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え?お姉様は国宝レベルで大好きです!

エリオス王子の婚約者となった私マリア。

本来なら、病気で死に、姉マリエがエリオス王子の婚約者となるはずが、無事あの腹黒王子からマリエお姉様を守る事ができた!


「んーそもそも私死ぬ運命だったから、なんかシナリオ狂ったのかな」


一人でブツブツつぶやいてると、マリエお姉様は心配そうに頭を撫でながら

「そんなに怖い顔をしてどうしたの?具合が悪いのかしら?」


可愛いな、ちくしょー!!お姉様にデレデレしてる私をジーッと見つめるエリオス王子。

マリエお姉様は父と母に呼ばれて、私とエリオス王子、スクアーロ三人だけ部屋に取り残された。


「あの!エリオス王子!」


「うん?何かな?マリア嬢」


「一応婚約者なったけど、いつでも好きな人できたら!婚約破棄オッケーなんで!喚きも泣きもしないから問題無しよ!」


自信満々に笑顔で語ると周りにいたメイドや執事達は慌てていた。


スクアーロはただただ笑っていたけど、何よ。ヒロインちゃんきたら、あんた達メロメロなるのわかってるしね。エリオス王子はまた笑顔で固まっていた。


「…マリア嬢、えーと…うん、あの、婚約破棄とか難しいと思うよ」


「あははは!駄目だ!腹いてぇ!エリオス!俺この子気に入った!」



「ふふっ、会った瞬間、この人が運命の子だ!とわかるときがくるのよ!」


「…マリア嬢はそういう人がいるのかい?」


「私はマリエお姉様が一番よ!あ、でも知り合った仲だし、お二人共友達としてよろしくね!」


ま、そのうち王子はヒロインちゃんに一目惚れをして、めでたくラブラブ!私は虐めず、身を引いてお姉様と一緒にいる!よし!ハッピーエンド!


「なんか、お茶ばっかでつまらないね」


「…その割には俺らの分のクッキー食べたよな」


なんやかんや、私は二人の分のクッキーまで食べてしまった。食べ物の恨みは怖いからね…よし!


「そうだ!私のお気に入りの場所に連れてってあげる!」


「でも僕達はマリエ嬢と君の両親を待っているんだよ?」


え?いくの?と、面倒臭そうな顔をするエリオスと


「え!なんだそれ!いこうぜ!」とついて行く気満々のスクアーロ。


二人の手を引っ張り、私は走った。

屋敷の庭へ行き、私お気に入りの大きな木を案内して、

「この木から見る景色は最高なんだよね!」


木をよじ登り、ニコニコ案内をしていると

二人は口をあんぐりしていた。


エリオスはその後笑った


「くっ…ふふ、あははは!普通、令嬢は木を登ったりしないよ。」


「よし!俺らも登ろうぜ!エリオス」


「あぁ、そうだな」


二人は木をよじ登り私の両隣に座る。

私はスカートのポケットから先程部屋からクッキーを食べずに包んで持ってきたので二人にあげた。


「君は不思議な子だね」


エリオスは私を見つめ、微笑む。腹黒でも、やっぱイケメンだなあと見惚れてしまうね。まだ6歳なのに、君どんだけ色気あるんだよ、不思議なのはそっちだと突っ込みたい気分。


「…何を考えているかわからないけど、僕は君と婚約破棄はしないからね」


エリオスは私が手に持っていたクッキーを一口食べて、そう宣言をしていた。



「マーリーア!!!!」



木の下からマリエお姉様と隣には何故かトムがいた。

あれ、お姉様かなり般若のような顔で私を睨んでいます。


「貴女!この前も注意したでしょう!?レディとしてはしたないと!降りてきなさい!」



「あはは、マリア!お前の姉貴怒ってるぞ」


「普段冷静沈着なマリエ嬢も妹の前だとこのような感じなのだな」


お姉様はエリオスとスクアーロにもキッと睨み


「貴方達も今すぐに!降りてきてくださいませ!!今すぐに!!全員!!」


あの時の姉様が怖かったので、三人は渋々降りました。




あれから3ヶ月、私とエリオスは手紙交換したり、たまにスクアーロとまざり、遊んでいたりする仲になった。


「やあ、またきたよ」


「よっ!遊ぼぜ」


エリオス王子とスクアーロに姉マリエは、ため息を出しつつ

「まあ…王子とあろう方がよほど暇なのですね?

小学部の宿題済ませたのですか?スクアーロ様も我が家へ足を運ばずもっと勉学に励んだらどうです?剣術だけではなく、まったく貴方達は…」


くどくど、一国の王子に説教をするマリエお姉様もある意味凄いなあと、眺めていたら私の存在に気づいたマリエお姉様は優しく微笑みながら


「マリア、まだ勉強は終わってなくてよ」


家庭教師よりスパルタなマリエお姉様。自分にも他人にも厳しいお姉様はやはり、カッコよくて可愛らしいです。国宝レベルです。


「ハイ!私はお姉様が一番一番大好きです!」


マリエお姉様は満足気に私の頭を撫でて

エリオス王子達を見て、


「ふふっ、まだまだみたいですわ。貴方達は」


そんなマリエお姉様に冷たい笑顔で答えるエリオス。


「ライバルはマリエ嬢かー…」


そう呟くエリオスに、なにがライバル?と首を傾げながらも、私はエリオス達を無視してマリエお姉様の元へ駆け寄ったのだった。






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