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え?我が家の一員になりました!

身震いしたとはこの事だ。エリオスはニコニコと笑っているが、今でも誰かを殺しちゃうくらいの怖さで怒っております。


「えぐっ…え、エリオしゅ…ひくっ」


やばい、舌を噛んだわ。


「急にはぐれて、迷子になった君を探しまわっていたら変な女の子に付きまとわれるし、なんとか撒いたものの、見つけたら目の前で僕の婚約者は殴られているし?」


エリオスは私の方へきて、転がっていた歯を取り出して私の頰を優しく撫でて

「大丈夫?怖かったよね」

そう私をギュと抱き締めて慰めてくれた。



周りの群衆は、エリオスの存在に気付きはじめていた。


「エリオス王子だわ…お忍びできたみたい」


「さっき、僕の婚約者、と言ってたわよね」


「エリオス王子は次期国王…その婚約者ということは…」


ピエロのおじさん、ガクブルと震えて声が出ておりません。後ろには何人かいた貴族もいる。


私はエリオスに抱き締められたまま、頭を撫でられていたため、エリオスの顔を見れなかったけど、皆固まっていました。私もエリオスの顔を見るのが怖いので心配そうに私を見つめるクロに、

「だっ、だいじょうぶだよ、ぐすっ、あは」と鼻水垂らしながら笑顔で答えた。精神的には私がお姉さんだからね!一番不安で怖かったのはクロだろうし。うん。



この後、まあ色々とありました。国の王子がお忍びで町へきて、奴隷されそうになった男の子を王子と婚約者が助けたという話が広まりました。


そして私は今自分の屋敷へ戻り、ベッドで寝ています。私の事を聞きつけた、スクアーロもお見舞いにきてくれた。かなり心配させてしまったわ。エリオスはベッドの隣で私の頰を冷たいタオルで冷やしてくれてる。

お父様お母様は慌てて部屋に入るなり、お父様は怒って

「奴らを!奴らを消してやる!」と騒ぎ始めた。


オロオロしている母のとなりには、冷静沈着な姉様が父を宥めていた。


「お父様、一瞬で消すだなんておやめになってくださいまし」


おー!さすが!姉様!いつでもクール!


「一瞬で消すなんて、優しすぎるわ。こういうのは、ジワジワと追い詰めていたぶって、ドン底に突き落としてあげるのがよくてよ」



「マリエ姉様、可愛いわ…」


「今のマリエ嬢の発言が可愛いかどうかはさておき、あまり無茶なことはしないで」


ジッと私を見つめるエリオス。とても悲しそうな顔をして、

「せっかくのデートだったのに、ごめんね、守ってあげることできなかった…」


「エリオス…」


デートだったんだ。と、今更気づきました!といえる雰囲気ではなかったので私は黙りました。


「皆んな、ごめんなさい…」


お父様はチラと部屋の隅にいるクロへと、目を向ける。

クロはずっと私のそばにいたらしい。


「さて、君をこれからどうするか私は考えていたのだが…」


クロはビクビクしながら、俯いていた。


「君は我が屋敷の一員として迎えようと思う。ずっとマリアのそばにいて心配をしてくれていただろう?根は悪いこでないと私は感じたよ。どうかな?」


クロは頰を赤らめながら笑顔で

「はいっ!頑張ります!旦那様」


え、あの冷酷無慈悲なクロエラ・キーラとは思えない、可愛いらしい笑顔じゃないか。


「さて、君の名前は…」

お父様は名前を聞こうしたらクロは困った顔をしていた。


「僕、名前が無くて…」


え?クロに名前がない?あ、そっか、ゲームでの設定ではクロエラ・キーラとは養子になった時の名前か。設定、かなり違うけどーまっいいよね?

とりあえず良い子っぽいし、うんうん!大丈夫だね!マリエお姉様にもう危害はないだろうし!今のうち仲良くなればよいよね!


「名前は私がきめたわよ!

貴方の名前はクロ!クロよ!」


私は笑顔でそう答えた。


「安静していなさい!」と可愛い姉様に怒られながらまたベッドへむきなおり、スクアーロに

「少しマリアは黙って寝なよ」となんか、私の首にトン!と何やら押した瞬間私はスヤスヤと眠りについた。


「我が妹ながら、落ちつかないこだわ…

というわけで、そこのクロとやら、貴方は正式に我が屋敷へ迎えいれ一員となったのだから、恥のない行動をとりなさい。完璧でいなさい。いいわね」



コンコン


「入りなさい」


ガチャ



「マリアお嬢様が怪我をされたと聞いたので、お花を届けに…」


「ト!トトトム!ありがたく、もっ、もらうわ!あの子も喜ぶだろうからね!」


「はい、マリエお嬢様」






「クロ…僕の名前なクロ…」


クロは少しずつ、前を向き、寝ているマリアの前でひざまづき、

「生涯ずっと貴女様をお守りいたします」


そうヨダレを垂らして幸せせうに寝てたマリアに、忠誠を誓ったクロだった。


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