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『如月令嬢は砂場の卵焼きを諦めない ~リメイク~』 表紙
セピア色の静寂が支配する旧校舎の図書室。壁一面を覆う重厚な本棚には古書が隙間なく並び、窓から差し込む午後の陽光が、埃の舞う空気を一筋の光の帯に変えています。
その光の先、部屋の中央に鎮座する豪奢な深紅の革張りソファに、如月瑠璃は静かに腰を下ろしています。紺色のブレザーに赤いリボン、そして青を基調としたチェックのスカートという制服を身に纏う彼女の姿は、この古びた空間において際立って美しく、令嬢としての気品に満ちています。
艶やかな漆黒の長い髪が肩に掛かり、吸い込まれるようなアメジスト色の瞳は、眼前の虚空――あるいは、常人には見えない『モノのルーツ』へと向けられているのか、涼しげで超然とした光を放っています。彼女のすぐ傍らには、青緑色の装丁本と共に懐中時計がそっと置かれており、これから始まる『思考の調律』の時を静かに待っているかのようです。




