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親族会議3

魔女の言葉に反応していく様に、ルーパスさんの目が

真っ黒になっていく

「おのれ、貴様ら!許さんぞ、皆殺しにしてくれる!」

ルーパスさんが立ち上がり、両の手を無造作に振り回すと

ホール内に突風が巻き起こり、テーブルがなぎ倒され、

ほとんどの親族が吹っ飛ばされて大パニックになった。


我れ先にと出口に殺到するが、魔女から伸びた影が

完全に出口を封鎖した。

「誰もここから逃げられない。」


魔女の目が真っ黒になり、笑い声が響く。

魔女とルーパスさんについていた従者が何人にも

分裂してゆき、全身黒ずくめで真っ黒い目の

メイドたちが現れ、親族の人たちをじりじりと

壁際に追い込んでいく。


何人かが銃をメイドに向けて撃つが、

魔女の使いとなったメイドたちには効果がない。

「さあ、あなたたちに地獄を見せてあげるわ。」


「そうはいかないぜ!」

ガシャーンと天井の明かり取りの窓が割れ、

ロープを伝ってアーサーさんと顔面蒼白の

クイントンさんが颯爽と?現れた。


よく見ると片手にマシンガンを握り、帯の様に連なった

銃弾を身体に巻き付けている。


「魔女に使えし闇の亡者どもよ、これでも喰らいな!」

アーサーさんとクイントンさんがマシンガンを

黒いメイドたちに打ち続けると、メイドたちは

もだえ苦しみ、バタバタと倒れ、消滅していく。


「どうだい純銀製のマシンガンの弾は!ご親族の皆さんは

今のうちに避難を!クイントン、こいつは最高だな!

おまえも楽しんでるかい?」


アーサーさんはすっかりご機嫌だが、

お友達の方はひいき目にみても死にそうだ。

「アーサー。ぼくは高所恐怖症だって言ったじゃないか!

もう勘弁してくれ。」

「そんな事言うなよ、一回こういう登場の仕方を

やってみたかったんだ。」


「アーサーさん!遅いですよ!もう、何してるんですか!」ぼくは叫んだ。

「すまんすまん、屋根の上に上がるのに手間取っちゃって。

でも格好よかっただろ?」

黒い森の魔女はアーサーさんをみてニヤリと笑った。

「面白い、イギリスのスパイ風情が。

少し相手をして遊んでやろうか。」


「年上のお姉さんは好みだけど、いいのかい

旦那を放っておいて?

