使う小説サイトでは、小説コーナーと質問コーナーに大きく分けられる。

その後に、オススメ覧と新しいコーナーにまた分けられるのだ。

しかし、この質問は小説コーナーの新しいコーナーにあったのだ。

画面を下げていくと最後にコメント欄がある。

「質問の答えはここに」

と短く打ってある文字、どうやら質問の回答はコメント欄に入れなければならないようだ。

「せっかくだし、答える?」

桜華がきいてくる。

「じゃあ、そうしますか、えーと『ない!!終わった後が肝心だから!!っていうか、後ろの背景は桜と藤かな?』っと」

「おいこら、なぜに強調した、そしてなぜに後の分を打った?」

横から鬼の形相で聞いてくる桜華を無視して文を送信した。送信には時間がかかります。と出たので、コメント欄を見ていると、どうやら私たち以外にも答えた人が100人はいた。

返信はこうだ、例えば「ない、後のほうが楽しそう」返信「君じゃない」・・・・など、意味が分からない返信だ。「ある、終わらなければ物語じゃない」と打たれた回答にも、返信「君らじゃない」。

返信で変化したのは「君」か「君ら」の複数形になったくらいだった。

しばらくたった頃だった、

自分たちの送信が終わるとすぐに返信がきた。

「お?返信来たぞい」

「じじぃになるな!、えーと返信『桜と藤はお好きですか?』」

「送信『すきだぜぃ!!、キャラネームも桜藤おうとうだしね!!そっち好きなのかい?』っと」

「また、不思議な返答を・・・・、じゃねぇー!、なんで私たちだけにまともな返信が?!!」

すぐに今回の返信は読み込んだのか、すぐにまた返信がきた、

「『見つけた!君たちをさがしてたんだぁ!』だって・・・、やばいかな?(汗」

「・・・・・、これはやばい・・・・。なにかに見つかってしまったようだ。現在地分からないようにしてあるよね?」

桜華はすぐさま自分の直感に従ってその画面を消そうとした。

が、

結果、消えないのだ、するとなにやら画面から水の音が聞こえる。

鈴の音、太鼓の音、笛の音。

花の良い香りも風に乗って運ばれてくる。

しかし、それはあり得ないことだった、スマートフォンの中から、そんな3次元が出てくることはあり得ない。

「・・・?異世界へようこそ的な何かカイ?」

「冗談言わないで・・・最後固まって、片言になってるわよ」

「触ってみる?」

なにやら画面は真っ白い、光が漏れているようだ。

酢豚の火は消してある、問題はないわね・・・、など頭で桜花が考え終えると、

「触るんなら一緒に触りましょう?、まじ、最悪だけど。」

「おーけぇー、二人なら恐くないよ!いくよー!いち」

「にぃの」

「「さん!!」」

トンと指が画面に触れたのが分かる、するととたんに、睡魔が襲ってきた。

チクッと指先に電気が走ったのが分かる。何とかしなくちゃ・・・そうおもっても身体は真逆に眠気に負け始めていた。身体が熱くなって、寒くなって・・・それを繰り返す細胞を感じる。

完全に意識が落ちる前に誰かの声がした

「やーと見つけた!、もうダメかと思ってたよ。ボクに気に入られた二人は、新しい世界でファイとぉー!!人生リセットって奴だね!」

気楽に楽しそうに話す子供の声、まだ甲高い声から、変声期は来ていないであろう声。

「あ、そうだ!最後にお願いでもあるかな?」

背を向けていたのに、くるりと身体をこちらに向けて聞いてきた。

「ってしゃべれないかぁ・・・」

また、背を向けていこうとする背中に全身の声を入れていってやった。それも同時に、

「「容姿端麗、頭脳明晰、お金持ち!!あと双子で!!」」

顔を持ち上げて言い放ったのだが、身体から出た声は、子供の声だった。力をなくした顔は、顔面から床に衝突、痛い。

しかし、言いたいことはいえたので、満足、夢のまどろみにゆだねる。

「?!、すごーい、まだ言えたんだ!、分かった分かった、ボクも頑張ってあげる♪」

スキップするような軽い足取りで奥に言ってしまう子供。だが、よく考えるとここはキッチンなのに、なんで奥があるんだろう?ということだった、でも、そんなことはどうでも良い。

今はひどく眠い・・・・。


「人間の君らが喜ぶ言葉は、『異世界へようこそ!!』かな♪」


花の香りが身体を包んだ。鈴の音、太鼓の音、笛の音。


最後に見たのは、美しい水の都だった_______。







次回!!『マジ、ここ何処?』


目を覚ましてみると、そこはお母さんの顔が・・・・ってなんで周りが魔方陣のような模様に囲まれてるのよ?!見た目から幼児虐待で訴えるわよ?!!


まぁまぁ、何か水色と桃色の花のような布に乗ってるみたいだね、わーいふわふわぁ!!


バカ言ってるんじゃないわよ!!


水の都に生まれ落ちたら、何か崇められるし!耳や尻尾があるわで、なんなのよぉー!!あの子供マジありえん!



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