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おじいさんとの再会

「久しぶりじゃのぅ。」

おじいさんは、手を挙げながら笑顔でやってきました。


「こんにちは。」

ユタカ君は少し疲れた表情で挨拶しました。


「どうした、元気が無いようじゃが。」

「おじいさんがくれた玉を使ってみたんだ。」

「どうじゃった?別の動物になってみるのも楽しいもんじゃろ。」


ユタカ君は曖昧に笑いました。


「どうした?何かあったのかの?」

「僕ね、玉の力で、犬と鳥になってみたんだ。

 でもね、犬は飼い主に相手してもらえないと、

 ずっと退屈でつまんなくてね。

 やってきた野良猫は餌と間違えて、人間が捨てた白いトレーを

 食べようとするし。

 鳥も人間が捨てたペットボトルの蓋を餌だと思って食べてるんだよ。

 しかも雛にも食べさせようとしてたんだ。

 鳥になって飛べた時は、すごく楽しかったんだけどね。

 折角の楽しい気持ちが人間のせいで台無しで終わっちゃうんだ。」


「そうじゃったんか。」

「そうなんだ。物語とかに出てくる不思議な体験って、

 ドキドキワクワクって感じなのに、全然そうじゃないんだ。」

「ではもう、別の動物になるのはやめておくかの?」


その質問に、ユタカ君は少し考えてから首を振りました。

「ううん。最後の1回、別の動物になる。

 また、餌だと思ってゴミを食べちゃう動物がいるかもしれないから、

 食べ物じゃないって教えてあげたいもん。」


おじいさんは笑顔で頷きました。


それからおじいさんとユタカ君は、神社の境内まで一緒に戻ってきて、そこで別れました。


ユタカ君は落ちているペットボトルを持てるだけ拾いながら帰りました。

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