循環器科(内科・外科混合病棟編)
[白衣三着目:岡田さんとアニマル]
岡田さんは動物が好きである。
犬や猫、フェレットやハムスター、果ては定期的に一人で動物園へ行っては癒されて帰ってくるほどの動物好きである。
好き。
いや、狂気的愛情とも言うべきか。
「動物実験なんて最低の愚行だな。」
ここまではいい。
「人間の体のことを研究するなら、動物虐待してる馬鹿野郎の体を実験に使えばいいのにな。」
倫理や道徳最前線の仕事である看護師さんの発言としては、だいぶ危ない。
しかも、たまに注射液などに付いている添付文書を見る度に呟いてしまっている。
「動物の映画とか、タイトルやCM見ただけで切なくなる。
動物は健気だ~愛おしい~。」
岡田さんの好きな映画はホラー(スプラッター)とアクション(人が殴りあっていたりするやつ)だ。
そんな岡田さんは猫を飼っている。
家の駐輪場で、衰弱して動けなくなっていたところを保護した猫だ。
名前はムー。
名前の由来は、世界の不思議なんかを取り扱っている月刊誌から拝借したそうだ。
かなりの人見知りなのか、突然家のなかで姿を消したかと思えば、いつの間に岡田さんのベッドの上で寝ている。
UFOみたいな存在だ。
ゴロゴロ言って期限が良いと思えば、突然シャーッと威嚇して何処かへ逃げていく。
飼い主がよくわからない存在なら、ペットも似てしまうのか。
今日も岡田さんの動物愛は溢れまくっている。