それともアレか。お互い自由恋愛には口出ししない主義?」


アーサーさんのへらず口が止まらない。


その頃、ルーパスさんはお祖父ちゃんに迫ろうとしていた。

「兄上、いやハワード!今こそ長年のわしの怒りをしれ!」

ルーパスさんが叫び、漆黒の目で壇上のお祖父ちゃんを

睨みつける。


「いくぞ、ハワード!」

ルーパスさんがホールの端から一気に宙を舞って

壇上のお祖父ちゃんに迫ってきた。


「いかにルーパス様と言えど、ハワード様には

指一本触れさせない!」

レスターさんがその前に立ちはだかると、上着の内側に

手を入れたと思うと、もの凄い早さでナイフを投げ続ける。


「ふん、こしゃくな!」

ルーパスさんはふわりと着地すると、飛んできたナイフを全てマントで払い落とした。

「ルーパス様、ご覚悟を!」

続けてレスターさんは腰から拳銃を抜くと、

一気に撃ち続けた。

「効かぬ、効かぬわ!」


ルーパスさんが右手を握りしめ、こちらに突き出すと、

もの凄い炎が吹き出した。

「危ない!」ぼくはとっさに光の壁を造り、炎を跳ね返した。

「有り難うございます、ヘンリー様。」

「父さん、そいつはもう魔法使いの眷属だ。

普通の銃は効かない。これを使え!」

肩から下げたホルスターから銀の弾丸入りの銃を抜いて、

レスターさんに投げる。


「ルーパス様、魔道に堕ちてしまうとは何と哀れな。

せめて安らかに!」

ダン、ダン、ダン、ダン。


レスターさんの撃った弾は、正確にルーパスさんの

心臓を撃ち抜いた様に見えた。

「う、う、ウオオオオオオオオオオオオオオ」


ルーパスさんの咆哮がホールを揺らし、

ガラスがすべて粉砕されてしまった。


「おのれ、おのれ許さん、許さんぞ!」

見る間に身体中の筋肉が盛り上がり、

額から二本の角が生え、耳は長く尖り、

額の中央に新たな目が開いて、醜悪な怪物へと

変貌していった。


レスターさんが残りの全弾を撃ち込むが、

怪物と化したルーパスさんは倒れない。

「銀の弾が効かない?」


巨大な筋肉で止められてしまうようだ。

「グオオオオオオオオ!」

怪物のひと振りで床が真っ二つに裂けてしまった。


「レスターさん、下がってください!ぼくがやります!」

マジックボックスを構えて、氷をイメージし、

集中して一気に放つ。

「いっけええええ!」

キラキラ輝く巨大なつらら状の氷の柱が

ルーパスさんの身体を刻むが、致命傷は与えられない。


「くそっ氷がダメなら炎だ!」

今までで最大級の炎をおこし、巨大な身体を包み込む。

「もっと、もっとだ!燃え上がれ!」

瀑炎に包まれ、効いたかと思ったけど


「フオオオオオオ!」

ルーパスさんの咆哮で炎はすべて吹き飛ばされ、

まったくの無傷だ。


「そんな、くそっ」

どうしようかと必死で考えていると後ろから

すっと手が出てきた。

「もういい、よくやった。二人とも、下がっておれ。」

お祖父ちゃんが怪物と化したルーパスさんの前に

立ちはだかった。


「ルーパスよ、子供の頃はできなかったからな。

初めての兄弟喧嘩だ。こい。」


一方アーサーは、黒い森の魔女・ニナを相手に

大苦戦していた。

「いくぜべっぴんさん!」

ニナが放つ黒い影の様なものを避けながら、

マシンガンを連射するのだが、

動きが速すぎて当てる事ができない上に、

少しでも対応が遅れると黒い影に切り刻まれる。


「うわああ!アーサー助けてくれ!」

おまけに逃げ回るだけで精いっぱいのクイントンまで

いると不利だと判断し、

「オッケー、クイントンよくやってくれた、

明日、ランチでもおごるよ!」

マシンガンをもぎ取るとケツを蹴っ飛ばして出口から

外へたたき出した。


「さあ、お姉様。やっと二人きりになれましたね?

きを始めようか!」

「ふふふ、面白い男だな。だが、おまえでは私の

相手はつとまらないわ。」

「やってみないとわからんさ!」


マシンガンを二丁とも一気に連射する。

ニナの身体を銃弾が凄まじい勢いで貫いていくが、

やがて弾切れで連射が止まってしまった。

「ふふふ、無理だというのに。」


ニナはまったくの無傷で微笑みながら近づいてくる。

「おいおい、嘘だろ?まったくタフなお姉さんだねえ。」

呆れた様につぶやきながらホルスターから素早く銃を抜くと、

最後の銀弾を至近距離からニナの額に撃ち込んだ。


弾はゆっくりと額にめり込み消え、

ニナが笑って突き出した舌先に乗っていた。

「うん、凄いテクニックだな。でもその口と

キスするのは勘弁かな。」


「なかなか楽しかったわ。でも、もう、おしまい。」

ニナの目から流れ出した黒い影が、アーサーの身体を

ゆっくりと包み出した。

ああ、くそっこんな事なら先にオヤジに

銀食器持ち出した事を謝っておくんだったな。


「まったく、どいつもこいつも手がかかること!」


飛び込んできたノーラの鋭い爪先が、

ニナの黒い影を引き裂いた。

「白猫姉さん!」

アーサーは素早くニナから離れた。


「何だ、おまえは?おまえも誰かの眷属か?」

体勢を立て直したニナが、不愉快そうにつぶやく。


「おいおい、俺の大切なスイートハートに

失礼な言い方は止めてくれるかな?」


「アーサー。あんたいい加減だまりなさい!

さあ、ここからはあたしが相手よ。」


「おまえは最初から全力で相手してやる。」

ニナはそういうと、全身の気を集中させ出した。


魔女の身体の中を流れる邪悪な気がどんどん

高まっていってるのが、側から見ても伝わってくる。


ノーラは思った。こいつと闘うのは、

正直なところしんどい。


それでなくとも立て続けに変身したり、

魔力を放出して体力が戻ってない。

さっきまでじっと動かず回復を待っていた位だ。


まあ、あいつとの約束だしね。

ホント、あたしを含めてバカばっかりね!


「かかってきなさい、ケツの青い小娘が!」




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