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時鐘のアリア  作者: 蒼咲猫
序章
1/21

第一話 ~物語の前に~

初めまして。蒼咲猫と言います。

初投稿&処女作なので、矛盾や可笑しな点が多々あるとは思いますが、暖かく見て頂けると幸いです。

誤字脱字等に関しては、コメントなどで知らせて頂けると嬉しいです。

至らないところの多い私ですが、この作品が、読者の皆様の心の片隅にでも残ってくだされればと思います。



 これは、周辺の村などの住民達が、「時守(ときもり)の森」と呼ぶ、とある深い森についての記録である。


 「時守の森」。実は、そう呼ばれるようになったのは、数十年前からで、それ以前はその森の深さから、「帰らずの森」と呼ばれ、恐れられていたという。

 何故、数十年前から「時守の森」と呼ばれるようになったのか。その真実は謎に包まれている。

 今回、その真実を知る鍵を、「時守の森」にいる一人の老人が握っているという情報を得て、私は「時守の森」にやってきた。


 私の名はセルディオ。今日から、私の知り得た限りの「時守の森」、それについての真実を、ここに記していこうと思う。




 ーー時守の森、最寄りの村。


 その村は「シュロア」という名の村で、帰らずの森が時守の森と呼ばれるようになった頃にできた、比較的新しい村だった。

 私は、その村について調べることもそこそこに、宿に泊まると、翌朝の早朝には、馬を走らせていた。


 村から馬を走らせて一刻程たった時、ようやく時守の森が見えてきた。そこからさらに数分馬を走らせた時、目的の人物を見つけた。

 私は馬から降りると、森の木々に向かって花を手向けている一人の老人に近付いていく。


「……あの、」

「ん?……ワシのことかね。」


 手を合わせ、祈りを捧げ終えたその老人は、私を見て微かに笑った後、おもむろに頷き、私を森の近くにある、小さな小屋へと招き入れた。


「……ここは?」


 招き入れられた小屋の中は至って普通で、特に変わった物は無いようにみえた。


「ワシの家じゃよ。」


 どこか悪戯っぽく笑った老人に、どっと力が抜けていくのを感じた。


「……しかし、ワシを訪ねてくるとは、物好きな者もいたものじゃのぅ。青年、名は何と言う?」


 何故か感慨深げに呟いた老人は、私の名を問い、そこで私は、名乗っていなかったことに気付き、慌てて名を告げた。


「え?あ!失礼しました。私の名はセルディオ。学者をしています。……あの、貴方はーー」

「『   』。」

「え?」


 小さく呟かれた言葉は、私には聞こえなかった。思わず聞き返すと、今度は聞こえるようにかえってきた。


「『クード』じゃよ。『時森のクード』。今はそう呼ばれておる。」


 私の言葉を遮るように言葉を発する老人は、「クード」と名乗った。


「して、セルディオ殿。この老いぼれに、何の用かね。」

「実は……?」


 話出そうとしたとき、クード殿は席を立ち、湯気のたつ二つのカップを持って帰ってきた。


「まぁ、長い話になるじゃろう。ほれ、時守の森で採れた薬草から作ったお茶じゃ。飲みなされ。」


 小さく音をたてて置かれたお茶は、とても良い香りがした。


「あ、ありがとうございます。」

「なに、時間はたっぷりある。」


 窓の外では、太陽が登り始めていた。



 読んで頂き、ありがとうございます。

初めての作品なので、読者の方々からの反応が、予想がつかなくてドキドキです。

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