表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/49

やってきた家庭教師2〜英国貴族式のマナー〜

想像以上に厳しい英国式の英語に根を上げながら

ヘンリーはアーサーとの会話の中から、

改めてこの家の影響力を実感する。

そんな時、あの男がやって来る。

「初めまして、ヘンリー君。英語を基本に、英国式のマナ—

全般を担当するアーサーだよ。よろしく。」


アーサー先生の英語の授業は、びっくりするくらい

きびしかった。


「まず最初に。ヘンリー君、君のお父さんは日本人だと

聞いたけど、アメリカ英語を習得していたんだろうね。

おそらくお母さんもそれに引っ張られているから、

君の発音はごちゃ混ぜになってしまっている。


それに加えて、イギリスの英語には3種類あるんだよ。

貴族階級が使うのは、今僕が喋っている、RPと呼ばれる

 いわゆる上流階級英語だ。


それからホワイトカラーと呼ばれるミドルクラスの使う

エスチュアリーと呼ばれる河口域英語、

労働者階級が使うコックニー訛りの英語。

そこを踏まえて、一つずつ直していこうか。」


「ヘンリー君、今の挨拶、最後の母音をもうほんの少し

伸ばそうか。」

「ヘンリー君、その単語のoはaの発音じゃダメです。

きちんとoで。」

「ヘンリー君、rは舌を巻かなくて良いんだよ。」

「ヘンリー君、口は横に開くのではなく、縦に開く事を

イメージして。」


あああもういやああ!

「疲れたかい?じゃあちょっと休憩しようか。」

アーサー先生が苦笑いした。メイドさんが持ってきてくれた

のは紅茶だった。本当はホットチョコレートの方がいいけど、

この味にも慣れないといけないらしい。つらいよおおお。


「ヘンリー君はさあ、どうして後継者選びに

名乗りを上げたの?」

突然、アーサー先生が聞いてきた。


「え、い、いやどうしてというか、お祖父ちゃんに一度も

会ったこともないし、ママの生まれたお家を見て

みたかったと言うか、」


とっさに誤魔化すのを見てアーサー先生は

「ふーん、そうなんだ。でも、この家に関わるのは何かと

大変だよ?確かに財力は英国でも指折りだし、王室とも

ゆかりがあって影響力も持っている。

その分、プレッシャーもすごいし、日本でのんびり

暮らしてる方がいいと思うんだけどなあ。」


まるでこちらの心の中を読み取るかのように話しかけてくる。

「そ、そうなんですか、ははは。」

なんとか笑ってごまかしていると、たくさんのメイドさんが

小走りに廊下を走る音や誰かの叫ぶ声が響き、

急に部屋の外が騒がしくなってきた。


「なに?」ぼくが廊下に出ようとしたその瞬間、

レスターさんがドアを開けて入ってきた。

「ヘンリー様!」


いつも感情を顔に出さないレスターさんが慌てているのが

わかる。

「レスターさん、どうしたんですか?外でなにが」

ぼくの言葉を遮ると

「よろしいですかヘンリー様、決してドアを開けずに

お部屋に留まっていてください。」


「え、でもどうして?」

「お願いいたします。アーサー先生も、ご一緒に部屋に

いてください。」


「まあ、それは構わないけど。どうしたのですか?」

アーサー先生が尋ねるとレスターさんはわずかに躊躇した

ようだけど、思い切って話し出した。


「ご当主様の弟、ヘンリー様の大叔父に当たるルーパス様が

いらっしゃいました。」


to be continued



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