え?誕生日はクッキーパーティーピーポーだよ!
もう少しで我が愛しい姉様のお誕生日!
プレゼント何が良いかなあーいつも可愛がってくれてるし、姉様が喜ぶ物がよいなあ。
「ハイッ!というこで、皆さま〝可愛い可愛いマリエ・クリスタルティーンのお誕生日プレゼントは何をするのか!どうする皆んな!誰が彼女のハートを射止めるか!それは妹の私です!〟会へようこそ!」
「長いね、その会の名前。マリエ嬢には宝石とかなんかでいいんじゃないかな?」
エリオスのは却下だね。私の家はお小遣い制であまり高いものは買えないもの。
「マリエ嬢は赤い服ばっかじゃん、赤い帽子とかいーんじゃね?」
帽子か!うんうんスクアーロの意見はいーね!候補に入れよう!
私は皆んなの意見を沢山聞いてメモをとる。
お父様は姉様にブローチをプレゼントでお母様は可愛い手鏡をプレゼントするらしい。
私は何にしようか迷っていると後ろで控えているクロは
「マリエお嬢様はマリアお嬢様からならなんでも喜びますよ」と笑顔で答えているけど、やっぱりプレゼントって難しい…
そんな私にトムは手づくりのお菓子や物などはどうかと提案してきてくれた。ならばクッキーを焼いてみようとちょうどこの日は姉様はピアノのレッスンとのことで私はバレないようにキッチンを借りることにした。
エリオスとスクアーロは様子を見にきてくれた。
クロは後ろで控えて見守るとのこと。
一応メイド二人も控えている。そりゃ子供が作るんだもんね。
「手づくりクッキーか。うん、いいと思うよ。でもマリア作ったことあるの?」
「気合いと根性!そして愛情が入ってるわ!」
笑顔でピースして答えた私にエリオスは笑顔で応援するよと言ってくれた。スクアーロは沢山作って食いしん坊だからね。任せて!
クロは笑顔で拍手をしてくれた。うん、私頑張って作るよ!
さて私はうさぎさん模様のエプロンを着ていざ作ろう!!大丈夫私前世では家庭科の時間は味見係だったから自信はあるんだよね!
「えーとまずは小麦粉をドバーッと」
「ねえマリア計らないの?」
私の隣にきたエリオスは計量カップを持ってきたけどね、そういうのはいらないのよ!エリオス!
私の姉様に対する愛情は測りきれないものよ!
「あとはバターとか卵やらをグチャーッと!」
「なあマリアそれ入れすぎじゃねえか?」
私はこねこねぐしゃぐしゃ混ぜたわ。愛情もたっぷりいれてね!
「チョコレートとナッツとイチゴいれようっと」
「なんで生のイチゴなの?」
「姉様はイチゴが大好きなの!」
「そうなんだ…」
「なあ、それイワシだよな?なんで?」
「栄養たっぷりだからね!」
そんなマリアを後ろで控えているエリオスとスクアーロとクロ。
クロは少し心配そうにしていたがエリオスは
「クロこのまま見守っていよう。面白いから」
「エリオスはただ面白がってるだけじゃん!アレやばいよ!嫌がらせレベルだぞ」
と何やら男同士語っていた。
ふふ、姉様喜ぶかなあー喜んでくれるといいなあ。
喜んでいる顔可愛いーだろうなあ。流石は私の妹だわ、って褒めてくれると嬉しいなあ。
「マリア少し焦げてるよ」
「ちがっ!これ焦げてるどころじゃないぞ!マリアそれだけはやめておけ!」
「マリアお嬢様上手ですね」
「え?お前ら大丈夫?ねえ?大丈夫?」
スクアーロが一番うるさかったわ。まったく、あれじゃあヒロインちゃんと出会ったとき大丈夫かなと心配なるわ。
さて、色々頑張って作った甲斐がありちょっぴり見た目は悪いけどやっぱり手づくりっていいよね。
後ろを振り返るとスクアーロはゼェゼェと疲れてた。メイドさん達もぐったり。何かあったのかな?
エリオスは涼しい顔をしながらハンカチを持ってきて
「ごくろうさま。マリエ嬢喜ぶと思うよ」
クロは黙々と箒を持ってきて周りを片付けてくれていた。
「よし!これで準備オッケーよ!」
私はピンク色の包み袋に薔薇模様のリボンでラッピングをして誕生日当日までバレないようにドキドキしていた。私は父様と母様にクッキーを焼いたとおそすわけして食べってもらったら、
「個性的な味だね、、、」と父に褒められた!母は何故か泣いていた。よしゃあああ!美味しくできたみたい!
誕生日の夜、姉様を祝いに沢山の貴族達が祝いにきてくれていた。姉様は真っ赤なドレスに以前トムが作ってくれた薔薇の髪飾りをしていた。尊い。可愛いすぎるわ。
エリオスやスクアーロもきたが女子に囲まれ困っていたところ、姉様が来たことにより周りの女子達は怖がって距離を置きはじめた。
「私の誕生日のはずなのにまさか貴女達は王子が目当てだったのかしら?そんな事をする暇があるならもっと学ぶべきことがあるのでは?
ふふ、まあ貴女達では無理かもしれませんわね」
冷たい瞳で薔薇模様の扇子を持ちながら彼女達に注意する姉様は、まさしく悪役令嬢っぽかった!
「あ、あのわたしたちは、ただ、えと」
姉様の前でタジタジなる令嬢達はそそくさと何処かへ逃げていった。
私はパタパタ走って姉様に抱きつき
「姉様!お誕生日おめでとう!」
んーやっぱり姉様薔薇の匂いが素敵ー!
「マリアありがとう。でもレディがパタパタと走るのは駄目よ」
後ろからエリオスは私を引っ張りだし笑顔で挨拶をする。
「マリエ嬢お誕生日おめでとう」
「ふふ、ありがとうございます」
そんな二人の様子にスクアーロは居心地悪そうに
「だから、お前ら恐いって」
私は姉様にプレゼントを渡した。後ろでスクアーロは青い顔をしていたけど具合悪いのかな?
「マリアが作ったの?凄いわね。とても嬉しいわ」
頰を赤らめてキラキラした笑顔の姉様はもう女神様みたいよ!可愛いすぎる!あー写メ撮りたいよ!
インスタアップしまくりたい!
いや、写真集を作ろう!そうしよう!
私はクッキーを食べて貰おうと姉様にテーブルを案内し、お皿に盛り付けた。
「じゃじゃじゃーん!」
姉様はものすごく固まっていた。周りの皆んなも固まる。なんで?そんな美味しそうだからかな。
「マリアこれはクッキーよね?」
「うん!」
「…そう…因みに何故魚の頭があるのかしら?」
「魚の頭を食べると頭がよくなるの!姉様にはいつでも知的で美しくなってほしいしね」
「マリア貴女…「姉様姉様!食べてみて!頑張って作ったの!」
「…っ」
早く姉様に食べて笑顔をみたいのよ!さあ食べておくれ!
一緒に座っているエリオスはクスクス笑いだし
「ほら?君の可愛い妹の手づくりクッキーだよ。羨ましいね。姉妹愛は」
エリオスに姉妹愛と呼ばれて私は照れた。いや、まあ、うん、推しの喜ぶ顔みたいしね?へへ
「ふ、ふふ。エリオス様はわかってらっしゃったのね」
「え?何が?ほら、とりあえず食べなきゃ」
お互い誕生日なのかやけにハイテンションな二人ね。
よし!皆んな今日はクッキーパーティーよ!
「大丈夫!実は皆んなの分もね!あるよ!」
周りは一瞬で静かになった。
ん?なんで?イチゴクッキーもあるよ?それに
なんやかんやお世話になって仲良くしてるしね。
おそすわけは大切!
クロにあげたら、クロは感極まり宝にしますと言ってくれた。いや、食べなよ。
スクアーロは沢山食べる子だからね、大量に入れて渡してあけだ。スクアーロは青い顔をしてたから
「クッキーいらなかったかな?具合悪い?」
首を傾げて心配したら急に青い顔から赤い顔になり
「ッ!食べる!ぜったい食べる!これも修行だ」と意気込んでいた。
エリオスは…
姉様と笑い合っていて姉様も楽しんでるようだわ!よかった!!
「誕生日はクッキーパーティーピーポーね!」
パーティーが終わる頃に、ひょこっとトムが現れた。
「トッ!トトトム!ぃまは近づいてこないほうが!ウプッ」
姉様はクッキーを食べ過ぎたみたい。食いしん坊だなあー可愛いなー。トムはトコトコこちらへ来て姉様の背中をさすってくれていた。
「パーティーはもう終わりましたか?あ、マリアお嬢様クッキー焼いたんですね」
クロはいかに私がクッキー作りを頑張っていたかをトムに熱弁していた。トムの分もちゃんとあるから、トムにも渡したら笑顔でありがとうございますとお礼をいわれた。
次の日姉様は誕生日パーティーが疲れたのか今日はベットで寝込んでいた。心配だわ!でも私がいくと駄目だとメイドさん達に止められた。
スクアーロも風邪を引き、クロとトムもあの後具合を悪くしたようだった。風邪半端なく流行ってるようだわ…
インフルエンザの予防注射とかないものなあ。ここの世界は。根性で治すしかないもんね。
皆んな不在のため、私とエリオスだけ。
「今日はエリオスと二人で遊ぶのかー」
「僕はマリアと二人っきりになれて嬉しいけどね」
「皆んなにさ、お花摘んで渡してあげよう!その方がよいよね!」
エリオスは私の頭を撫で撫でしながら、空を見上げ
「…ふっ、勝った…」
とほこらしげに呟いていた。
何か買ったの?お菓子?なら食べようよ?